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■ アルバレス・ブラボ写真展 −メキシコ、静かなる光と時 ■ 会期:2016.11.3-12.18 ■ 名古屋市美術館公式HP 名古屋市科学館でチームラボアイランドの特別展を見た私は、名古屋市美術館で開催されていた同展覧会にも足を運んでみました。 メキシコで壁画運動を行っていたディエゴ・リベラ、ダビッド・アルファロ・シケイロスやフリーダ・カーロなどとの同時代を生きた写真家マヌエル・アルバレス・ブラボ (1902-2002)。約70年に及ぶ彼の仕事ぶりを紹介する、国内最大規模の回顧展だそうです。 ■ 感想 非常に静かな写真を撮る人だと感じました。 政治的な激しいメッセージが込められた壁画運動が真っ盛りの中、その運動の中心人物達と言われる人達と交流があり、彼らのポートレートを撮ったりする間柄であったほどなのに、このアルバレス・ブラボの写真には、そうした激しいメッセージ性は皆無でした。あくまでも、自信の美的感覚に基づいたテーマに沿って、丹念に構図を考察し、丁寧に撮影した風景・人物写真が多かったのです。 それは、庶民生活の中で偶発的な出来事を偶然捉える事が出来たスナップ写真とは異なる世界でした。また、ほんの一瞬の撮影タイミングが訪れるのを、同じ場所で延々待ち続けて撮られたものなのだろうか?という思いを抱いた写真も見られました。というか、撮影モデルに対して細かくポーズを指定して撮ったのではないかとすら感じるような、あまりにも出来過ぎた構図の写真も見受けられたように思います。 勿論、それが悪いわけではありません。しかし、当時の時代を今に伝えるドキュメンタリー性を感じるような写真は少なかったのは、少々残念に感じました。(この写真家さんの事を良く知らずに、そうした写真を勝手に期待して訪れた私が悪いわけですが。)また、前衛的な表現を狙った現代アート作品のようなものが多く見受けられたのは意外でした。 何故彼は、そのような丁寧な写真(言い換えれば、作ったかのように構図を狙って撮った写真)を撮る事を心がけていたのでしょうね。もしかしたら、それはカメラはもとよりフィルムですら貴重な時代・環境による影響もあったのかもしれませんね。大切な機材、大切なフィルムを使って撮るのであるからこそ、欧米の前衛芸術に負けない志を抱いて、センスのある「芸術作品」を撮りたい。という思いが何処かにあったのかもしれませんね。 |
アート・美術館





