|
■ 2013年下半期に見た映画 その2 ヒューマンドラマ・ドキュメンタリー 2013年の下半期において、新旧を問わずに見た映画の感想を纏めてUPします。ちなみに去年の下半期は、一昨年ほど映画を見れていないので、このシリーズはこれで一旦終了となります。(順不同・ネタバレ一部ありです。) ■ ビヨンドサイレンス カロリーヌ・リンク監督による1996年のドイツ映画。この映画は実に素晴らしい映画でした。ここ数年見た映画の中で、相当上位に位置する程気に入った作品です。 聴覚障害を持つ両親の間に生まれた少女「ララ」と、その家族の愛を描いた作品です。主人公である少女は耳が聞こえるものの、特殊な家庭環境で育った事によって、社会との間に生じてしまう様々なギャップに悩みを感じながら生活している様子が描かれています。唯でさえ多感な時期を過ごす少女にとって、耳の聞こえない両親の存在が疎ましかったり、学校や社会とのやりとりに苦悩したりするわけですね。 でも、この作品が暗い作品になってないのは、両親と少女の間に存在する深い家族愛がきちんと描かれているからだと想います。しかも、決して道徳的な説教がましい内容なんかじゃなく、多くの人にとって共感出来る、普遍的な視点で作られているのです。 ちなみに、主人公は幼年期と思春期において別の女優によって演じられているのですが、その2人の女優さんの演技が共に素晴らしかったです。ホント、その2人の自然で感情豊かな演技を見るだけでも価値があると思います。そんな少女の思春期を演じたのは、以前レビューした「ルルドの泉で」でも主人公を演じているシルヴィー・テステュー。彼女はいい女優さんですね。(驚く事に、彼女とララの母親役を演じたエマニュエル・ラボリは、同年生まれ(1971年)なのだそうですよ。) ■ ミツバチのささやき 1973年製作のスペインの映画です。とある映画を見た事が切欠で、思いがけないものに好奇心や妄想を抱くようになりだした幼い女の子と、その家族を描いた作品です。 正直言って、ストーリーは単調だったのですが、主人公たる少女「アナ」(撮影当時5歳)の演技に素晴らしいものがありました。というか、演技が上手いというよりも、その年代の子供だから持ちえる、無垢な存在の純粋な輝きを感じられる映像だったというべきでしょうか。 それこそ、その年頃の子供って大人が大して興味を抱いていない事に強く関心を抱いたり、見返りもないのに他人に奉仕したりする事ってありますよね。それは好奇心によるものなのか、大人になると身に付いてしまう様々な欲やしがらみに染まっていないからなのかもしれませんが。この映画は、そうした大人になると失ってしまうもの、子供の頃にしか持ちえていないような、掛け替えの無い美しさのようなものを写す事が出来ていた作品だと思います。ちなみに私は、そんな女の子「アナ」の姿を見ていると、私は自らの姪っ子が小さかった時の様子を思い出しました。 とはいえ、作風があまりにも地味であるため、今の時代の作品に慣れた人には、あまりにも退屈な印象の作品として映ってしまうのではないか・・・とも感じました(^^; そんなわけで、悪い作品じゃないのですが、万人にオススメできる作品でもないかもしれません。 ■ マイフレンド・フォーエバー 去年、地上派の深夜枠で放送されていたので見てみました。この映画は、輸血によってHIVに感染してしまった少年と、隣に住んでいた少年の友情を描いた作品です。それなりに丁寧に作られてはいるものの、結構ベタな展開の内容だったと思います。そのため、悪くはないんですが、私にとってはそんなに心に残るようなものではありませんでした・・・。 ■ 美しき運命の傷痕 人は、時として他人に対して強い思い込みをしてしまう事がある。相手も同じ感情を共有する事で、共感を呼び、愛を育む事もある。しかし、互いにとって常にその想いは、等しいバランスであるとは限らない。相手を気遣うあまり感情の縺れを生み、誤解と憎悪を生み出してしまう事もある。 それは誰にでも起こりえる話であるのだが、仮にそうなってしまうと、元の関係に戻る事は容易い事ではない。 それこそ、事の真相を知ったとしても、容易く人を許す事が出来ない(自らの強い思い込みを消せない)のが、人という存在の性なのだろうか・・・。そんな事を感じた映画でした。 ■ クライングゲーム 人質として囲た男と友情が芽生えたIRAの工作員が、その男と結んだ約束を果たすために出会った「ある人物」との奇妙な人間関係を描いた作品です。映画の公開当時、元カルチャークラブのボーカルであった、ボーイ・ジョージによる主題歌が話題になってましたね。今頃になってではありますが、ようやく見る機会を作れたので感想を述べてみたいと思います。 この映画・・・思いっきり、ゲイの恋愛を描いた作品だったんですね(^^; いや、ゲイとノンケの恋愛というべきか。いや、ノンケがゲイに言い寄られて、次第にその心が絆されてしまう有様を赤裸々に描いた映画というべきでしようか・・・。このような内容だったとは全く知らなかったので、正直驚きました。それこそ、もっとスタイリッシュで、非常に哀しいサスペンス作品なのではないかと勝手に想像していたので、こんなに赤裸々な内容だった事に面食らってしまった程です。 それにしてもこの主人公、根は悪くないんでしょうが、なんだか流されてばっかりって感じでしたねえ。まあ、あれだけ相手から猛プッシュを掛けられると、「親切であるのが性(さが)である」彼は、どうしようもないって事なんでしょうかねえ・・・(^^; ■ アニー・リーボヴィッツ レンズの向こうの人生 この作品は、実在の女性カメラマンの半生を描いたドキュメンタリー映画です。(2007年、アメリカのTV番組で製作されたもの)私は過去において、この方が撮影した写真(ジョンとヨーコの写真など)を数枚見た事があっただけなのですが、たまたま機会があったので拝見する事にしました。 いやはや、凄く数奇な人生を送られている方ですね。それこそ、下手な映画スター顔負けです。様々な事に恐れず、新たらしい分野に挑んでゆく様子は、正にチャレンジャーだと思いました。ある意味、アメリカンドリームの体現者といった感じだったかと。凄い方がいるものですね。 でも、個人的な趣味で言うと、お金を掛け捲った最近の写真(特にデジタル処理+スタジオでの演出が多用されたような感じのもの)よりも、被写体に対して密接に近づき、シンプルな機材で感性のままに撮影している初期から中期に掛けての写真の方が、彼女らしい独特の写真が撮れているように感じました。 でも、一流のカメラマンとして名声を勝ち得た女性の人生が垣間見れて、興味深いものがありました。 |

>
- エンターテインメント
>
- 映画
>
- 映画レビュー







