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■ 深海5000メートルからのライブ中継 先日このブログでとりあげた 「深海5000メートルへの挑戦」 世界最深の深海熱水域に挑む「しんかい6500」の科学探査の現場を公開生中継というネット動画配信番組を拝見しました。(これは、有人潜水探査船「しんかい6500」がカリブ海ケイマン中央海域に潜り、科学探査する様子をネットの動画配信で約12時間に渡り生放送するというものです。) ● 感想 いやはや、凄く興味深く、面白い内容でした。潜水探査船の着水・潜航・着底・調査・浮上・揚収作業を見られるなんて滅多にあるものではありません。しかもそれがライブ放送で見られるというのだから驚きですよね。 それこそ従来は、海中では電波の減衰が激しいため、ライブでの動画・音声送信は不可能とされてきました。そこで今回は世界初の試みとして、探査船と洋上に停泊する母船を光ファイバーケーブルで繋ぐ事で、実現に至ったそうです。しかしながら、光ファイバーは折れや曲げに対して強い素材ではありません。また、約5000mもの長さを確保するため、非常に細いものを用いています。 そのため、探査船の着水時・海底での着低の衝撃や、海底での障害物との接触、海底の熱水噴出孔付近での熱水・等の影響により、何時断線するか誰にも判らないという状況だったそうです。(なので、今後光ファイバーを用いた通信システムを常時運用するわけではありません。) 実際、熱水噴出孔でブラックスモーカーの様子を調べている最中に、例の 「エビの呪w」 (注1) によって光ファイバーは断線。以降は、従来からある水中音響通信システムを用いて、10秒に一度の粗い静止画と音声のみで配信される事となってしまいました。しかし、それまでの間(着水・潜航・着底・調査)の様子があそこまで綺麗な画像でライブで見れたのですから、今回の試みは大成功と言って良いものだったのではないでしょうか。(母船「よこすか」スタッフですら、深海探査の様子を此処まで綺麗な状態でライブで見れたのは初めてだったそうですしね。) 無論、その他の事が全て順調だったわけでもありません。探査船に持ち込んだPCの温度計データの補正ファイルがなかなか見つからなかったり、母船「よこすか」や、日本の「ニコニコ動画の番組スタジオ」との交信にタイムラグが発生したり、ハウリングが酷くて聞き取れない状況などもありました。 しかし、そうしたトラブルが発生したり、何も起きない時間が長く続いたりする様子こそ、「過度な演出や、編集が介入していない、現場ならではのリアルな臨場感」というものに繋がっていたように思います。(そういえば、潜航途中から音声のタイムラグが無くなりましたね。何らかの技術対策が功を奏したのでしょうが、あれは凄いですね。) それに、探査船に搭乗していたJAMSTECのプログラムディレクターの高井研氏(コードネーム1031)は無論の事、スタジオに呼ばれていた広島大准教授の長沼毅氏や、前潜航長の吉梅剛氏のキャラも良い味を出されていたように思います。さらに、JAMSTECの理事長や、JAXAシニアフェローの川口淳一郎氏(はやぶさのPマネージャー)までゲスト出演されていて、凄く豪華な面子でしたね。 また、空いた時間には、横浜にある新江ノ島水族館とも(深夜であるにも関わらず)中継を結び、展示中の「しんかい2000」(実機:動態保存)の紹介や、JAMSTECスタッフによる科学実験の実演もあったり、次期有人探査船の話題もあったり、しょこたんが搭乗した時の裏話(注2)など色々な話も聞くことが出来て、本当に至れり尽くせりの内容だったと思います。 此処まで書いていてなんなのですが・・・正直なところ、私は睡魔に負けてしまい、途中で何度かウトウトしてしまいました。(^^; でも、ニコニコ生放送にはタイムシフト予約という便利な機能(サーバーの保存された録画データを用いて、好きな時間に見る事が出来る機能)があるため、番組終了後に再び見返す事が出来ました。 このタイムシフト機能は、無料のアカウント登録をすれば誰でも利用できます。しかも、本来であれば番組開始30分前に予約したユーザーのみ使える機能なのですが、この番組に関しては、誰でも利用可能な設定にしてあるとの事。つまり、アカウントさえ登録すれば、誰でも今から見直す事が出来るのだそうです。 全て見通すと12時間・・・と聞くと、「ちょっと長すぎて・・・」と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、こんな機会はめったにありません。臨場感のある海底探査の様子を、皆さんも是非ご覧になってみてください。 注1) 「エビの呪い」 とは 海底探査中、意図的にマニピュレーターで熱水噴出孔を倒した際、付近に生息していた白いエビ(オハラエビの一種)が少なからず犠牲になってしまった模様。その直後、光ケーブルが断線したため、断線は犠牲となったエビ達の呪いによるものではないか?とニコ厨が大量コメントをし、定説?となった。実際の理由としては、熱水噴出孔付近の岩にケーブルが引っかかった、ないしはそれらの熱で破損したなどの可能性も考えられるが、詳細は不明となっている。 注2) しょこたん搭乗時の裏話 以前、TBS「飛び出せ科学くん」の特番で、しょこたんこと、中川 翔子が搭乗した事がある。番組で映し出されていたとおり、探査船内では常に絶叫していたらしい。ちなみに、探査船内は化粧品・整髪料の類の使用は許可されていない。(1気圧を保つために、純粋酸素を使用しているため、引火しやすいから。静電気が発生しやすいフリース類も使用不可。) しかし、しょこたんはTVタレントという事で、事前検査した化粧品を使用する事で、特例的に許可されたとの事。(化粧品を24時間に渡り純粋酸素内に置いて観察し、問題が無いか確認した。) |
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