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フィラデルフィア


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■ PHILADELPHIA
1993年 / アメリカ / 125分
監督:ジョナサン・デミ 
製作総指揮:エドワード・サクソン / ジョナサン・デミ 
脚本:ロン・ナイスワーナー
出演:トム・ハンクス / デンゼル・ワシントン / ジェーソン・ロバーツ / メアリー・スティーン・バーゲン / アントニオ・バンデラス
 フィラデルフィアの語源は「兄弟愛・友愛」を意味するギリシャ語。フィラデルフィアは独立宣言が採択されたり、初の国会が開催されるなど「合衆国誕生の地」として知られており、アメリカ合衆国の最初の首都になった町でもある。トム・ハンクスはアカデミー主演男優賞とベルリン映画祭男優賞を受賞。ブルース・スプリングスティーンが書き下ろした主題歌「ストリーツ・オブ・フィラデルフィア」もアカデミー主題歌賞を受賞。

フィラデルフィア / PHILADELPHIA

 アメリカ・フィラデルフィアの地元最高と言われる法律事務所で、将来を嘱望されていた弁護士・アンドリュー・ベケット。彼は次々と企業訴訟に成果を上げていたのにも係わらず、突然謂れ無き解雇を命じられる。それに対し、彼は不当解雇に対する訴訟を起こす決意を固める。だが、その弁護を請け負ってくれる弁護士が見つからない・・・。実は・・・彼はゲイであり、しかもHIV(エイズ)の感染者だったのだ・・・。

 先日の土曜、CS放送の映画チャンネルで放映されていました。私の好きな映画「羊達の沈黙」の監督でもある、ジョナサン・デミの作品であり、また、INDIGO GIRLS が挿入歌を歌っているという事もあり、以前より気になっていた作品でした。偶然、チャンネルを合わせた時、ちょうどオープニングがスタートする所で、これ幸いと観る事にしました。

 早速ですが、いつもの感想です・・・(今回もネタバレおおありですので、未見の方はご注意を・・・)

偏見 差別 これらの問題は、自分自身の中から、なかなか拭い去る事は出来ないのだな・・・と、恥ずかしくも再認識した次第です・・・。

 この映画の制作されたのは、1993年。当時のハリウッドでは、タブー視されていたゲイやHIVの問題を、作品のメインテーマとして初めて堂々と扱った作品だと聞きます。が、この作風を見て、この時代ではこれが精一杯だったのだろうな・・・と思いました。いや、今の時代でも、デリケートなこの2つの問題を扱う事は、とても難しく勇気がいる事だと思います。ハリウッドという商業主義の蔓延る世界(勝者と敗者が明確に分かれる世界)で、このようなテーマを扱う事自体、ある意味驚くべき事かと思います。

 しかし、感動的な愛の映画・・・という感じとは言えなかったようにも思います。そう、ゲイの愛情表現をストレートに表すのは、抵抗があったのかもしれません。また、主人公がゲイとなった理由や、ゲイの愛とはどういうものなのか(彼らの愛情表現)という点も、十分に描けてなかったと思います。故にこの映画を観ただけでは、同姓者に対する恋愛感情に、肯定する気持ちも、否定もする気持ちはわいてくるような事はないのではないか?と思いました。

 また、一級の法廷映画といった感じでもなかったように思います。法廷論争の場面においても、激しく論破しあう類のシーンはありませんでした。それこそ論点となるのは、彼の解雇の時点で法律事務所側は、彼がゲイであり、HIV患者だと知っていたか・・・という部分。その判決においても、陪審員(及び、我々観客)に何か決定的な情報が提示されていたわけでもないですしね・・・。今までタブーとしていた話題を扱うが故、作品としてどういった部分に重きを置いて作るべきなのか、最後まで悩みが尽きず、一歩踏み込んだ作品にはなりきれなかったようにも感じました。

 このように、この作品には少々厳しい視線を向けてしまっているかもしれませんが、俳優人は、素晴らしい演技をしてくれていたと思います。トム・ハンクスはこの作品でアカデミー主演男優賞とベルリン映画祭男優賞を受賞。流石に上手い演技です。しかし、個人的にはそれ以上に、彼を弁護するデンゼル・ワシントンの演技が素晴らしかったと感じました。

 また、アンドリューの元同僚で、輸血によって止む無くHIV患者となってしまった女性が、彼を弁護する際にいった台詞が、印象的でした。「私は、自分だけがエイズにかかった多くの人たちの中で例外で、人とは違うと思っているわけではありません。原因がなんであれ、エイズ患者はみな同じです。わたしたちは罪人でも無実の人でもありません。ただ懸命に生きのびようとしているだけなんです。」

 ここまで書いていていながら、私は法律事務所の人の気持ちを100%理解出来ない。とは言えません。彼を不必要に忌み嫌うのはどうかと思いますが、エイズを患っているという事実を黙っていられたという事に不安を感じる人がいても可笑しい話ではないと思います。(彼が言い出せない理由も判りますが、病気であると認識する前後に、エイズの感染予防措置を彼が十分に取ってこれたという保証が無ければ、そりゃあ不安になっても可笑しくはないのではないかと思うわけです)実際、デンゼル・ワシントン演じる弁護士が、アンドリューに対して最初に見せた様々な態度は、そのつもりがなくとも、見せてしまうかもしれません・・・。そう、不必要な不安を取り除き、誤解や偏見を解くには、双方共に、ある程度歩み寄る勇気も必要なのではないかと思ったりします・・・。それが難しい話というのは、物凄く良く判るつもりです・・・何故なら・・・

 こんな事を書くと誤解を受けるのが怖いのですが、私の知人にゲイがいました。(久しく会ってはいませんが)音楽や芸能界では見聞きしていて、私の好きなミュージシャンにもゲイがいますが、実際にその人から、カミングアウトをされた際はやはり驚きました。その人いわく、たまたま人間的に好きになってしまった人が、同性であっただけで、好んでゲイの道に入っていった訳ではないと言っていました。その人は家庭環境は何かと問題が多かったにも関わらず、自分は周りの期待に応えて、良い人として生きていかなければと、子供の頃から思っていたそうです。しかし、無理をして頑張っていくことで、抑圧された感情の行き場を失ってしまい、凄いストレスを感じるようになっていたそうです。そして、その歪んだストレスを受け入れてくれる人がたまたま同性で、いつの間にかその人を好きになっていったのだそうです。

 その人は、普通に話している分には、何処にもゲイといった感じの印象はなく、逆に回りに凄く気を使うので、同性からも異性からも人気者でした。(私はその人からカミングアウトを受けるまで何年間もの間、全く判りませんでした。しかし聞いてからは、その端々の仕草で、ああ、そうなんだなって判るようになりました・・・)実際、その人は異性の人とも何年も付き合っていて、かつ、その相手の人も、その人がゲイであった経歴も知っていて、結婚の話も出ていた時期もあったそうです。そういった意味ではバイセクシャルって事なのかもしれませんね。ちなみにその異性の方とは残念ながら別れてしまったと聞きました。

 その人は、自分が抱いたナチュラルな感情(愛情)を疑いたくないとおもいつつも、自分の存在を誰もがそのまま受け入れてくれる訳でない事も判っていていたそうです。でも、誰かと一緒にいないと(自分の居場所がないと)凄く寂しくて、それがまたストレスともなってしまうようでした・・・。

 そうした事実に対して、物凄く判る部分や、共感出来る部分もあります。でも、仮にその感情が私自身に向けられたら・・・となるとどうでしょうか・・・。人間的に自分の事を気に入ってくれたと素直に受け止めれるでしょうか。それとも、異性からの申し出を断る以上の反応で応える事となるのでしょうか・・・。こういった問題は、いざ自分自身に向けられると、自分という人間の中にある、他人への許容度というか、自分自身を試されるかのようで、妙な怖さがある世界かもしれませんね。

 ちなみに、その人いわく、意外とそこら中にゲイはいるとの事でした。ゲイは、ゲイどうししか判らないサインのようなものがあるらしく、判る人には直ぐに判るそうです。(私には教えてはくれませんでしたが)

 あ、ちなみに私はストレート(普通に女の子が好きな男の子)です。

  • アメリカって、ある意味すごく保守的な国でもありますから、偏見・差別はなかなか排除できない問題なんですよね。これを自分の身のまわりに置き換えて考えるとまた複雑ですし。しかしこんな問題を映画にしてしまうのもスゴイ話しですよね。

    Fummy

    2006/5/15(月) 午前 0:11

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    FUMMYさん、こんにちは。そうですよね、TVから伝わってくる情報だけでも、人種・宗教だけでなく政治思想等にも、あきれる程保守的な考えがあるのが伝わってきます。で、あるにも係わらず、世界をリードするのはアメリカしかないという傲慢さもあり、そのエゴには嫌気すら感じる事が多いです。が、こんな映画を作れるのも、アメリカならではなのかもしれませんね。(逆に、ネタになる問題も多い国という事なのかもしれませんが・・・)ホント、色々な意味で複雑な問題ですね。

    Shiny Sky

    2006/5/15(月) 午前 0:20

  • 「イン&アウト」でアメリカの偏見の深さを思い知らされましたが、レズにもサイン?があるみたいですよ。実はそういうお店に一度いったら「あなたノンケでしょ?」っていきなり言われたんです。なんで!?(そうだからいいんだけど)服装とかなんでしょうか・・・?TBさせてくださいね。

    [ - ]

    2006/5/16(火) 午前 10:51

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    タイタンさん、コメント有り難うございます。私は残念ながら「イン&オウト」とうう作品は知りませんでした。でも機会があれば観てみたいです。レズにもサインがあるのですが。男のホモと同じサインなんでしょうかね?あ、私も一度だけ会社の先輩に、オカマバーのような店に連れていかれましたが、ただ化粧の下手なオッサン?(しかも、ウケ狙いの偽者?)しかいませんでした(苦笑)

    Shiny Sky

    2006/5/17(水) 午前 0:25

  • 私もオカマバーに1度行きました(そういうとこばっか行ってるわけじゃないですよ!)ああいうところって女からするとすごい楽しかったですよ。(しかも会社の打ち上げで行った。どういう会社だよ!)TBありがとうございました♪

    [ - ]

    2006/5/17(水) 午前 6:37

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    ShinySkyさん、自慢するわけでは全くないのですけど、私この撮影現場を街中で観ております。その後映画館にも行って観ました。懐かしいです。久しぶりに観たくなってきました。

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    2006/5/17(水) 午後 2:47

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    katatumuridonoさんこんにちは。いえいえ、遠慮なく自慢なさってください(^^)凄いですね。現地にお仕事か勉学で訪れていらっしゃったんでしょうか?私は映画のロケを生で観た経験はないので興味深いです(TVのロケなら何度かあるのですが・・・)こういった作品は万人受けするものではないのかもしれませんが、この問題を考える価値ある作品として語り継がれていくと良いですね。

    Shiny Sky

    2006/5/18(木) 午前 0:17

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    この映画の果たした役割は大きいと思いますよ。この映画を観てからもHIV感染者をあからさまに差別する人間はいないと思いますもん。エイズを扱うということで話題性も抜群だった反面、そこまでしてヒット作を出したいか!?という批判もありました。結果、トム・ハンクスとデンゼル・ワシントンの演技が素晴らしく、映画の評価も高く、扱ったテーマ、つまりHIV感染者への差別問題が注目されましたから。

    ミジンコ

    2006/5/18(木) 午前 1:09

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    ミジンコさん、コメント有り難うございます。そうですね、この映画が製作され、しかも超有名俳優が主演した事で、ゲイやHIVといった話題をするのをはばかっていたような人ですら、これらを一般的な話題と同じように話す機会が増えたように思います。それだけでもこの映画の効果は凄かったのでしょうね。

    Shiny Sky

    2006/5/18(木) 午後 9:48

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