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■ 2014年に見た映画 その2 ヒューマンドラマ・コメディ・サスペンス系 例年のように2014年において、新旧を問わずに見た映画の感想を纏めてUPしたいと思います。(順不同・ネタバレ一部ありです。) この記事はその1の続きです。 ■ ザ・イースト 過激な活動で知られる環境保護団体の実態解明に向けて、身分を隠して潜入捜査をする事となった女性が、彼らの目的と理由を知るうちに感化され、職務と理念との板ばさみに苦悩しつつ、自らの答えを見出そうとする様子を描いた作品です。正直いって、日本では殆ど話題にのぼらなかった作品ですが、私の大のお気に入りとなった「アナザー・アース」で有名になったブリット・マーリングが、主演・脚本(共同著書)した作品だったので、期待して拝見しました。 環境保護団体の主義主張は判る。彼らの行動理由を知れば、理解できる部分も沢山ある。しかし、エコテロリストと言えるほどの武力的で過激なやり方で活動を推し進めるのは間違っている。そのやり方には賛同する事は出来ない。だかといって、過激な環境保護団体を武力や権力で制圧すればいいというものでもない。それでは根本の解決にはならない。ならばどうするべきなのか。環境問題の発生要因をつきつめ、解決に向けて専門家の知恵を動員し、世論を動かすしかない。環境保護団体も、自らの行動を見つめなおし、世間から共感を得られる方法を模索すべきなのではないか・・・。そうしたメッセージが込められた作品だと感じました。 確かにその通りだと思います。その主張は、作中の主人公のみならず、マーリング本人のものでもあるのかもしれませんね。かなり地味なサスペンス調の作品でしたが、個人的には決して悪くない出来の作品だと感じました。 ■ レオン 年末年始の時期、地上波の深夜枠で放映されていました。過去に拝見した事はあったのですが、ついつい見てしまいました。 いやあ、何度見ても泣いちゃいますね。警官隊に包囲された部屋で、2人が再会を約束しつつ、涙ながらに別れるシーンなんか、こちらまで目頭が熱くなって鼻水まで出ちゃうくらいです。それくらい切なくて、切なくて胸が苦しくなってしまう作品ですよね・・・。しかも、ようやく生きがいを見つけれたというのに、その未来は藻屑と消えてしまうわけで・・・。結果として、彼女から依頼された仕事はプロとして成し遂げるわけですが、そのシーンでもまた涙が溢れちゃうわけですよ・・・。 それ以外にもいいシーンが沢山あるんですよね・・・。それこそ、マチルダを演じたナタリー・ポートマンの演技が実に素晴らしいわけで。なんなんですか、あの可愛らしさと、危ういまでの色気は。もうね、既にオジサンの域に入ってる私は、改めてやられてしまいましたよ。 この映画の脚本は、フィフス・エレメント制作の資金集めのためにたった2日で書き上げられたという話があるそうですけど、なんだか信じられませんね。それぐらい良く出来ているというか、リュック・ベッソン作品で1番の出来だと思います。というか、この映画の事を究極の純愛映画だと評する人が多いわけですが、本当に私もその通りだと思います。 ■ グランブルー こちらもリュック・ベッソンの作品です。酸素ボンベ等を使わずに深い海へ潜るフリーダイバーのジャック・マイヨールとエンゾ・マイオルカの交友を描いた映画です。 海の映像は綺麗でした。確かにあの青い海は綺麗でした。 しかし、この話は実在の2人の人物を取り上げながら、ストーリーの殆どがフィクションだったそうですね。それこそ、実在する本人たちから、作中での描き方に異議が申し立てられていたという話もあったそうですよね。(実在のエンゾいわく「、自分は悪人に描かれ、ジャックは実物よりも美化されていた。」との事。)本作を見る前に、そうした話を聞いてしまっていたせいか、どうも物語を純粋に楽しんで見る事ができませんでした。 ■ 東ベルリンから来た女 この作品は、ベルリンの壁が作られた事により、東西を自由に行き来する事が出来なくなった東ドイツで暮らしている女性医師の物語です。 恋人との暮らしを夢見て、西側へ渡ろうとする彼女。既に医師としての一定の地位がありながら、様々なリスクを背負ってまでして、西側へ渡ろうとする彼女。しかしながら、折角巡ってきたチャンスを自ら放棄してしまう。その要因となったのは、常に不満を抱いてきた祖国における、目の前の現実を無視する事が出来なかったわけですね。無論それは、彼女にとって苦渋の決断だったわけで・・・。 でも、彼女の選択は、判るような気がします。仮にあのまま西側へ行けたとしても、彼女は後悔の念を抱いたまま暮らさなければならなかったでしょうから。それこそ、人の命を救う医師という職業を生業としてきた人物であれば、なお更の事だったと言えるのかもしれません。 実際、切望していたチャンスを自ら諦めざるを得ない事ってありますよね。2度と機会が訪れる事は無いと判っていても、様々なしがらみがあって、その道に進む事が出来ない事って。無論、諦めたら後悔するのは判っている。しかし、選択をしたとしても、別の問題や悩みを引きずってしまう事が予想されてしまい、諦めざるを得ない事って。 であるならば、この物語に深く共鳴できたり、感動したかというと、そういうわけでもなかったんですよね・・・。というのも、彼女がそこまでリスクを負いながらも西側へ渡りたい理由が、どうも説明不足な感じがしたんですよね。 それにこの女性医師は、物語の当初は全く協調性の無い人物として描かれているので・・・あまり魅力的な人物に見えなかった程で。それこそ、最後シーンでようやく人間性を感じられてといいますか・・・。 そもそも、彼女は西側に住む恋人の事を本当に心から愛していたようにも見えなかったりしたくらいです。ひょっとしたら、彼女は単に西側の自由な暮らしを憧れていただけなのではないかと感じたくらいでした。それ故に、彼女は自ら望むものよりも、自らを望んでくれるものの大切さに気づいたというか、重きを置く選択をしたと言えるのかもしれません。そうした解釈は観客に委ねられている作品だとは思いますが、もう少し説明的な要素があっても良かったのではないか・・・と感じました。 ■ カラスの飼育 映画「ミツバチのささやき」に主演した際、撮影当時5歳だった少女の無垢な演技が話題となった「アナ・トレント」 本作は彼女が9歳になった際、主演した映画だと聞き、見てみる事にしました。(本作は、ミツバチの〜とは関連性はありません。) 確かに、あの頃の年頃って、身の回りの色々な事に対する認識力が身につきだす年頃ですよね。それは単なる好奇心というものだけでなく、様々な力関係というか、人間関係を理解してゆく事が出来るだけの経験を積み出す時期といった感じでしょうか。それは他人を傷つけ、自らも傷つきながら、否応なく経験してゆくもの。それは大人になってゆく上で、誰もが辿る過程ではあると思いますが、それが故に、何も知らなかった頃の無垢な状態ではいられなくなる時期でもあるわけで。 そんな幼女が少女になってゆく様子(でもまだ大人ではない)を描いた作品だと言えるのかもしれません。ちなみに、本作は非常に地味。映像や物語を楽しむというより、退屈(苦痛)に感じる方の方が多いかもしれませんね。 ■ バグダット・カフェ とある中年女性が、ボロボロな状態で営業していたカフェに偶然立ち寄った事から始まる、様々な人間模様を描いた作品です。有名な作品ですよね。公開当時、あのテーマソングは、よくFMラジオでかかっていたのを覚えています。今頃になってではありますが拝見してみる事にしました。 正直言って、あまり私の肌には合わない作品でした。あのカフェの住人たちのキャラクター性に、あまりにも”作った感”がありすぎで、自然なストーリーに見えなかったのです。それこそ、主演する人達の容姿・年齢をアイドルタレントに入れ替えたら、フジTV系の月9のドラマみたい・・・って感じがした程で。というか、月9ドラマとかの方が、こうした映画のエッセンスを取り入れてる方なのかもしれませんけどね・・・。 ■ この森で、天使はバスを降りた この映画も、とある女性が、さびれた田舎町に訪れた事から始まる、様々な人間模様を描いた作品です。ちなみにこちらの主人公は中年ではなく、まだ若い女性だったりします。(それこそ、邦題では天使とまで称されているくらいなわけで。) であるあらば、こちらの作品もハッピーエンドになるのかな?なと思って拝見したのですが・・・予想に反して、思いっきり酷いバッドエンドを迎えてしまう作品でした・・・。 ネタバレになりますが、あえて言います。主人公の少女は死んでしまうんです。非常に辛い人生を送り、なんとか人生をやり直そうと訪れた田舎町で、人々に尽くしてきた少女が、大金を盗んだという濡れ衣を着せられたまま、死んでしまうのです。 普通、あのストーリー展開ならば、彼女の命は助かり、疑いも晴れて、街の人と仲良く暮らしました・・・という展開に持ってくものじゃないんでしょうか?彼女の人生は何だったのさ?この物語で伝えたかったのは、何だったのさ?って感じで物語は終わっちゃうんですよ。ハートウォーミングストーリーどころか、実に酷い話だとしか感じられなかったわけですよ。 しかもラストシーンにおいて、彼女のアイデアが切欠となって他の街から移住してきた女性に対しては、町中で暖かく向かいいれてしまうなんて・・・。主人公が訪れた時とは、あまりにもギャップが大きすぎて、違和感しか感じられなかったです。 ■ キンキーブーツ 破綻寸前の紳士靴工場のオーナーが、とある偶然から、ドラァグクイーン(女装をする男性パフォーマー。ゲイが多い)向けの派手でセクシーなブーツやヒールを作る事になるコメディタッチのヒューマンドラマです。(本作はあくまでもフィクションですが、その発想の元ネタになった実話も存在しているそうです。) 正直言って、ストーリーは単純かつ王道的なものでした。それ故、簡単に先が読めました。でも、それが決して悪いわけではありませんでした。寧ろ、素直に楽しめたといった感じでしょうか。物語のキーマンであるドラァグクイーンが、自らのアイデンティティに悩み、周囲からの偏見に苦しみつつも、周囲を巻き込み、人々の意識を変えてゆく様子は、勇気付けられるものがありました。 上記の2作品を見た後だったせいもあるのかもしれませんが、どうせハートウォーミング・ストーリーを作ろうとするならば、素直にこうしたハッピーエンドの話を作ってほしいなぁ・・・。という思いを強く感じました。 その3に続きます。 |

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