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学生時代、体育会系の部(格闘系)に入っていました。その時、体験したものです。 3月の春休みに各部の代表者が集まって新年度の行動予定と学校側に対する予算請求について 話し合う機会が設けられた。しかし、土日を利用してド田舎にある付属大学のキャンパス内まで 貸切バスで移動して一泊ということだったので、皆参加には消極的だった。 結局、部費を私が管理していたので押し付けられるように行く羽目になった。 剣道部と野球部に仲の良い奴がいたので、どうせならと志願するように説得したが、どのみち その二人も部の中では同じ立場だったので、その必要もなかった。 当日、駅近くの森永ラブに3人で待ち合わせをして集合場所である学校に行くことにした。 自宅からその駅までは徒歩乗車時間含め40分位かかるので、少し早めに出た。 土曜日なのにサラリーマンの姿が多い、電車内も平日なみに混んでいた。 下車する駅に着いたので、山手線を降り、ホームの端にある百貨店との連絡通路に向かって 歩いていたら、外回り方向の一番後ろのところ、つまり連絡通路のすぐそばにスーツ姿の男性が 立っていた。足もとにアタッシュケースを置いて、ぼーっと前を見ている。 何気なく男性に目をやると、ゆっくりとこちらを向いた。 精気の無い沈んだ表情だったのを覚えています。一瞬目が合いました。 「そこだと電車過ぎちまうんじゃねーか?乗れねぇだろ…」と思った後、 すぐに目を前に向け、私はスタスタと彼の背中を通り過ぎました。 そして、外回りの山手線がホームに入るなり急制動をかけている音が聞こえました。 「Giiiiiiiiii!!」すごい音でした。 通路から後ろを振り向くとさっきの男性がいません。ポツンとアタッシュケースだけが ホームに残されています。 走って戻ると、飛び込む様を見ていた人たちが大騒ぎしています。 私は電車とホームの間から下を覗き込みました。 ・・・靴の片方と肉塊が見えました。 電車は乗客を乗せたままドアを開けずに沈黙しています。 私はその場を離れ、二人が待つ森永ラブに向かいました。 もちろん、興奮して2人に今あったことを話しました。 送迎バスの中でも他にホームにいた奴がいたようで、その話題で持ちきりでした。 大学について一通り行事をこなした後、ベットルームに案内された。 普段は大学のサークルや部の合宿で使われているという6人部屋だった。 夕食の後、風呂に入り部屋に戻ったが、TVもない殺風景な部屋なので、適当に6人で おしゃべりしたあと、早々に寝ることになった。 この時点では朝あった飛び込み自殺の話題は忘れ去られていた。私の頭の中にも無かった。 部屋は病室のように出入り口から入ると左右に三つずつベッドが置かれていた。 角部屋ということで、私たち三人の側に大きなガラス窓があった。 2人とも真中は嫌だというので、しかたなく私が中央のベッドを使いました。 電気を消して、他の連中の寝息が聞こえ始めたころ、誰かが外からガラス窓をノックしています。 「コン コン コン」風だろうと無視していると、また「コン コン」 この二人のどちらかがいたずらしている思い、またノーリアクション。 「バン!バン!バン!」今度は手のひらで叩いている…外から? 「おめーらよぉ 俺は疲れてんだよ」と左の奴がつぶやく すると右の奴がむくりと起き私を軽く叩いて言ってきた。 「・・・じゃあ・・・誰だ?ここ2階だぞ」 確かに私たち3人は窓側に頭を向けて寝ているが、だれも手は届かない。 「ガクン!」 次の瞬間、ガラス全体が大きく揺れた。すごい風圧を一瞬で受けたような・・・ 三人とも飛び起きた。恐る恐る窓を確認したが、異常はない。かえってそれが 恐怖心を煽った。窓の外は足場がなく、外からノックなど出来ない。 その日は風など無い。 その時、私が連想していたのは電車がすれ違う時の風圧、それによく似ていた。 だからと言って、今朝の自殺者と結びつけることは出来ないと思うが、 その時の私は彼の顔が鮮明に蘇ってきていた。
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