The mysterious world

不思議な話です。自己満足ですのでのんびり行きます。

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 なんだろ・・・?

 「これはね、みっちゃんが沖田くんにって、絶対本人に手渡してって言われたの。」

 「先輩に見つからないように一人で読んでって」

 「内容はうちらも知らないんだけどね・・・」
  
 運転中でしたので封筒は開けられませんでしたが、彼女たちが話し始めました。

 「あの旅行はね、現実逃避っていうか、まぁ気晴らしだったんだよね。」

 「あの子なんか落ち込んでて、変にいらいらしてたみたいだからさ」
 
 「でもねぇ〜あのしょぼい店しかなかったじゃない?あのへんってさぁ〜どうしようかと思ったよ」

 「でも入ってよかったね。みんなにあえたしさ」

 「そうそう・・・あの晩、みっちゃんとなにがあったの?」

 「あの後からね、ふっきれたというか、変わったよね」


 ・・沖田くんは気になったので

 「みつこさんなにか、悩み事でも・・?」と聞くと、二人は顔を見あわせてから話し出した。



 「実はみっちゃん彼氏がいるんだよね」やっぱりそうかぁ(ToT)と思いましたが、

 平静を装いつつ軽くうなづくと、

 「でもね、前の職場にいた元彼に会っちゃって、結婚を前提に付き合いなおしてくれって言われ

 たんだって。」

 「はじめは今の彼氏と別れようと思ってたらしいんだけど・・やっぱりいい人だから嫌われるのは

 耐えられないって、悩んでいたんだよね。」

 「今の彼氏はうちらと同じ課の人なんだけど・・笑っちゃうよね」とこと子がにたにたしている

 ので、「なんでですか?」と聞くと

 「あんたにそっくりなんだよね」おツネさんも笑いだし

 「山本(仮名)って言うんだけど、元彼に比べるとルックスいまいちって感じなんだけど、

 なかなか、律儀な奴でね。元彼とも山本に内緒で、うちら飲みに行ったことあるんだけど、

 結構まめでいい人なんだよね。」

 「両方とも失いたくないんだって・・贅沢な女だよね」とこと子さんが毒づいた。

 「でもね、あの晩カウンターに座っていた沖田くんに声かけられて、びっくりしたって、

 山本と出会ったばかりの事思い出したのかなぁ」


 こと子が続ける

 「みっちゃんはね、普段飲みに行ってもあんなにしゃべらないし、ましてや知らない男の人に、

 起こして〜なんて言わないんだよ・・こっちもびっくりしたよ。おいおいって」

 沖田は大人っぽく見えた彼女の無邪気な行動の理由がなんとなくわかった気がしました。

 そして一番気になるところで、

 「みつこさんはどちらを選んだんで?」と聞くと、

 こと子が「決まってんじゃん、大逆転だよ!」と沖田の左肩をまるでよかったなぁとばかりに

 激しく叩いた。「・・自分は別人ですから(T_T)痛いです。」と苦笑して言うと、

 「あはは(^o^)丿ごめんごめん、なんか会社にいるみたいでさぁ」

 そしておツネさんが間合いをとらえ話す。

 「みっちゃんが今日来れなかったのはね。明日、山本が実家の両親と会う予定だったからなんだぁ」

 「結婚を?」と聞くと逆に「祝ってあげてくれる?」と聞き返されました。

 沖田は精一杯のやせ我慢で「もちろんです。」そう答えた。おツネさんは安心したようで、

 「ほんとに偶然の出会いって不思議だよねぇ。なんかうちら振り回されてばっかり・・・でも、

  この女はただじゃあ起きないよ・・」とこと子を指さす。

  開き直るように、「なんでぇいいじゃない!あたしも幸せになりたいもん!」と言い出したので、

 「じゃあ、自分たちを探すのにあちこち電話をかけまくっていたのは・・」と私が言うと、

 「そう、この女がいいだしっぺ!」沖田君は大笑いしました涙が止まらないほどに、

 こと子はあの晩、みつこと二人きりになってなにを話したのか?

 本当はキスぐらいしたでしょとか、根掘り葉掘り聞いてきたが、みつこさんが言っていないなら、

 本当の事を話すのはやめておこうと思った。

 「先週は大変だったよねぇ・・・自衛隊って、普段なにしてるの?」とおつねさんが聞いてきました。

 これなら答えられると、「有事の際の備えをしています。体がなまらないように鍛えたり、武器や

 機材がいつでも正常に機能するように手入れしたりしています。」

 「戦争って起こる?」と聞かれたので、

 「もう世界のどこかで始まっています。その火種が自国に飛び火しないように各国の軍隊がいて、

  自分たちも同じです。」と教官から聞いた受け売りを話しました。

 「なんでそんな仕事選んだの?」とこと子が聞いてきたので、



  「う〜ん・・・世のため人のためになれそうな仕事がしたかったんですよ。」と答えた。
 


 首都高永福を降りてからほどなく、50年代のアメリカ西海岸をイメージさせるような駐車場付の

 大きなカクテルバー(今もこのバーに行きたくて探しているのですが見つかりません。中は天井が

 高く倉庫を改築したような・・・誰か知らないかな・・永福で降りたと思うんだけど)に到着しました。

 沖田と近藤はまるっきり場違いではやく出たくてしかたありませんでした。
 

 沖田はその店のトイレに入って鍵をかけました。

 さきほど手渡された封筒が気になったからです。

 当時その手紙を何度も何度も読み返したそうですが、残念ながら今となっては内容を細かく覚えて

 いないようです。

 可愛らしいレターセットに綴ってあった、大まかなことは、過去に自分から好きになった人、

 今の自分を大事に思ってくれて好きになってくれた人、両方とも今の自分にはかけがいのない存在

 で、どっちも大事で失いたくなかった。でもそれは自分が嫌われたり、人が自分から去ってしまう

 痛みから逃げ回るための言い訳でしたと、今まで落ち込んでみんなに心配かけたり、周りにやつあた

 りしたり、自分勝手で厭な女になってましたが、あの晩は素直な自分に戻れましたと、二人きりで

 いられた時間は短かったけどいっぱい勇気を貰いましたと、私も逃げないことを選んで、

 自分はどうしたいのか考えて決めました。結局、自分の身勝手で空回りしていただけでしたと・・

 etc便箋3枚に渡り綴ってありました。最後にあなたはきっと私を助けるために神様があのお店に

 導いてくれたと信じたいとありました。

 思い出すと赤面ものですが、当時、沖田君はそれを読んで、涙が止まりませんでした。

 純粋に嬉しかったんだそうです。嬉しいという感情で泣けたのは後にも先にも、これ一度きり。

「事に臨んでは危険をかえりみず、任務を完遂し、もって国民の負託に応えること」自衛官心得の一部。

 人の心を救うのは力ではない、そお彼は思った。

 このあと洗面台で顔を洗い、何食わぬ顔で席に戻りましたが、女性二人には勘付かれたようで、

 言われる前に、「泣いてません」と言った。

 その後、24時すぎに渋谷のビジネスホテルまで送り、

 4人の雰囲気を察して、今度こそ、「それでは自分はここで・・。」と言うと、

 今度は「お疲れ様」と皆言ってくれた。

 車に乗り少し走らせると、おつねさんが追ってくるのが左のサイドミラーに映ったので、再度、

 車を止めウインドガラスを開けました。

 「あの・・・手紙の返事はここに送ってね。それとなにか伝言ある・・?」と言ってきたので、

 「みつこさんが元気になったんなら、自分の任務は完了です。」と言うとその意味はわからないが、

 おつねさんがわっと泣き出し、「世のため、人のためだもんね・・」と言ったので、沖田君は

 にっこり笑い

 「今度、みつこさんに、いやお二人も・・・なにかあったら、いつでも駆けつけます。場合によっ

 ては戦車で!と・・・はは」と言うと、おツネさんは無理に笑って、

 「うん、了解!」と言ってハンカチを持つ手で敬礼して車から離れた。


 沖田は自宅への道すがら、妙な満足感に満たされていました。

 東側の工作員や辞めていった同期、助けられなかった行方不明者の件で感情が冷え、

 64式で捉えた照準の向こう側にしか興味のなかった自分にやさしくたおやかな風が吹いてくれた

 ような感じがしました。

 今回の出来事は反対に三人の女性のやさしい気持ちがダークサイドにいた自分の心を結果的に

 救ったのでは?そう思えてなりませんでした。


 DEENの「夢であるように」最後の方のフレーズは

 きっと二人の出逢いも遠い日の奇跡だったからとあります。

 人との出会いはなにが功を奏するかわかりません。

 なんにも物理的なメリットは無かったのに・・・

 20年前、沖田君の心に吹いた優しくたおやかな風は今でも彼の素敵な思い出のようです。





 しかし、あの4人のストーリーはここから始まり、沖田の任務はまだ終らなかったのでした。

 ある路線の左の路側帯に商用車が停止していた。

 運転者は心臓発作を起こしたらしく、すでに亡くなっていた。

 事件性はないので、病死として手続きが終わった。

 その数ヶ月後、同一現場で大変な死亡事故が起きた。

 故障の為、左路側帯に停止していた大型自動車に左車線を走行していた大型自動車が

 ほぼノーブレーキで追突した。

 運転者は無傷だったが、助手席に乗っていたバイトの高校生が亡くなった。

 運転者の話とその後の調査で分かったことは

 そのバイトの高校生は数か月前、父親を病気で亡くし家計を助けるため、

 その運送会社にアルバイトとして勤務していた。

 土曜の夜から日曜日にかけての運送に自ら頼み込んで同乗して、西日本からやってきた。

 荷を届け帰り道、その路線は通行する予定では無かったが、高校生の強い希望で経路を変えた

 事故現場付近に差し掛かると



 「あ・・・おやじが呼んでいる」とつぶやいた。


 父親が亡くなっていることを知っていた運転者は怪訝に思い

 「おい、大丈夫か?」と一瞬、彼を見た。

 その時、停止していたトラックが眼前に迫り、回避できなかったという。

 現場は緩い左カーブ

 原因は運転者の前方不注視(わき見運転)と処理した。

 しかし、その後の調べで、高校生の父親はその現場で亡くなっていた

 商用車の運転者だったことがわかった。

 不思議なのはご家族は遠方に住んでいたので、父親が亡くなっていた正確な場所は

 分からないはずなのだが・・・当然、運転者も高校生の父親の経緯までは知らない

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 呼んでいたのは本当に父親だったのか・・・?
 

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