中上 健次
「岬・化粧他 ― 中上健次選集 12」
小学館文庫
*285頁
*発行 2000年
*カバーデザイン・菊地信義
*カバー文
紀州の山と川と海に閉ざされた土地で、逃れがたい血の桎梏にもがく青年“秋幸”の内なる滾りと切なる叫び──。
血縁地縁の深みを照らし、独自の文学世界を切り拓いた芥川賞受賞作「岬」をはじめ、架空の隠国市を舞台に路地の業火を濃密に描いた文庫初収録作品「臥龍山」「藁の家」。
故郷・熊野をめぐる荒くれ男の漂白譚に、虚と実の玄妙が鮮やかに映し出される「修験」と「化粧」。
哀切に充ちた究極のエロティシズムを流麗な文体に結晶させた「重力の都」。
根の国・熊野を豊かに覆う中上文学の甘美なるエッセンスを凝縮した選集最終巻。
(解説 金井美恵子)
*目次
岬
臥龍山
藁の家
修験
化粧
重力の都
「根の国」を「小説」で書く、こと 金井美恵子
中上健次年譜 |
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