はじまりは冬のソナタ……

グンちゃんと冬ソナ創作話 。楽しいことが一番やん(^^)b

連作『お昼の校内放送』

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seikoさんが書いて下さいました。

   ♪悲しいことがあると〜
     開く皮の表紙〜
      卒業写真のあの人は優しい目をしてた〜♪

  私も大好きな卒業写真が出てきます。

楽しかった連作もとうとう幕を閉じました。

やっぱり、最後はpoppoさん。

穏やかに和やかに希望の見える未来に繋がるよう締めくくって下さいました。
       ↓
http://blogs.yahoo.co.jp/poyosato/40610603.html





今回はたくさんのメンバーが参加して下さり、良い刺激になりました。

私も始めは「レギュラーじゃないから」と逃げ腰でしたが、その割りには結構たくさん書かせてもらいました。楽しかったです。

読んで下さった皆様、本当にありがとうございました。

私が参加し始めたころはまだ、夏休み真っ最中だったのが、季節も変わり今は秋本番。

思いおもいに耽(ふけ)るのにはぴったりの季節になりました。

まだ私の中に眠るチュンサンとユジンを別室で紹介していきたいと思います。

お暇なときに、彼らに会いに来て下さい。お待ちしています。

           ※


その日、放送室のブースに入ると、ユジンは準備したレコードと原稿、そして生徒手帳を机の上に並べ

た。     

手帳からそっと、いつも隠して持っているチュンサンの肖像画を出した。


(チュンサン、あなたと私の最後の放送よ。)


「お昼の放送です。今週は3年生の卒業記念放送です。

 しばらく振りにマイクの前に座ると色々な事が思い出されます。

 あと、数日でこの学校ともお別れです。

 3年前、心弾ませて、この学校の門をくぐったことが、つい昨日のことのようにも思えます。

 校舎にも校庭にも運動場にもあの日、あの時の仲間と交わしたときめきや思い出が刻まれています。

 ほとんどの3年生の卒業後の進路が決まりました。

 放送部の卒業生も皆・・・・・・・。

               ・・・・・・・。」

ユジンは溢れそうになる涙を、必死で堪えた。

「ここで一曲、お届けします。

        荒井由美、「卒業写真」。 」


「この先、10年、20年後、どんな自分になっているでしょう?

 その時、この学校を訪れたとき、何を思うでしょう?

 どんなに時間が過ぎても、ここに来ると、優しく私を包んでくれるような気がします。」


「最後に私の一番好きな曲を・・。
                 「初めて」です。」


ユジンの手の中のチュンサンの肖像画が少し微笑んでいるかの様だった。




放送が終了すると ユジンはいつもの様に放送日誌を開き、もう一度、「初めて」のレコードをかけた。

担当者の項目に「チョン・ユジン」と明記した後、思い切って「カン・ジュンサン」と付け加えた。

事故にあった時、すでに、転出手続きがとられていた彼はもちろん卒業名簿にも名前がない。

ユジンはせめて、この卒業記念放送に彼の名を残したかった。

チュンサンは確かに私たちの仲間なのだから・・。

そして、私が初めて愛した人・・。


・・・とうとう、あなた、帰ってきてくれなかったのね・・

                    待っていたのに・・。

                        もう、待ってはいけないの?


ユジンは放送日誌を閉じた。


           ※


昼下がりの校庭には冬の終わりを告げるようになごり雪がところどころに残っていた。

チュンサン、私、もうすぐソウルの大学に進学するの。

建築を勉強しようと思って・・。

「お転婆のチョン・ユジンらしいね」ってチュンサン、笑ってるんでしょ?

あなたの夢は何だったの? 

もっと、あなたのこと知りたかったのに・・。

もっと、私の話を聞いて欲しかったのに・・。

私はね・・。

何か物を創る仕事がしたいの。

何もないところから何かを創り出すのはとても素敵なことじゃない? 

チュンサン、ソウルから転校してきたわよね。

ソウルに行ったらあなたに会えるような気がするわ。

街角で突然、ばったりと出くわすような・・。

                  ・・・そんな訳ないのにね。



私、まだ、あなたが死んだ様には思えないのよ。

信じたくない気持ちがあなたの死を認めたくないだけなんでしょうけど・・。


人ごみに流されて、忙しく生きていたら、あなたのこと忘れられるかしら?



いいえ、チュンサン、あなたを忘れて生きるぐらいなら、この胸の痛みを抱いたままの方がいい。

私を置き去りにして一人で遠い所に行ってしまって、少しあなたを憎らしく思うわ。

今度、あなたに会ったらうんと文句言わなくちゃ・・。

あなたに・・・会えたら・・・

           いつか・・・・会えるかしら?・・・

私がそっちに行ったら、真っ先にあなたを探すの。

今度は会えるわよね。

待っていてね。

もう少し、時間がかかるけど、必ず、チュンサンのところに行くから・・。

山で迷子になった私を見つけてくれたように、あなたも私を探してくれるでしょ?



    校庭をゆっくり歩くユジンの足元で落ち葉がやさしく舞った。
                    
                 ・・・僕が初雪を降らせてあげるよ・・・

    いるはずのないチュンサンがすぐそこにいるような不思議な感覚だった。

                  ・・・道に迷ったらポラリスを探すといい・・・

    チュンサンの声が聞こえた様な気がした。



    チュンサン、あなたを忘れないわ・・。

    空を見上げたユジンの頬に静かに一筋の涙が光った。

          (おわり) 
          

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この冬も終わろうとしていた。

あと、数日でユジン達は春川第一高校を卒業する。

3年生になって、放送コンクールに出場した後は、実質的には2年生が主力となり、3年生は受験勉強に

専念していた。

それぞれの進路が決まった今、卒業記念としての放送をユジン達、3年生がする事になった。

久しぶりに放送室に5人が集まった。

いつもの5人。3年前、入学して初めて放送室に集まった時のことが思い出された。

でも、3年前とは違う。

チェリン、チンスク、ヨングク、サンヒョク、その隣にユジン。

ユジンの隣には空席になったままの椅子があった。

ユジンはぼんやりと空の席を見つめていた。



パク先生の配慮で2年生の時の教室にはチュンサンの机と椅子はそのままにしてあった。

机の上の花瓶には絶えず誰かが花を飾っていた。

そのチュンサンの席も3年生に進級し、クラス替えがあり、3年生の校舎に移ると自然となくなってしま

った。

だが、この放送室の席だけは以前と変わらぬままであった。

いつ、彼が帰ってきてもいいように・・。

ある日、突然、転校してきたように、また、彼がひょこり現れるような気がしてならなかった。

機械いじりが得意で無口なチュンサン、影のある瞳の奥に違う何かを隠していたことを、今となっては皆

知っていた。

誰もがユジンを気遣って口にしなかったが、心に思うことは皆同じだった。

ほんの短い間に彼は忘れられない痕跡を残していた。




元部長のサンヒョクが重苦しい空気を取払うように、努めて明るい声で口火を切った。

「放送部、最後のひと仕事。みんな、頑張ってくれよ。

 テーマは自由。それぞれに、思いを込めて放送しよう。まずは、組み合わせを考えよう。」


結局、くじでパートナーを決める事になった。

サンヒョクとチェリン、チンスクとヨングク、そして、ユジン。

「ユジンが1人になるから、ぼくがアシストするよ」

サンヒョクの提案にユジンは躊躇した。


ユジンは寂しげに隣の空席を見つめた後、席を立ち、皆に背を向けてレコードを選び始めた。

「最後の放送だから、いいものにしないとね・・。どの曲がいいかしら・・・」

 自然に振舞っているふりをしながらも、ユジンの声が震えていたことを皆は知っていた。

「ユジン・・」

席を立ちユジンの肩に手を置こうとするサンヒョクに、チンスクが目で合図して止めた。

ユジンは気配を感じて背中を向けたまま言った。

「サンヒョク、大丈夫よ。

    ・・・・放送はできるわ・・・心配しないで・・・」

ヨングクは何も言えず、立ち尽くすサンヒョクの肩を軽く叩き、皆に目配せして外に出た。

小さく弱々しく震えているユジンの背中が皆の目に痛々しく映った。



          (第37回につづく) 

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しっとりと美しく残された5人の気持ちを書いてくださいました。


http://blog.goo.ne.jp/awa1993/e/991774e4fde0f777b764d6466a3caa07


校内放送も終盤にさしかかってきました。

さあ、次の打席が最後のようです。

「ラブラブモード」も「おふざけモード」もあっちに置いといて(笑)、真面目に「冬ソナモード」に突入します。

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