由布院発 デジアナおじさんの怒りの矛先

ただいまリニュアル作業中です。しばしのご猶予を・・・・

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「共謀罪にもっと関心を!」

 大分市内の若者二人がバイクにまたがり遊びにやって来た。「遊びにやって来た」と言っても、別に私と遊ぼうなんてことは彼らは思ってもいないはずで、ただ久しぶりに私目の顔を覗きにやってきたわけだ。一人は普通の会社員で、彼女とタンデムでやってきたのは地方公務員で、見た目は公務員には見えない面白い男だ。
「まぁ、折角やって来たんだからお茶でもご馳走するよ」ということで、定番のクレムブリュレとコーヒーを彼らの前に並べる。そして、いつもの様に近況や、仕事のことやらの四方山話が始まった。最近、彼らも「社会の動き」に興味を示し始めているらしく、経済のことや、政治の話を堂々と披瀝する。
 そんな中、公務員君が真顔で聞いたことがある。
「最近、時々ニュースなんかで『共謀罪』うんぬんかんぬんていう話を良く耳にするんですよね。なんか、グループで冗談にしろ何かを企てようという話をしただけでとっ捕まってしまうてこと。本当なんですか?」
「うん、本当の話。今の国会で審議してるよ。でも、共謀罪のこと良く関心を示したね」若い人や奥様連中で「共謀罪」について知っている人はほとんどいないだろう。税金や福祉の話だと、自分の身の回りに直ぐ関係してくるから、政治の話でもそれらの内容は関心度は高い。
「でも、その共謀罪というのは、犯罪なんかを計画する人を取り締まるための法律じゃないんですか?私たちには犯罪さえ起こさねばあまり関係ないんじゃないですか?」隣りに座っている会社員君も頷く。
「おっとこどっこいなんだ。それが今国会でもめているところというか・・・」
そういう私も、どうも最近は物覚えが悪くなったせいか的確に答えることができるかどうか不安がある。政治学を専攻したといっても都市政治学の方だし、ここ十年来、政治に直接関与する行動やら学習もしてない。あやふやの一言だ。
「この法律の名前、(犯罪の国際化及び組織化並びに情報処理の高度化に対処するための刑法等の一部を改正する法律案ていう長ったらしい名前があるわけだが、私が彼らに正確にその名称なんて言えるわきゃない)ひじょうに長い名前の法律なんで、組織的犯罪処罰法と略したりしているよね。そもそもは、国際的な犯罪を取り締まるために、世界の国々が条約を作ってこれに当たろうということだったはずなんだよね。ところが、日本の場合、条約とかけ離れて、国内の犯罪を処罰の対象にした法律を作ろうとしているところがまず問題なわけだ」
政治的駆け引き、特に米国、英国の対応などについて聞きかじっていたことを付け足した。G8加盟国ではフランスとカナダだけしか批准していないことや、米国、英国はこの条約に批准していないこと、米国の愛国法の話なんかをしたわけだ。
「なんで共謀罪ていうんですか?」
公務員君の彼女がブリュレを食べ終わったのか、そんな質問で話しに入ってきた。
「言葉通りに言えば、共同謀議を図る罪ということだよね。二人以上で、例えば、由布院なんか反対運動なんてことを良くやるんだけれど、そう大型ホテル建設反対とかね。そんな時、仲間内で建設反対のために座り込みしようかなんて相談をすると、『威力業務妨害』の共謀罪ということで検挙されたり、税理士さんなんかと会社の支払う税金を少なくする方法を話し合ったりすると、『脱税』の共謀罪になるわけだ。例を挙げればきりがないんだよね。だって、この共謀罪に該当する法律や罪名というのは、619もあるわけで、日常生活のほとんどの事柄が当てはまってしまう」
3人とも、少しだが驚いた表情というか、これまでの笑顔が引きつってきている。
「そこなんだよね。犯罪と言うのは、起こしてから罰せられるはずで、明らかにこの法案と言うのは、予防という意味合いが強い。昔、治安維持法ていう法律があったのを知っているかな?」
「あー。聞いたことがあります。共産党員や左翼の人たちを訳もなく検挙したり、拘留したことは知っています。何となく、権力保持というか、体制維持のための弾圧のイメージを持ちました。その時は・・」
「そうだよね。この治安維持法にしても、最初から弾圧するためのというか、国民の自由を制限したり、束縛するための法律ではなかったんだよ。ところが、社会の変化が法律の意味合いまで変えてしまった。今回の共謀罪も、いつ豹変するか。そんな危険を持っている法案なんだよね」
公務員君が、この話の内容に不似合いないつもの明るさで話す。
「そうか。それで平成の治安維持法ってテレビで言ってたんだ」
「怖い世の中になりそうですよね」
彼女が小声でつぶやいた。
「そう怖いよね」コーヒーを飲み干し、私は続けた。
「密告を奨励したり、盗聴が可能になったり、監視社会の中で生活するようになるわけだ。米国の愛国法も似たところがあって、実際に盗聴やメールなんかの調査が秘密裏に行なわれているし、共謀罪法案がもし成立でもしたら、憲法どころじゃなくなってしまうよね。だって、集会の自由や言論の自由も表向きは保障されてるようにあっても、実際は警察の判断一つで『犯罪化』されてしまうんだから。いつかの時代に逆戻りしてしまう」
彼らは、いつの間にか押し黙ってしまった。
「おいおい、まだ決まったわけじゃないから、そんなにしゅんとするなよな。今までも、2回も廃案に追い込まれているんだから。でも、だからと言って、安心もできないぞ。コイズミ劇場のおかげで、今の国会は圧倒的に与党のほうが多い。数の論理だけで攻め込まれたらひとたまりもないよな」
「俺達、今日の話を聞いて、かなり不安を覚えてます。日本てこんな国じゃないと思ってたから・・」
と会社員君。彼らは、所謂無党派層だ。選挙では投票という義務は果たしているらしい。でも、今政治がどのように動いているかについては「無関心層」で、切羽詰らなければ体感できないし、行動にも移さない。日本の未成熟な政治風土の中で育っただけにそれは仕方のないところだろう。
「じゃぁ、俺達、今何をしたらいいんでしようか?」
公務員君がマジな顔をして聞いてきた。これには参る。野党にがんばってもらうしか具体的な手がないからだ。
「まずは、一人でも多くの国民がNO!の声を上げる。メールを使ったり、ブログに書いたり、周りの人に知らせることだよね。世論で政治を動かすということだわ」
そして、彼らにITメディアを使っての情報収集、ためになるHPやブログを教えてあげる。さらに、ジミントウへの反対メール投書、民主党、社民党など野党への激励メールと言うか、意見メールの手法を教え、まずは友達に「大変だぞ」ということを直接話してあげてみたらということを提案してみた。
「今日は、ちょっと立ち寄るつもりが時間をとらせてすみません。でも、おかげで遊ぶこととは別の楽しさ、でいいのかな、つまり何かをしようと言う気持ちが高まって気分がいいデス」
いい青年達だ。もっと、みんなが関心を持つ。学習した結果、反対でも、賛成でもいい。自分の力でモノゴトの判断をし、行動に移す。テレビなどの既成メディアに頼っていてはダメなんだ。なんかその辺のことを言いたかったのだけれど、伝わっただろうか。私自身、しっかりと勉強しておかないと今日の様なことの二の舞になってしまう。反省だ。
 政治は日々動く。そして表の動きと、裏の動きがバランスを取りながら社会を誘導する。そして、そこには絶えず権力の腐敗臭が付きまとっているのが常だ。そんな旧態依然とした政治の姿を若い人たちには見せたくない。そう思いながら、彼らのバイクのエキゾーストノートを見送った。
[共謀罪]衆院法務委が28日の採決見送る 攻防ヤマ場
 犯罪を事前に話し合っただけで罪に問われる「共謀罪」を新設する組織犯罪処罰法などの改正案に関し、衆院法務委は28日の採決を見送った。与党は同日の採決を提案したが、慎重審議を求める野党が反発したため、提案を取り下げた。次回の参考人質疑などの後は与党が採決を求めるとみられ、与野党攻防はヤマ場を迎える。(毎日新聞/2006年04月28日22時31分)

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流石ですね!デジアナおじさん。 リアルの世界でわかりやすく若い方々に共謀罪の話が出来るなんてすごいです。簡単そうでなかなか難しいと思うのですよ。 それだけデジアナおじさんの言葉に重みがあるからなのでしょうね。 政治学を専攻されてたんですね。私も若い頃にちゃんと考えて大学くらい行ってたらよかったなぁってこの頃たまに思います。思うだけだけど(笑) 私もいつの日か由布院に行って、デジアナおじさんの話を伺いに来ます♪ 削除

2006/4/29(土) 午前 8:29 [ ぶいっちゃん ] 返信する

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28日の採決は見送られたようです。これが廃案へ向けての第一歩となるように、追撃をしなければなりませんね。こうしたプログ・世論の後押しが一番です。

2006/4/29(土) 午前 8:48 [ baz*tou*uu*970 ] 返信する

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ぶいっちゃん、どうもです。ぶいっちゃんが今回書かれているように正に「見られてナンボ」で、そこに自分の主張や、文体や、わがままが出てればいいのではと思いますね。ただ「思い込み」だけは禁物。そういいながらも、自然自分の世界へと入りすぎるのはわがままのわがままなのでしょうね。

2006/4/29(土) 午後 4:17 unc*eyu*u 返信する

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乱麻さんこんにちわ。ブログでの世論形成。政界も無視できなくなるようなブログのネットワーク。そうなると理想ですね。世間話をするように、ブログの中で政治を普通に語る。そんな風になるとしめたものです。分りやすく、易しい言葉で今の社会批判をできればと思っておるのでした。

2006/4/29(土) 午後 4:23 unc*eyu*u 返信する

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共謀法=新治安維持法阻止の為にブログでがんばりましょう。 今お近くの由布市庄内に居ます。 削除

2006/4/29(土) 午後 4:50 [ 大津留公彦 ] 返信する

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ブログがどれだけ力を持つのか分かりませんが、とにかく声をあげなければなりませんね。↓からたどり着いた「きっこのブログ」。面白かったし、結構、人が見ているようだし、ブログも力になりそうな気がしています。がんばりましょ。

2006/4/29(土) 午後 5:44 [ jyo**ou42 ] 返信する

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大津留さん、庄内なんですね。GWを直前に、難題山積の国会。「郵政民営化」の時の様な「コイズミ騙し」で重要法案を可決されていっては日本は封建国家になってしまう。そんな心配ばかりすると私の体はさらに不調を来たしそうです。困ったものですね。

2006/4/29(土) 午後 10:44 unc*eyu*u 返信する

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上等さんこんばんわ。「きっこのブログ」は必見ですね。きっこさん独特の「きっこ文体」はリズムがあるし、何よりも「情報量」が凄い。地方にいるものとしては、情報を得るのに役立ちます。その内容の信頼度は個々が判断すればいいことで、その豊富な知識と情報にはピックル。きっこブームも理解できますよねという今日この頃、いかがお過ごしですかw。

2006/4/29(土) 午後 10:51 unc*eyu*u 返信する

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