ここから本文です
最近ブログの更新が停滞しておりますが、ご容赦ください。

書庫コミック・アニメ

記事検索
検索

全8ページ

[1] [2] [3] [4] [5] [6] [7] [8]

[ 次のページ ]



■ 2013年下半期から2017年の年始にかけて見たアニメ作品 その5



イメージ 1



2013年下半期から2017年の年始の間において、新旧を問わず見たアニメの感想をまとめて書こうと思います。

今回は、新海誠監督の作品をまとめて取り上げようと思います。この新海氏は、大ヒットした「君の名は。」の監督さんとして知られる方です。あの映画は2016年8月26日に公開された作品でありながら、現在も劇場で上映中なのだとか。凄いロングラン上映ですね。でも、私は未だに「君の名は。」を見てはいません。中年の域に入った私では、こうした若者を対象とした作品を観に映画館に行く事に対して抵抗感があったりするわけで・・・。 それどころか「君の名は。」のヒットのニュースが世間で流れるまで、この監督さんの名前すら知らなかったくらいなわけですし・・・。

でもこの3月において、私が時折利用しているネット無料動画配信サイトのabemaTVで過去に手掛けた4作品が一挙に配信されたのです。話題の監督さんの作品を知る良い機会だと思い見てみる事にしました。(厳密には今年の新春までの時期に見たものではありませんが、一連の流れに乗って扱おうと思います。)



■ 雲のむこう、約束の場所

現代の日本を舞台としつつ、現実の世界とは異なるSF設定が展開される世界において、3人の若者が自らの手で飛行機を造り上げ、子供の頃に抱いた夢を果たそうとする姿を描いた作品でした。

イメージ 2

まず最初に、物凄く背景美術が綺麗な作品だと思いました。必要あれば朝・昼・夕・夜といった時間を問わず、時間をかけてロケハンした写真やスケッチなどをベースにしているのでしょうか?丁寧に描かれた背景はそれだけで十分鑑賞に堪える画になっており、高いクオリティを感じました。ちなみに本作の美術監督は、丹治匠という方ともとに新海氏自ら行っているとの事。というか、原作・脚本・監督・音響監督も新海氏なんですよね。マルチな才能があるがゆえに、自身が思い描いた作品世界を作り上げる事に対して強い拘りがある完璧主義な人なのかもしれないな。とも思いました。

でも、物語の舞台となっている近未来?の日本のSF的な設定にはリアリティを全く感じる事が出来ませんでした。登場人物達によって、彼らが住む平行世界?位相空間?などに関するヤヤッコシイ設定が語られても何が何だかという感じ。そうしたヤヤッコシイ台詞まわしや、未知領域の調査に関する一種の作戦行動のシーンはエヴァの影響をモロに受けている印象で、う〜ん・・・といった感じでした。

また、主人公となる3人の若者が、その世界の謎とされる場所に向かいたいとする動機もイマイチ共感できなかったといいますか・・・。しかも、女の子が他の人とは異なる特別な存在であり、彼女がその場所へ行ったら世界が終わってしまう可能性があるかもしれないとされているにもかかわらず、「子供の頃からの約束だから」と言って、飛行機で国境を越えて未知の場所へ連れてゆこうとするんですからねえ・・・。

そんな設定なんか用意せずとも、もっとシンプルに若者だけで飛行機を飛ばすストーリーにしたり、丹念に繊細な若者の恋心を描いた方が共感しやすかったのではないかと、オジサンである私は思ってしまいました。そんなわけで、私は苦手な雰囲気の作品でした。



■ 秒速5センチメートル

人が大人へと成長してゆくうえで経験する淡く切ない恋を描いた3部作の短編作品でした。相変わらず背景美術のクオリティが高いだけでなく、主人公たちのキャラクター造形もリアリティを重視しており、アニメ作品云々としてどうのこうのではなく、普通の恋愛ドラマとして十分鑑賞に堪える作品になっていました。

イメージ 3

言葉にしきれぬ切ない想い。その繊細さたるや、観ているこちらの気持ちが痛くなってしまうほど。よくぞここまで丁寧に描けたものです。また、この作品を観て、この監督さんにしか描けないナイーブなまでの繊細な世界がある事も判りました。

でも、奥手な主人公たちの行動は、現実の現代日本に生きる若者からすれば、幼く不器用でもどかしい部分もあるかもしれません。それこそこの映画を見る事で、若いカップルが恋を育んたり、片思いをしている人が「明日こそ、あの人に告白しよう」と思えるタイプの作品でもなかったりするわけで。むしろ、自らの過去の苦く切ない記憶を呼び覚まされ、心の中で泣いてしまう作品といった感じでしょうか。

そうした意味では、この作品は主人公たちと同年代の若者よりも、過去の淡い想い出を捨てきれない大人達のための作品といってもいいのかな。という印象を持ちました。



■ 星を追う子ども


こちらは緑豊かな田舎街で生きる女の子が、偶然の出来事を切っ掛けに幻想的な地下世界で旅をする事になり、様々な事を経験してゆくファンタジー作品でした。

その作風は、背景美術、キャラクター(造形・動き)、シナリオ展開、その他諸々の点において、過去のジブリ作品や宮崎駿の漫画「シュナの旅」の影響を強く感じさせるものでした。それは新海監督自らが敢えて意図したものであるのだとか。それは、日本を代表するアニメスタジオであるジブリと、それを率いる宮崎監督への敬意であると共に、それを超えようとする挑戦でもあったのかもしれません。

イメージ 4

日本のアニメの地位・作品の水準を引き上げたジブリ。アニメファンはもとより、アニメの製作に携わる者にとっても非常に大きな存在だと思います。とはいえ、そのジブリを率いてきた宮崎氏は既に年老いて、ナウシカ、ラピュタといった冒険的要素を含むファンタジー作品を作る事は叶わぬ状況となっています。(監督が年老いて、そうした作品を手掛ける気がなくなってしまった。)しかも、後継者の育成も思うようにはいかなかった事も多くの方がご存知の事かと。(制作部を畳んでしまったくらいですしね。)

しかし、依然としてジブリに冒険ファンタジーの要素を求める世間の声は多いのではないかと思います。また、他のアニメスタジオが新作アニメのための企画を立ち上げたり、資金集めをしようとした際、スポンサーや広告代理店から「ジブリのように話題性や集客があり、儲かるアニメを作れるか?」と尋ねられる事もあるのではないかと想像します。

そうした状況において、この新海監督は辟易し「ならば自分が焦がれたジブリファンタジーのような作品を、この手で作ってやろうじゃないか。(そして、宮崎アニメに対して皆でさよならを告げ、次の段階へ移行しよう。)」という反発心が芽生えたりしたのではないかと想像してしまいました。勿論これは、私個人の勝手な想像です。でも、そうした事を思わずにいられないほど、宮崎作品を強く意識しているのを感じずにはいられなかったわけです。

とはいえ、本作は決して出来の悪い作品だとは思いません。非常に丁寧に作られてた作品だと思いました。シナリオの展開に関しても、ラストシーン以外に関しては疑問を抱く部分も少なかったと思います。それどころか、ジブリ作品よりもキャラクターがよく動いていたり、躍動感を感じる部分もあったと思います。

でも、心に強く残るシーンがあったかというと微妙だったかもしれません。また、作品にオリジナリティを感じる事ができたかという点においても微妙かもしれません。何より、新海監督の独自の良さ(登場人物たちの、言葉にしきれない繊細な心の動き)が薄れてしまっているように感じられたのが残念でした。



■ 言の葉の庭

雨降りの公園で出会った男子高校生と年上の女性との奇妙な交流と、そこから生まれる恋心を描いた作品です。

イメージ 5

今まで以上に背景美術に力が入っていると感じた作品でした。雨、風、しずく、木漏れ日などに関する映像表現が素晴らしく、非常に強く印象に残りました。また、舞台設定やキャラクター設定なども今まで以上にリアルだったと思います。登場人物達の行動においても、過去作品の「秒速5センチメートル」では存在していた幼さや拙さなが消え、より大人の鑑賞に堪えるものとなっていたと思います。

それこそ恋愛ドラマとしての部分のみフォーカスすれば、アニメ作品である必要がない作品だとも言えるのかもしれません。でも、この監督さんはアニメでやりたいんでしょうね。というか、アニメという媒体だから作る気になるのでしょうね。それは、監督さんがアニメやゲームなど通じて映像作品の世界に入ってきたからなのかもしれません。また、この監督さんが完璧主義である点も影響しているのかなと想像します。

実際、この作品を実写として作ろうとしても、これだけ理想的な美しさの背景を撮る事は容易い事ではないと思います。また、2人の主人公のキャスティングにも困る事になりそうですよね。有名俳優を使えば、その俳優の知名度や人気、過去の役柄のイメージなどに作品が引っ張られてしまう事になりかねません。仮に俳優たちが「自分ならこのシーンは、こう演じたい」などと自己主張しだしたりしたら、監督と意見が対立してしまう事もあるかもしれません。作品を宣伝する段階においても、アイドル俳優がプロモーション活動の全面に出て、作品自体の魅力が全く語られないような事になってしまう事もありえるかもしれません。それでは、何のために映画を作ってるのかわからなくなってしまいますよね。

ならば、無名俳優を使う事も出来るのでしょうが、演技力が伴う理想的な役者を確保できるとは限りません。また、監督の思い通りの演技を演じてくれる保証もありません。

しかし、アニメであれば登場人物に思い描いたとおりの演技をさせる事が可能なわけです。勿論それは、恋愛ものの物語に限った話ではありません。また作画、演出などに関する高い技量があっての事ではあります。でも、だからこそ、自分の頭に思い描いたとおりの作品を追い求めたいし、それに挑戦したいと、この監督さんは思っている部分があるのではないかと感じたのです。

でも、それは何も悪い事だとは思いません。というか、本作において、この監督さんの良さが戻り、さらに良い方向に昇華されていると感じました。そんなわけで「きみの名は。」に関しても、DVD化されたら見てみたいと思います。(やはり映画館には恥ずかしくて行けませんw)



アニメの感想はひとまず終了。後日、邦画・洋画の感想をUPしてゆきたいと思います。





■ 2013年下半期から2017年の年始にかけて見たアニメ作品 その4



イメージ 5



2013年下半期から2017年の年始の間において、新旧を問わず見たアニメの感想をまとめて書こうと思います。今回は、コミックがアニメ化された作品をとりあげようと思います。



■ AKIRA


大友克洋原作のコミックをアニメ化したものです。海外でも高い評価を得てる作品ですよね。私もコミックを全巻持っていました。(現在は手元になく、過去形になってしまいますが。)

でも、このアニメは個人的にはそんなに好きな作品ではないかもしれません。それというのも主人公の金田と鉄男の声が、自分がコミックを読んでいた時に抱いていたイメージとは合わなくて、どうもいまだに馴染めないのです・・・。それに、本作のオリエンタル系のサウンドトラックもどうも好きになれないのですよ・・・。(ちなみに、攻殻機動隊の劇場版の音楽も私は馴染めません。)まあ、人それぞれ好みが違うのは仕方がないという事で・・・。

それでも久々に観なおしてみたいと思ったのには2つのワケがあります。それは、2014年がアニメ版AKIRAの25周年という事で、色々なメディアで話題にのぼっていたのを見かけたからです。

もう一つの理由は、この作品の舞台となる「ネオ東京」の時代設定にあります。作品の中で登場する「旧市街地」において開催準備が進められている「東京オリンピック」は2020年開催予定となっているんですよね。そう、奇しくも現実の世界における東京オリンピック・パラリンピックの開催年と同じなんですよ。

勿論、東京でオリンピックが開催される設定は全く偶然の話です。それに何かの意味があるわけではありません。でも、この作品の舞台となっている時代に、現実の世界の時が追いつこうとしているのは事実なわけで。そんなわけでこの時期に再び観直してもいいかなと思ったわけです。(まあ、現在の東京は、AKIRAではなく「東京オリンピック」の会場設備の建設問題や、豊洲市場の移転問題などの方でてんやわんやしてるわけですけどね・・・)

イメージ 4

実際、改めて見ても、これだけの作画のクオリティで作品を完成させたという事実に驚かされますね。また、監督・脚本もその大友氏が手掛けたので当然なのかもしれませんが、原作の雰囲気がよく再現された作品だと思いました。それに作品と同様に、ドラッグや暴力が横行する状況が現実の世界に広がっている事に虚しさを感じてしまいました。明るい未来は現実には訪れず、悪い予想の方が当たってしまうものなんでしょうかね・・・。

余談ですが、鉄腕アトムの誕生日は2003年4月7日という事で、とっくに過ぎてしまっているんですよね・・・。時間の流れの早さを感じてしまいますね。



■ 超人ロック

超能力系の作品という意味では、こちらの作品を忘れるわけにはいかないのかな・・・という事で、久々に観なおした作品です。これは聖悠紀原作のコミックをアニメ化したものです。1984年制作なので相当古いアニメです。

とはいえ、アニメよりも原作コミックシリーズの方がもっと古いわけで。それこそ超人ロックは1967年に同人誌で発表され、現在もなお続いている(最終回が描かれていない。)という歴史ある作品なんですよね。単一シリーズが描かれている期間としては、あのゴルゴ13をも超える長さを誇るのだとか。すごいものです。

イメージ 1

でも、私はロックのコミックをあまり読んだ事がありません。マンガ喫茶に行っても、ついつい他の漫画を手にとってしまいます。なのに、この劇場版のアニメは、何年か経つと急に恋しくなって見たくなるんですよね。(そういえば「11人いる!」のアニメとかも急に見たくなる事があります。)

正直言って、演出は古臭く、ストーリーのテンポも遅く、作画のレベルだって今の時代からすると見劣りしてしまう部分も少なくありません。でも、なぜかこの作品は心に残るものがあるんですよね。それは、本作を一通り見た後で、映画のラストに流れる「星のストレンジャー」を聴きたくなるからなのかもしれません。



■ ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない

ジャンプに連載されてきた人気コミックをTVアニメ化したものです。ちなみに私は原作コミックを殆ど読んでません。仲の良い友人がコミックを貸してくれると言っても興味を持てなかったクチです。

それというのも、どうも初期のジョジョは、北斗の拳の模倣をしているかのようなストーリーや格闘シーンが多くみられて、オリジナル性をあまり感じられず興味を持てなかったからです。

作品がそのようなものになってしまったのは、ジャンプ編集部からの指示・圧力が強かった事によるんではないかと思っています。それこそジャンプの漫画って全部一緒。「強敵と戦い、一度負けた後に強くなる」「戦って勝った後に対戦相手と友になる」「旅をしながらそれを繰り返す」というパターンの繰り返しの作品が多すぎて、どれも似たり寄ったりに感じてしまうわけです。

自分としては、タイトルに「奇妙な」とつけるくらいならば、もっとオリジナル性の高い物語を描いて欲しいと思ったりしていたわけです。それこそ格闘シーンなんか無くてもよくて、オカルトホラーテイストな怪事件を解いたり、人の心の闇を暴いてゆくような漫画にしてほしかったわけです。例えるなら、高橋葉介による漫画「夢幻紳士」の初期作品のようなものをジャンプで描いて欲しいと思っていたわけです。でもジョジョの1部は、そうした作品とは違っていたため、興味を持つに至らなかったわけです。

でも、多くの人からジョジョは面白いと何度も聞かされてきました。しかも今では世界中に多くのファンを持ち、ルーヴル美術館で個展を開くに至る程の評価を得ているのも聞いていました。そこで、アニメ化されたなら、とりあえず見てみようかと思ったわけです。

イメージ 2

すると、1部は意外にもゴシックホラーテイストの作品だったので、思いのほか楽しむ事ができました。(個人的にはディオとスピードワゴンの台詞まわしが気にいりました。)でも2部は途中から駄目。3部もどうも馴染めませんでした。(3部は途中で見るのを止めてしまったくらいです。)

ところが4部は面白いじゃないですか。遂に「荒木氏は真に奇妙な物語を作り上げる事に成功したのだ」と感動したくらいです。それこそ、主人公が正統派のヒーローでもなければ、世界征服を狙っている者がラスボスでもないのもいいですね。各々が自分勝手に生きている分、キャラクター間に様々な衝突が起きるのですが、それが故にキャラクターが生き生きしているように感じられました。

特にサブキャラクターである「岸辺露伴」と「山岸由花子」のブッ飛び具合はいいですね!自分の理想、自らの欲望のためなら、何でも行ってしまう姿に驚いてしまいます。また、自分が圧倒的不利な状況に陥っていながらも、相手からの要求にNOを突き付ける「露伴」の姿は強烈ですね。正しく「そこにシビれる!あこがれるゥ!」なわけですよ。実際にこんな人達が現実に居て、すぐ傍に近寄ってこられたら怖くて逃げだしてしまいますけどね(苦笑)

まあ、今更ながらではありますが、そうしたキャラクター達の魅力に気付く事が出来て本当に良かったです(笑)



■ ブラックジャック

ブラックジャックの劇場版2作と、OVA全作ならびにTVスペシャル版を数本見ました。出崎統が監督・総監督などを務めたものと、手塚眞氏が監督を務めたものの両方です。

イメージ 3

ちなみに私には、出崎氏が手掛けたハードボイルとタッチの作品の方が好みでした。物語そのものや、医療関連の話題も現代風にアレンジされており、作品によっては、かなり挑戦的な内容となっていて驚かされました。その分、手塚治虫の原作からは、雰囲気が随分離れてしまったものになっていたかもしれません。というか、良くも悪くも完全に出崎作品として見るべきモノとなっていたように思います。

それとは逆に、手塚眞氏が手掛けたものは、原作の雰囲気に準じた絵柄になっていたと思います。しかしキャラクター達の演出が古臭すぎたのが気になりました。それどころか作品において重要な意味をなす手術シーンですら緊張感が全く感じられなかったのが残念なくらいでした。

これは単に自身の父親の作品を忠実に映像化したいという思いからだけのものではないように感じました。それこそ、手塚眞という人物の性格が、非常に温厚でまるい性格をされているからなのではないかと思います。また、子供にも安心して見てもらいたいとう思いから、過度な演出を避けたのかもしれません。

それに、手塚治虫氏の原作においても、社会風刺的な内容を含んでいたとはいえ、常にシリアスなものであったわけではなく、コミカルなシーンも多かったのも事実ですしね。そうした意味では眞氏の方向性は間違ったものではないのかもしれません。しかし、どうしても作品の対象年齢を幼く設定しすぎているように感じられ、既に中年となった私には受け入れ辛いものがありました。



その5へ続きます。




■ 2013年下半期から2017年の年始にかけて見たアニメ作品 その3



イメージ 1



2013年下半期から2017年の年始の間において観なおした、少々古いアニメ作品の感想をまとめて書こうと思います。OSTの出来が良かったガンダムUCという作品を観たのを切っ掛けに「そういえば、以前見たアニメにもOSTが良かった作品があったなぁ」と思いおこす事があり、それら古い作品を久々に観なおしてみようと思ったわけです。



■ クラッシャージョウ

先日の記事にも書きましたが、私は初代のガンダムが好きでした。また、ガンダムのキャラクターデザインを手掛けた安彦良和氏の絵も好きでした。それが切っ掛けで、安彦氏が挿絵を描いた高千穂遥のSF小説「クラッシャージョウ」も子供の頃に読んだりしていました。

そのため、ガンダムの次にクラッシャージョウも劇場アニメ化されると知った時は嬉しかった事を覚えています。しかもシナリオは高千穂氏による書き下ろし。キャラクターデザインはもとより、映画の総監督を安彦氏が手がける事となったわけですから、期待せずにいられなかった事を覚えています。

ちなみに本作はサウンドトラックの出来が良いのです。それこそ交響組曲にアレンジしたバージョンのものは重厚感に溢れていて、とてもアニメのために書かれたスコアだとは思えぬほどの完成度があったわけです。そんな事を思い出したので、ちょっと本作を観なおししてみようと思ったわけです。

イメージ 2

正直なところ、改めて今の時代の目線で見るとそんなに高い評価を出せる作品ではないのかもしれませんね・・・。ただ単に主人公たちをカッコよく見せるだけの、エンターテイメント系スペースオペラなので仕方の無いはなしかもしれません。その主人公キャラやメカの動きや演出も古臭さの方が目についてしまったくらいでした。

でもね、キャララクターの作画そのもののクオリティは当時としてはかなり高いレベルのものがあったと改めて思いました。それこそ、安彦氏が一番脂の乗ってた時期の絵が動いているのを見れるのは、今となっては貴重な事となってしまったと言えるのかもしれません。

それに安っぽいスペースオペラとはいえど、話はそれなりにまとまった形で終わるので、観ていてストレスを感じる事はないですしね。でもそれは、小説家である高千穂氏がシナリオを手掛けていたからなのでしょうけどね。それこそ後に作られた安彦氏オリジナル作品のアリオンとか巨人ゴーグともなると、シナリオ展開がグダグダで見てられなかったですし・・・。

そうやって考えると、安彦氏は画やデザインは天才的であっても、シナリオ作りはそんなに得意な方ではないのかもしれませんね。



■ 銀河英雄伝説 外伝 わが征くは星の大海

正直なところ、私は銀河英雄伝説の事は全く詳しく知りません。しかし、この外伝(単体での劇場公開作品)は気に入っています。それこそ何年か毎に急に見たくなる事があります。それは本作がかなりクオリティの高い作品だと感じているからです。

本作は僅か60分という短い作品なのですが、対立する2つの勢力と、両者の間の無益な戦いの中に身を投じる士官や兵士達の様々な運命やしがらみが見事に描かれており、見ごたえがあると感じるのです。作画のクオリティも素晴らしんですよね。それこそ宣伝ポスターに描かれているような、高いクオリティの作画が最初から最後までずっと保たれているだけでなく、ちゃんと動くんですよ。(1シーンの止め絵だけ気合を入れて描かれているってわけではないのです。これは当時のアニメ製作現場としては相当大変な事だったと思います。)

イメージ 3

また、本作のサウンドトラックは既存のクラッシック音楽から用いられているのですが、その選曲が素晴らしいのです。曲とタイミングを合わせて演出されているからとはいえ、その相性たるや驚嘆するほどの見事さなわけです。それを全て手描きの時代にやっていたのですから頭が下がります。

また、登場人物たちのセリフ回しも素晴らしく、いちいちカッコよくて印象に残るんですよね。しかもそれを演じる声優陣の抑えた演技も素晴らしいわけで。本作はSF好きの男性のみならず、2次元のイイオトコ好きの女性達をも夢中にさせたと聞きますが、それも納得というものです。

とはいえ、改めて本作を冷静に観てみると、作中で用いられている戦術は「無謀な奇策」ばかりなんですよね。(まあ、あくまで雰囲気を楽しむべき作品なので、そうした粗探しをする必要などないのかもしれませんけど。)それに、原作小説を全てこのクオリティで映像化する事はかなわなかったようですね。後に制作されたOVAもちょっとだけ見た事があったのですが、正直いってシナリオも作画も酷い有様で、最初の数本で見るのを止めてしまいました(^^;



■ ジャイアントロボ THE ANIMATION -地球が静止する日-

本作は横山光輝原作の「ジャイアントロボ」を原作としつつ、ロボットと主人公の名前以外は、キャラクター・設定・シナリオなどのほぼ全てがオリジナルというOVA作品です。

イメージ 4

正直言って、クセの強い作品です。古臭さを感じさせるロボットのデザイン。幼さ故の純粋さを強く出すあまり、観てる者にもどかしさやいらだちを感じさせてしまう主人公。ギャグ漫画かと言っても差し支えない異常な誇張感が伴うサブキャラクター達の演出。シリーズ後半になるにつれて低下してしまう作画のクオリティ。こじつけの強い強引なシナリオ。完全に回収され無かった伏線。最後まで残る謎。(結局BFって何者だったのさ。)

そうした要素が沢山あるため、誰にでもオススメ出来る作品だとは思いません。寧ろ、受け入れる事が出来ない人の方が多い作品かもしれません。実際、私もこのロボットやキャラクター達のデザインが好きなのかと聞かれたら返答に困ります。(十傑集の衝撃のアルベルトや、神行太保・戴宗の兄貴などに関しては本当にカッコイイと思ってますけどね。)

しかし、OVAの第1話の出来だけは物凄いクオリティがあるのだけは保証できます。物凄く滑らかかつスピーディに動きまわるキャラクター。これでもかという程の重量感を見せるロボットの動き。それらが、物凄く出来の良いOSTと相まって、観るものを圧倒するのです。ほんと、オープニングからヤラレてしまいます。

それというのも本作のオリジナルサウンドトラックは、驚く事にワルシャワ国立フィルハーモニー管弦楽団のフルオーケストラによって演奏されているという豪勢なものとなっているからです。ワルシャワフィルにしてみれば外貨獲得目的だったのかもしれませんが、よくぞまあこうしたアニメ作品に関するオーダーを受け入れてくれてくれたと思います。



その4へ続きます。





■ 2013年下半期から2017年の年始にかけて見たアニメ作品 その2



イメージ 1



2013年下半期から2017年の年始にかけて見たアニメ作品の感想をまとめて書こうと思います。今回の記事ではガンダムのOVAとTVシリーズの話を取り上げようと思います。



■ 機動戦士ガンダムUC episode 1〜7


SF・アクション小説作家の福井晴敏氏が原作のガンダム作品です。OVAとしてepisode7まで制作され、劇場公開もされたそうです。この作品、OVAリリースのCMがTVで結構な回数流れていたんですよね。そのせいもあって、「こんな作品が今の時代でも作られてるのか」と興味を持ちました。

ちなみに私は最初のガンダム(1stと言われるやつ)は、子供の頃に本放送で見た事があるクチです。映画館にも行きました。当時はアニメ雑誌まで買った事もあります。そのため、初期のガンダムは結構詳しく知ってます。でも、後に出てきた沢山のシリーズの事はそんなに詳しく判りません。シリーズ化が進むにつれ、画もストーリーも初代のものからどんどんかけ離れていったんですよね。それこそ、アムロやシャアが出ないとなると、興味が無くなっていったといいますか。

しかしながら、このUCのTVCMをみたら、金髪+マスク+赤い服の謎の男が出てるじゃないですか。しかも声はあの「シャア」と同じ人。「これは一体どういう事だろう?」と興味を持ったわけですよ。しかもTV地上波放送の深夜枠で、ep1と2が特別に放送されるとの事。作品に対する予備知識など全くなかったものの、試しに見てみようと思ったわけです。

イメージ 2

そうしたら、思いのほかep1と2の出来が良かったんですよ。最近のアニメは画が本当に綺麗ですね。モビルスーツ(ロボット)も昔の感覚では追いつけないほど良く動くので驚いてしまいました。また、サウンドトラックの出来が素晴らしかったのも印象的でした。一部のシーンでは、そのOSTの効果も相まって異常なほどの盛り上がりを見せてくれたわけです。そして、ep1や2でこの出来栄えならば、この後の話も見てみようと思ったわけです。

勿論、ストーリーも興味深い部分がありました。本作は歴代のガンダム作品で最重要と言ってもよいキーワードである「ニュータイプ」の事について、色々な論議が展開される作品だったからです。

ニュータイプは過去の富野作品において「直観力や洞察力に優れ、他人と理解しあえる人=戦争などしなくてよい人」と説明される事もあった特殊な能力。しかしながら、作中で出てくるニュータイプ能力を持った人達は、その殆どが戦場におけるエスパーのような形で能力を発揮しており、大きな矛盾点が存在していたわけです。結果として、その能力については、原作者である富野監督ですら上手に説明できていなかっと言っても過言ではないでしょうか。

それをガンダムの大ファンであった小説家がオリジナルストーリーとして本作の原作小説を書きおろし、「ニュータイプとは・・・」と、延々と説明するわけですよ。それ故、どのような形でオリジナルの作品群と辻褄を合わせたり、一般のファンを納得させるのだろうと、興味を持ったわけです。

でも、面白く感じたのはep3くらいまででした・・・。その後は最後にどういう形でこの話にケリをつけるのかを見届けるために、惰性で見たような感じだったかもしれません。

それこそ「ニュータイプとはなんたるものぞ」という定義づけのために、登場人物たちが幾度も長い台詞回しをするので、すごく会話が不自然に見えるんですよね。そして本作で定義づけられるニュータイプ論というものは、私が子供の頃に見たアニメ雑誌などで議論されていたものの範疇を超えるようなものでもなかったわけで・・・。

それに本作に対して興味を抱く切っ掛けとなった、「マスクをした赤い服の男の正体」とか、作品中に出てくる「ラプラスの箱」という謎の存在の正体が段々判ってくると「なんだ、その程度の謎なのか」といった感じになってしまい興味が薄らいでしまったわけです。しかも最後の決戦シーンは期待外れであっただけでなく、エヴァンゲリオンのATフィールドのようなオカルト的バリアーのようなものまで出てきたので、正直いってゲンナリしてしまったくらいでした。

(個人的には、「ラプラスの箱」の正体が、ミノフスキー粒子を完全無効化させてしまう新技術とかだったりすると面白くなるのに・・・と思ったりしたんですけどねぇ。)



■ 機動戦士ガンダム THE ORIGIN Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ


この作品は所謂1stガンダムのキャラクターデザイン、作画監督を務めた安彦良和氏による1stリメイクコミックをアニメ化したものです。現在、そのコミックにおける若きシャアの物語を舞台としたアニメ映画が3作されており、今後も続編(番外編)が作られる予定があるとの事。上記のUCと違い、初代TVシリーズを手掛けた主要人物が手掛けた話なわけです。しかもシャアが主人公なわけですから、気にならないわけがありません。しかしながら
、正直言って、私にはイマイチな作品でした・・・。

イメージ 5

このアニメの原作となるコミックを描いた安彦氏は、作画・動画といったアニメに関する高い技量と、キャラクターデザインなどに関する抜群のセンスを持ち、多くのファンを引き付けてきた人物。ファンはもとより、アニメの制作現場の世界でも「天才」と評されてきた人であるわけです。

しかしながら、安彦氏はガンダムのみならず、アニメの仕事そのものが好きではなかったと公言してきた事でも知られています。それは、集団で仕事をするのが苦痛であったため、アニメの仕事に馴染む事が出来なかったからなのだそうです。それこそ、人に指示されるのも、指示をするのも苦手な性格なのだとか。寧ろそんな性格なのに集団作業のアニメの世界で仕事をしてこれたものだと自分自身で感じてきたくらいなのだそうです。そのため、アニメ界から離れ、一人で仕事をする漫画家になる道を選んだのだそうです。

しかし、漫画家の道に進んでも「ガンダムのキャラクターデザインを描いた人」として紹介されてしまう事に悩んできたのだそうです。さらに安彦氏は、原作TVシリーズの制作中に大病を患い、作品の後半の話数の作画監督を手掛ける事が出来なかったそうですよね。それで、ここまで語り継がれる事となったガンダムに中途半端な形でしか関われていなかった事を気にしてきた部分もあったのだとか。そこで、アニメの製作会社のサンライズから、初代ガンダムのコミック化を持ち掛けられた際、渋々でありながら承諾したと聞いています。

そうした話が示すように、安彦氏はガンダムに対して深い思い入れがあったわけではないようなのです。それこそ、コミック化する際に、改めてTVシリーズを見たり、関連情報を収集した事によって「自分が手掛けたガンダムという話は、実はこんな話だったんだ」という事をはじめて認識できたといった事を言われていたようなのです・・・。

そうした経緯で成されたコミック化であり、アニメ化であったためか、安彦氏のオリジンに登場するキャラクターたちの性格・行動・言動などに対して違和感を感じる事が凄く多かったように感じました。それこそ、「こんな台詞はシャアが言うとは思えない」とか「アムロには内向的な面はあったけど、ここまでナヨナヨした性格ではない」と感じる事が多かったわけです。また、他のキャラクター達も違和感を感じる事が多かったため、全く感情移入できませんでした。

しかもアニメ THE ORIGINの1話は、主人公であるはずのキャスバル(シャア)よりハモンの方ばかり目立ってて「クラウレ・ハモンの大冒険」といった感じになってるのも違和感が強かったです。さらに第2話、3話に登場する青年のシャアなんて、まるでサイコパス。利用できるものは利用し、不要な存在は容赦なく消すなんて、単なる殺人鬼にしか見えませんでした。

特別な環境の元に生まれ、周りの大人の都合で不遇な生活に落とし込まれ、心に深い傷を負ってしまったが故に心を閉ざし、自らの運命を生き抜くために仮面をつけ、クールに装いながら生きるしかなくなった男の悲しき性というものが丁寧に描かれる事を期待していたんですけどねえ・・・。

そうしたTHE ORIGINのシナリオ展開は1stの監督である富野氏や、当時のシナリオライターの方々は一切関わっていないのだそうですね。そのためか、富野監督も、「あれ(THE ORIGIN)は(自分の考えている)ガンダムじゃない」といった事を述べているようで・・・。富野氏がそう言いたくなるのも判る気がしました。

また、安彦氏はキャラクターの描き方も変わってしまいましたね。以前は強弱のメリハリが強く、滑らかで生き生きとした線で描いていたのに、最近の画でシャーペンで描いたのかと思えるような、同じような線になってしまいました。しかもキャラクターの表情も、異常にきつく見えたり、神経質に見える事が増えてしまい、なんだか悲しくなってしまいました。

さらにシャアの声にも違和感を感じずにいられませんでした。声優はオリジナルキャストである池田秀一氏が演じています。しかしながら、池田氏は現在67歳。無理に若々しい声を出そうとするあまり、弱弱しい声のシャアになってしまってるシーンが多くて馴染めませんでした。残念ながら本作に対してはこうした違和感ばかり感じてしまったため、、今の時代に映像化する必要があったのだろうか?とすら思ってしまいました。



■ 機動戦士ガンダム サンダーボルト 1.2.3.4


もうガンダム作品はお腹イッパイだからイイや・・・。と思っていたのですが、とある情報を切っ掛けにこの作品も見てみる事にしました。それというのも、このサンダーボルトというアニメは、太田垣康男が手掛けたコミックが原作だと耳にしたからです。

太田氏はハードでリアルな設定がウリのSFコミック「ムーンライトマイル」の作者として知られる人です。そのような人が、自身オリジナル作品のムーンライトマイルを休載し、いままで遠ざけてきたはずのガンダムのようなエンターテイメント系のロボットSF世界を描いていると知って驚いたわけです。そして、そのようなコミックがOVAになったと聞いたので、試しに見てみようと思ったわけです。

イメージ 3

では、本作はどのような印象の作品だったかというと「非常に濃い」作品であったと思います。絵柄も演出もハードボイルドを意識しているだけでなく、ジャズ系のサウンドでGBMが構成されており、かなり気合を入れて作られているのが伝わってきました。

また、登場するモビルスーツもザクやドムといった馴染みの深いものを現代的にアレンジしているものが多く、中年となった往年のファン層を強く意識した作品作りをしているようでした。

でも・・・でもね・・・「リユース・サイコ・デバイス」ってなんですか・・・。切断されてしまった四肢の神経をモビルスーツに直接つないだら、とんでもなく反応速度が高くなるってなんですか・・・。なんだかそういう設定はBMIというより、エヴァとか攻殻っぽい印象でちょっと安っぽい感じでした。それに、「ガンダムっていったい何号機まであるんですか・・・。」そりゃ連邦側の主人公が乗る機体がジムでは様にならないのかもしれませんけど、やりたい放題後付け設定しすぎな気もしました・・・。



■ ターンAガンダム

これだけ最近のガンダム作品を一気に見たのだから、本当に本当にもうガンダム作品はお腹イッパイ。もう見る事は当分ないだろう・・・。と思っていました。

しかしながら、このターンAガンダムは原作者である富野監督が手掛けたガンダムシリーズの集大成といえるTVアニメであるとの事。多くの人からこの作品は見ておいた方が良いという話を聞き、惰性で見る事にしました。(近年、レコンギスタというTVシリーズも作られたそうですね。あちらは駄作なので見る必要は無いとの話がもっぱらのようで・・・。)

イメージ 4

で、その感想なのですが・・・はっきり言って歴代のガンダムの事なんてほとんど関係の無い話でした。でも、悪い物語ではなかったかもしれません。

それこそターンAという名の主人公ロボットのデザインはガンダムらしさなんて皆無なわけです。それどころかヒゲが付いてるんですよ、ヒゲが!いくらなんでもロボットにヒゲは可笑しいでしょ!(何故わざわざシド・ミード氏に依頼する必要があったのか理解できません。)

でもね、本作を観続ける事によって、そうした事なんかどうでも良くなってしまいました。だいたい本作の戦闘シーンは非常にアッサリしていて、ロボットのプラモデルを売る気すらないのではないかという感じなわけです。「ニュータイプ」だなんてヤヤッコシイ話も全く出てこないんですよ

それこそ、富野氏はそうした「ギミックなどもうどうでもいい。むしろ、新しい物語を創造したい。ロボットだの、キャラクターだのの設定に凝って、そうしたものに振り回されてどんどんヲタク化してゆくファンを増やしてしまうより、普通の子供たちに対して、普通に楽しめる良い物語を届けてみたい。」いとう想いが強くなったのかもしれませんね。

そんな思いによって生み出されたせいか、SFロボットの物語というより「ナウシカ」や「ハウスの世界名作劇場」の世界に、時折「イデオン」の群像劇を足したような雰囲気が漂っていた不思議な作品となっていました。でも本作はイデオンのような悲劇で終わるのではなく、大団円を迎えるんですよね。この終わり方は良い意味で富野監督らしくなく、多くのアニメファンが評価するのも頷けました。

でも物語は色々と込み入っていて、決して単純明快じゃないんですよね。それに、製作費の予算を十分確保できなかったのか、全体を通して作画のレベルが低かったのが気になりました。(戦闘シーンの盛り上がりが欠けたのは、そこに一つの理由があるような・・・。)という事で、監督の思いとは裏腹に、大人にはある程度ウケても、今の時代の子供たちにウケる作品とはならなかったようですね(^^;



その3へ続きます




■ 2013年下半期から2017年の年始にかけて見たアニメ作品 その1



イメージ 5



映画やアニメなどを見た感想を、久々にブログで纏めて書こうと思います。

ちなみに前回まとめてアニメの感想を書いたのが2013年の7月だったので、およそ3年半ぶりになってしまってますね。(映画の方は2014年5月以来なので2年半ですか)

この間においても、以前ほどのペースではないものの新旧を問わず映画やアニメ作品を見ていました。特にアニメは劇場作品のみならず、TV放送された作品も久々に見たりしていました。(といっても、一部の作品に偏ってますが。)そこで、何時もは洋画から感想を書いていましたが、今回はアニメから書いてみようと思います。



■ かぐや姫の物語

日本のアニメーション界における巨匠の一人、高畑勲監督の作品です。鉛筆で描いた繊細で柔らかな線がそのままの動いているような美しい映像の作品でした。しかも人物のみならず、背景もそうした作風を用いて統一感を出しているんですよね。その拘りようは、個人のアニメーション作家が長い歳月をかけて生み出した手描きアニメ作品に近いものがあったと思います。それを集団作業で行い、長編アニメとして完成させてしまっているのですから凄いものです。

イメージ 1

そうした映像を作り上げる事が出来たのは、アニメの現場におけるコンピューター化が進んだ部分が大きいのでしょうね。それこそ昔のようにセルにペンでトレースするような作業をする事なく、アニメーターが描いた線をそのままコンピューターに取り込み、画像の作成・加工・編集が可能になってるわけですから。

とはいえ、その制作にあたっては、構想から完成までに8年、50億円もの製作費が掛かってしまったそうですね。また、物語は古くから伝わる「竹取物語」をベースとしており、特に新鮮味があるものではありませんでした。それゆえ物凄い労力と費用を投じたわりに、世間の反応は思わしいものではなかったようですね。

まあ、今日においてこうした伝統文化や芸術的要素の強い作品を作り出す事が出来なければ、商業主義が強まる一方の日本において、将来においてそのチャンスは巡ってくる事はないだろうという思いで制作された面があったのかもしれません。

そうした意味でいうと、「現代のアニメ技術が成し遂げた一つの頂点」と言えるのかもしれませんが、それこそ、スタジオジブリや高畑氏の知名度や実績なしでは完成に至るどころか、企画さえ通りにくい内容だったようにも感じました。



■ 風立ちぬ

こちらも日本のアニメーション界における巨匠の一人、宮崎駿監督の作品です。そういえば、公開当時に宮崎監督最後の作品とのふれこみで宣伝されてましたね。しかし数日前に流れたニュースによると、その宮崎氏は再び長編アニメを手掛ける可能性があるそうで・・・。私も昔ほど宮崎氏の作品に思い入れを抱く事がなくなったので、監督の判断に対してどうのこうの言うつもりはありませんが、宮崎氏の周りにいる人は色々と振り回されて大変なのではないかと想像してしまいます・・・。まあ、そんな話はとりあえず置いておいて、この作品の感想を書こうと思います。

イメージ 2

正直言って、スッキリしない作品だと感じました。戦時中、否応なく戦闘機の開発に取り組まなければならなくなった主人公の苦悩を描こうとしているのは判ります。「でも、その行為に対する後悔・反省・懺悔は明確に表したくない。」という意思も同時に強く働いているように感じました。そのため、何をメッセージとして伝えたいのかハッキリしない作品になってしまっているように感じたのです。

それこそ物語は第二次世界大戦の最中の出来事。開発した戦闘機による戦闘の被害・死傷者などの描写があっても可笑しくないのに、そうしたシーンは描かれていませんでした。また、本人が軍事利用される飛行機の設計に携わっている事に関して悩んでいる素振りを見せる事はあっても、その苦悩を明確に吐露するシーンや、戦死者たちに弔いの言葉を語るシーンなどもなかったと思います。ならば、自らの夢を果たさんとするあめり、際愛の人との暮らしすら疎かにしてしまう主人公の業の深さを描いているかというと、そういう雰囲気の作品でもなかったように思います。

それは、実在した人物をモデルとしている部分があり、その人の人生を勝手に批判する事などできないという思いが宮崎監督に働いたからなのでしょうか。そのためなのか、物語のラストをどのようにまとめたら良いのか判断が付かぬまま、作品を世に送り出してしまったかのようにすら感じました。

まあ、当時の事を実際に知る人達からすれば、戦争中の苦しみや悲しみを口に出す事は今でも憚られる思いがあるのかもしれません。誰もがそうした自己矛盾を抱えながら当時を生き、これからも背負って生きてゆくしかないという事なのかもしれません。しかし、そうした事が明確に伝わってくる部分が少なかったように思います。主人公の心が見えにくい作品、作者のメッセージが見えにくい作品だと感じてしまいました。



■ 思い出のマーニー

ジョーン・G・ロビンソンの児童文学をスタジオジブリがアニメ化した作品です。同スタジオのアリエッティを手掛けた米林宏昌氏が監督を務めています。心に傷を負い、周りの人と打ち解ける事が出来ず、常に孤立してしまっている一人の少女。その少女が療養のために訪れた場所で体験する、不思議な出来事の話でした。

イメージ 3

ちなみに上記の高畑氏や宮崎氏は本作の制作には一切携わっていないとの事。そうした理由もあってか、上記の作品ほどは話題にはならなかったと思います。また、本作を見た人も賛否が別れるようですね。人によっては「スタジオジブリ作品らしさがない」という方もいらっしゃるようで。

でも、私は本作は凄く良い作品だと感じました。寧ろ、ジブリ近年の作品では久々にまともな作品だと思った程です。というか、ジブリ作品として云々ではなく、一つの映画として良作だと感じました。

たしかに主人公は、他のジブリ作品のように喜怒哀楽が激しいわけではなく、大地を駆け巡ったり、空を飛んだりする事はありません。飛行機・銃・剣・魔法といったギミックが出てくる事が無いだけでなく、人では抗う事の出来ない大自然の驚異が表現されているわけでもありません。(過去において、私もジブリ作品にそうした要素を求めていた時期があったのも事実です。)

でも、私は本作においてはそうした要素を無理に押し込もうとしなかったのが、かえって良かったのではないかと思います。生真面目な監督さんだからこそ、誠実に作品に向き合い、原作を活かし、わざとらしい不自然な演出を加える事なく、2人の登場人物を丁寧に描き切る事に全力を傾ける事ができたのではないかと感じたわけです。

まず好印象だったのはシナリオです。多分、原作となった児童文学そのものが非常に優れたものだからなのでしょうが、様々な伏線がきちんと回収されており、凄く良く出来た物語だと感心しました。そして、非日常的な出来事が生じた理由についても、素直に受け入れる事が出来るものでした。アニメ化に際して変に余分な要素をつぎ足す事なく、上手に日本を舞台にした現代劇にアレンジする事が出来ている事にも関心しました。それこそ、アリエッティの時に比べて、作品全体の纏め方が凄く良くなっているように感じました。

また、2人の少女の心理描写を丁寧に行っていたのも良かったと思います。2人は心に傷を負っている部分があるため、どうしても演出は重く地味になってしまう部分があるのは仕方のない事。寧ろ2人の人間性や背負ってきた悲しみや孤独を丁寧に描いたからこそ、周りの人との溝が次第に溶けてゆく様子が心地よく感じられました。それこそ見ている私の心も次第に癒され、最後には思わず目に涙が浮かんできてしまった程でした。

ともすれば、この米林監督はジブリを牽引してきた上記2人の監督のような作家性を、今のところ持ち得ていないかもしれません。でも、そうした作家性の有無だけが監督の評価、手掛けた作品の評価に繋がるものでもないという事を認識させられました。そういう意味でいうと、銀河鉄道999の映画を手掛けた「りんたろう」氏や、あしたのジョー、エースをねらえ!などを手掛けた「出崎統」氏の姿勢に通じる部分もあるのかもしれませんね。(作風は全く違うものの、原作を尊重し、誠実に向き合って作品作りを行う点に共通性があると感じたのです。)

しかも米林氏は、現在においては制作部が解体されたジブリを退社し、現在は自身が立ち上げた「スタジオポノック」で新作アニメを制作しているとの事。ジブリを離れた事によって後ろ盾を失った分、寧ろ伸び伸びと自身のやりたかった事、試したかった事にチャレンジできる環境に身を置く事が出来たとも言えます。そのような米林氏は、今後どのような作品を作るのか注目してゆきたいと思います。



■ バケモノの子

イメージ 4

細田守監督の作品ですね。この方の作品を観るのはこれで4作目でしょうか。正直言って、ちょっと期待外れでした。画は丁寧、動きも凄い。有名俳優が主人公クラスの声をあてていても違和感が無い。凄く真面目に作品作りをしてるのも伝わってきます。だけどなぜかワクワクしてこなかったのです。

映像の中では盛り上がってたり、手に汗握るような派手な活劇が繰り広げられても、見ているこちらはちょっと置いてけぼりを食らっているような感じだったような・・・。和風とはいえファンタジーの要素が強い舞台と、現代のリアルな世界をリンクさせるのはなか難しいものがあるのかなぁとも感じました。



その2へ続きます。



全8ページ

[1] [2] [3] [4] [5] [6] [7] [8]

[ 次のページ ]

Shiny Sky
Shiny Sky
非公開 / 非公開
人気度
Yahoo!ブログヘルプ - ブログ人気度について
1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31
検索 検索

よしもとブログランキング

もっと見る
本文はここまでですこのページの先頭へ

[PR]お得情報

抽選で150,000名様に当たるチャンス!
マツモトキヨシで期間中何度でも使える
100円引きクーポン<Yahoo! JAPAN>
衛生対策製品クレベリンの姉妹ブランド
クレベ&アンドハンドジェルが新登場
今だけ。お試しキャンペーン実施中!
ふるさと納税サイト『さとふる』
最大10万円分旅行クーポンが当たる!
≪10月31日まで≫今すぐ応募!

その他のキャンペーン

みんなの更新記事