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■ 今日も動物園日和 先に読んだ本に続き、上野動物園の飼育員さん達による動物解説の本を読んでみました。この本の内容は、上野動物園で行われているキーパーズトーク(飼育員による生解説)をかなり簡略化し、紙面化したような雰囲気のものではないかと思います。(直接上野動物園でキーパーズトークを見た経験がないので、あくまで推測ですが・・・。) ■ 感想 動物園って、訪れる度に新鮮な驚きや、感動があったりしますよね。子供だった個体が大人になっていたり。子供まで出来て、大家族になっていたり。久しぶりに見る彼らの姿を見るだけでも面白かったり、癒されたりします。 でも、何時間も同じ動物の姿を見続ける事は現実には難しかったりしますよね。何故なら、限られた時間内で多くの動物を見たいと思うと、それぞれを見るために避けられる時間はそんなに割り振れなくなってしまうからです。無論、毎週のように訪れるのもなかなか難しかったりするわけで・・・。 それにいくら興味を持っていても、見たいシーンに出会える保証はありません。夜行性の動物は昼間に寝てるのが常。食事の様子を見たくても、訪問時間が餌を与える時間とは限りません。群で動き回る様子をみたくても、少数しか飼われていない事もあります。発情期や妊娠中、赤ちゃんを育てている最中でないと見せない行動パターン等もありますし、そうした時期は彼らがナーバスになっている関係上、一般公開を一時中止しているケースもあります。 なので我々一般人は、どうしてもその場限りの外見的なインパクトで彼らを語ったりしてしまいがち。でも、それでは動物や、彼らが本来生息する自然環境を理解出来るのかというと、無理があるのが現実だと思います。それに、解説板を併設していても、殆どの人が読まないという現実もあるようですし・・・。(これは外国でも同じらしいです。) 故に、動物園(水族園)においては、飼育員などによる生の解説が、他の文化施設(美術館・博物館・科学館)に比べて、非常に重要なのではないかと思います。それこそ、飼育動物に毎日触れている事から、種としての動物を熟知しているだけでなく、ぞれぞれの個体別の個性まで理解しており、一見しただけでは判らない事や、飼育する上での苦労話、彼らが本来生息していた環境や、そこで行われている環境破壊の現実なども、事細かに伝える事が出来る存在だからです。それに、判らない点は来場者が直接質問できたりしますし、飼育員の意思次第で内容を日々アップデート出来るので、新鮮度が違いますしね。 そう、飼育員という存在は、単に動物を守り・育て、彼らとコミュニケーションを図るだけでなく、自然環境に起きている様々な問題を我々に提起する「動物・自然環境の代弁者」としての役割も期待されているのではないでしょうか。それは深い知識のみならず、高いコミュニケーションスキルや人間性も要求されるものであり、重い責務と期待が圧し掛かっているのではないかと思います。それに、実際の現場仕事はキツイ臭い、汚れ、肉体動労、等に耐えなければならない部分が大半であり、その上で学術的な事も常に学ばなければならないなど、色々な負担も多いのだろうと思います。 しかしながら、この本に出て来る飼育員さんたちは、希望に満ちたような明るい表情をした若い美男・美女が多いのが印象的でした。(写りの良いスタッフばかり選んだというわけではないと思いますがw) まあ、どれだけ大変であっても、希少な動物達と直接触れ合える幸運と、喜びに比べれば些細なものであり、どのような時代になってもこの仕事を希望される人は多いのかもしれませんね。 |

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