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作家のダニエル・キイスさんがお亡くなりになられたそうですね。非常に残念です。(朝日新聞DIGITAL

私はこの方の作品、「アルジャーノンに花束を」が非常に好きでした。知的障害を持つ若者が、手術を受けることで急速に学習能力や記憶力が高まり、天才といえる程の知性を身につけてゆく事によって生じる、驚き、発見、自信、感動、愛、そしてエゴと悲しみ・・・それらを見事に描いた傑作だったからです。単にSFという枠で語られる事がはばかれる程に物語としての展開が素晴らしく、涙を流さずにいられない名作中の名作だと今でも感じています。

この作品以外でも、ダニエル・キイス氏の本は「5番目のサリー」「24人のビリーミリガン」「ビリー・ミリガンと23人の棺」など、何冊か読ませていただきました。ちなみに、ビリー・ミリガン関連の本は、ストーリー展開を重視した創作物ではなくノンフィクション作品であったため、決して読みやすいタイプのものではなかったかもしれません。しかし、そこで描かれていた多重人格という症例に関する内容は、私にとってかなり衝撃的なものでした。そして、この方が単なるSF作家などではなく、また、売れる作家になりたいという人ではなく、あくまでも人の心というものに強く関心を抱き、その深淵に少しでも触れたいと感じているタイプの人であるのだろうと感じるようになりました。また、そのような人だからこそ、アルジャーノンを生み出す事が出来たのだろうとも感じました。

ちなみに、この方は作家としてのデビューが遅く、決して多作ではなかった人ですよね。でも、作家という存在の評価は、書いた本の数で決まるものではありませんよね。それこそ、たった1冊であっても、多くの人の心に残る作品を残せるのであれば、それで本望であると思う人の方が多いのではないでしょうか。寧ろ、そのような本を書こうと思っても、その1冊すら残す事が出来ない事の方が多いくらいだと思います。

そうした意味でいえば、「アルジャーノンに花束を」を世に残せたという事は、世界中の読書好きにとっても、本人にとっても、実に幸いなことであったのだろうと思います。とはいえ、お亡くなりになってしまったというのは、やはり残念な事ですね・・・。謹んで哀悼の意を表します・・・。


■ 水族館をつくる / 安部義孝



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動物園関連の本を数冊読んだ私は、水族館に関する本も読んでみる事にしました。著者の安部氏は、上野動物園水族館、葛西臨海水族園、アクアマリンふくしまなどの飼育員・園長として業務に従事した人物。本書は、そうした施設の運営・設立の様子を通じて、水族館の実態と、これからの課題などを記したものとなっていました。



■ 感想

水族館という存在は、いきものを展示するという意味では動物園と近い存在ですよね。しかし、運営・設備管理を行うにあたり、大きく異なる部分があるようでした。それは「大量の水」の存在です。水族館だから当り前の話ではあるのですが、この水を管理するというのは、かなり気をつかうものであるようです。

というのも、飼育する生物達が出す排泄物によって、常に水が汚れてしまうからだそうです。そして、それらが蓄積され科学変化するとアンモニアなどの毒素が増加。それらの影響で、いとも簡単に生物達が死んでしまうのだそうでうす。無論、水に含まれる酸素濃度も重要なファクター。それら有害物質を取り除いたり、酸素を補充する装置を設置する方法として、全水槽を一つの大型装置で処理する方法と、個別の水槽に設置する方法があるのだそうです。

ちなみに、水質管理に関する装置類は、水槽ごとに個別のものの方が、飼育生物の理想的な環境(微妙な水質の違い・水温など)のコントロールがし易いそうですが、全ての施設でそのような状態になっているとは限らないそうです。というのも、コストや設置スペースなどの問題があり、建設段階から理想的な状況にしておかないと、後から手直しをしたり、改善する事が難しいからのようです。

また、水を大量に蓄えた重い水槽を沢山設置するという事は、建物自体にも負荷を与える部分が多く、一般的な建物よりも老朽化が早くなりがちであるようでした。水族館の入場料は動物園よりも高い所が多いのですが、こうした設備投資に費用が掛かる点に理由があるのかもしれませんね。

そのように、様々な気遣いを行っていても、水族館においても「生物の死」というものはついてまわるようでした。例えば、狭い空間が故に、壁やアクリル板にぶつかって死んでしまうとか・・・。本来であれば異なる生息域に住んでいるはずの生物達と同じ居住空間に閉じ込められてしまうため、見知らぬ生物の挙動に驚き、(本来は危険の無い生物から)逃げ回ろうとして壁などにぶつかって死んでしまうとか・・・。館内の照明の切り替えに驚いて壁などにぶつかって死んでしまうとか・・・。魚というものが、我々が想像する以上にデリケートな生物であるだけでなく、水族館のように囲まれた世界が、彼らにとってどれだけ異世界であるのか伝わって来る話ですね・・・。(っていうか、それだけぶつかりやすい種が居るなら、何も無理に飼わなくても良かろうに・・・って思います。)

ちなみに、水族館を運営する上で抱える悩みは、それだけではないようです。水族館では「イルカ」、「ラッコ」、「女性飼育員による餌付け」が3種の神器と呼ばれ、それらに関する展示やイベントには多くの観客が訪れるのだとか。それは悪いではないものの、その反面として、それ以外の展示に目を向けてもらえなくなる傾向があるのだそうです。そのため、著者が関わった葛西臨海水族館では、それらの生物の展示は行わず、展示スペースを世界の七つの海を再現する事に注力し、成功したのだとか。現代の日本は、ネットやメディアが発達し、交通手段も豊富になっています。そうした時代においては、他施設との差別化を図り、集客を向上させる必要性が高くなっているため、こうした展示の工夫が重要度を増すであろうとの事でした。

また、本書を読んでいて興味深かった話はこれだけではありませんでした。何やら、併設するレストランで今見たばかりの魚などのメニューがあると、「残酷」、「可愛そう」などと非難を浴びてしまうのだそうです。まあ、そうした感情が湧いてくるのも全く判らないわけではありませんが、それに対して観客が文句を言うのもどうなのだろうとも感じたりしました。

寧ろ私は、普通に魚介類のメニューに出す事の方が重要なのではないかと感じる部分があったりします。というのも、私たち人間は、魚のみならず、牛・豚・鳥・野菜に至るまで他のいきものを食べて生きている動物であり、こうした場所だから敢えてそうした現実を考える良い機会になるのではないかと感じる部分があるからです。それこそ日本は海に囲まれた海洋国家であり、長きに渡り海産物の資源に支えられてきた国である事を再認識し、彼らの存在に感謝する良い機会になるのではないかと感じたりするのです。また、築地などの魚市場のツアーを見た後で、魚介類を食べるのが残酷だなんて言う人はいませんよね?なので、この場所でのみ、「可愛そう」というのも変な気もするわけです。

そうはい自分で言いつつも、牧場などで牛を見た後で焼肉を食べる気になるかというと、ちょっと抵抗感があったりするかもしれません・・・。うむ〜こうした感情は何なのでしょうね。やはり、見た目が可愛いとか、我々に近い哺乳類かどうかとかいう点を無意識に感じてしまっているのでしょうかねえ・・・。(自分でも良く判りません・・・。)

動物園と水族園の違いなどを改めて考えてみようと思って手にとった本書でしたが、最後には人と食との関係や、異なる種に対して抱く感情の違いなどに関して色々と考えさせられてしまいました。








■ 動物園にできること / 川端裕人




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動物園が好きであるからこそ、心の中に浮かんで来てしまう一つの疑問があります。動物達が本来生息していた場所から強制的に連れてきて、莫大なコストを掛けながらも狭い環境で生きる事を強いられている動物達を見ると、「それだけの手間・コストを掛け、時に危険に対峙し、時に批判にさらされながらも、動物園を運営する必要があるのだろうか?」と思えてくるわけです。

正しく本書は、そうした素朴で純粋な疑問を感じたフリージャーナリストがアメリカに渡り、日本よりも遥かに進んだ運営を行う様々な動物園の実態を通じて、その疑問の答えを探ろうとしたものです。

とはいえ、本書においてその答えは導き出されていません。著者のみならず、動物園の運営に関わるスタッフ全員が、その疑問を感じつつ、その答えをよりよいものとして導きだそうとしているのが現実なのだと思います。しかし、それは本書を読む価値の無いものとしているわけではありません。寧ろ、かなり丁寧にリサーチを重ね、誠意をもって書かれた良書だと思いました。



■ 要約と感想

レクリエーション・研究・保護・教育という目的で長きに渡り運営されてきた動物園や水族園。現在においては、種の保存・環境教育の場としての役割を求められるようになってきていると聞きます。しかし、その役割は決して容易いものではありません。膨大なコストや手間暇が掛かるだけでなく、必ずしも希望する動物が繁殖する保証は無いからです。

それこそ、動物園は非常に閉じられた世界であるため、近親交配の恐れが非常に高い事が常に悩みの種だとか。それは何も同一施設内だけの話ではないとの事。動物園で飼育されている動物は、現在捕獲が禁止されているものが多いため、他の動物園で繁殖した子供を譲り受けるケースが多いのです。つまり、世界中の動物園の動物は遺伝的に非常に近い間柄の者が多いので、血統を意識した上で相性の良いペアを組み合わせる必要があるというのです。

仮に繁殖が成功して、それらの動物が増えすぎても困る現状があるのだとか。というのも、動物園の展示施設は常に手狭であり、あまり多く動物が増えると、彼ら同士がストレスを抱える事になりかねないのだそうです。また、ゾウなどは飼育が比較的容易なメスは生まれて欲しくても、性格が荒く飼育が困難なオスの方が生まれると、かえって困ってしまう現実があるのだとか。かといって、繁殖計画を先延ばしにしていると、動物が高齢化してしまい、上手くいく可能性が低下してしまうのだそうです。それに、飼育が成功した動物達を野生に帰す事に積極的に取り組んでも、必ず成功するとは限らず、寧ろ上手く行かない事が多い現実があるわけです。

問題はそれだけではありません。最近では、彼らがノビノビと暮らしていけるよう、生態展示、ランドスケープイマージョンなど、様々な言い方をする展示方法が話題になったりしますが、それらも全て莫大な設備投資が必要です。また、知恵を絞り、それだけの費用を掛けても、彼らが本来生息していた大自然の姿を、異国の地で完全に再現する事は不可能だからです。

このような問題に目を向けると、「何故それだけの手間・コストを掛け、時に危険と対峙し、時に批判にさらされながらも、動物園を運営する必要があるのだろう?」という疑問が沸いてきくるわけです。

それこそ、動物園は人間のエゴの象徴であるように見えてきます。自然環境を侵食し、動物を強制的に連れてきた歴史の産物であるわけです。また、それらの活動によって失われたものは、動物の命であろうと、自然環境であろうと、人の手では2度と再現する事が出来ないという事を指し示す象徴的な存在であるように感じるわけです。

そう、このように見てくると、動物園という存在は、我々人類と自然との対峙構造を表す、「地球の小さな縮図」にも見えてきます。つまり、動物園の動物に対する接し方は、そのまま地球全体の生物に対する接し方と同じなわけです。

であるならば、動物園といった狭い世界にだけ拘るのではなく、その運営維持・改善費用を、そのまま大自然の環境維持・保全にまわすべきではないかという声も実際にあるそうです。その方が遥かに効率的で、多くの動物や自然を保護出来るのではないかという意見です。確かにその考えには一理あるように感じます。でも、動物園そのものの運営費が捻出されるような現実が無ければ、その費用を他の場所で使うという発想も出て来なかったと言えなくもありません。

また、熱帯雨林などの自然を守る必要性とは一体何なのでしょう?生物多様性の重要性を謳うCOP10などの活動が話題になった時もありますが、あの時も「将来における新薬などの材料となりえる可能性のある生物の遺伝情報などを保護するメリットがある」などと、人間本意の価値観で語られる印象が拭えませんでした。しかし、それを綺麗事と言うならば、実験動物だけでなく、家畜やペット等の扱いですら、様々な倫理的な問題を孕んでおり、本当にキリの無い話になってしまうわけです。

そう、我々は結局のところ、いくら倫理面で望ましいと思っていても、自らに何らかの利を感じる部分がないと、なかなか実行に移せない生物なのかもしれません。

とはいえ、私として、そうした悩み多き動物園が無くなって欲しいかというと、そうではありません。動物達の様々な色や形、身体能力の高さ、身体の大きさから、独特のニオイや鳴き声などを、これだけ間近な距離で体感できる施設など、他にはありません。また、動物に興味があるといって、多くの人が大自然へ訪れると、今度はそれで環境破壊が進んでしまう可能性も否定できません。故に、今以上にその存在価値を示す事で、今後も存続していって欲しいと思っているわけです・・・。

ちなみに、自然を守るという意味でいうと、単に保護区を作るという方法だけが有効な手段というわけではないはずです。我々先進国の人間は、常に大量のモノを消費しています。それらのモノは、贅沢なものや、使わずに捨てられてしまうものも少なくありません。そうした無駄を最小限に抑えるだけで、多くの自然が守られるはずです。これからの動物園においては、単に動物達の特徴を紹介だけでなく、彼らが生息していた自然が、どのような現状になっているのか正確に伝える事を始めるべきではないかと感じるようになりました。

また、動物の数の減少や環境破壊が進んでいるのは、この日本でも同じ事。子供達には、こうした動物園のみならず、もっと身近な自然環境の中を歩かせる事で、自然の美しさや、心地よさをもっと体感させる事から始めなければならないのではないかとも感じました。そうすれば、おのずとそれらの自然の尊さを実感し、付き合い方を考える力が付くと同時に、動物園という特殊な環境の有り難さも改めて感じられるのではないかと思いました。






今日も動物園日和



■ 今日も動物園日和



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先に読んだ本に続き、上野動物園の飼育員さん達による動物解説の本を読んでみました。この本の内容は、上野動物園で行われているキーパーズトーク(飼育員による生解説)をかなり簡略化し、紙面化したような雰囲気のものではないかと思います。(直接上野動物園でキーパーズトークを見た経験がないので、あくまで推測ですが・・・。)



■ 感想


動物園って、訪れる度に新鮮な驚きや、感動があったりしますよね。子供だった個体が大人になっていたり。子供まで出来て、大家族になっていたり。久しぶりに見る彼らの姿を見るだけでも面白かったり、癒されたりします。

でも、何時間も同じ動物の姿を見続ける事は現実には難しかったりしますよね。何故なら、限られた時間内で多くの動物を見たいと思うと、それぞれを見るために避けられる時間はそんなに割り振れなくなってしまうからです。無論、毎週のように訪れるのもなかなか難しかったりするわけで・・・。

それにいくら興味を持っていても、見たいシーンに出会える保証はありません。夜行性の動物は昼間に寝てるのが常。食事の様子を見たくても、訪問時間が餌を与える時間とは限りません。群で動き回る様子をみたくても、少数しか飼われていない事もあります。発情期や妊娠中、赤ちゃんを育てている最中でないと見せない行動パターン等もありますし、そうした時期は彼らがナーバスになっている関係上、一般公開を一時中止しているケースもあります。

なので我々一般人は、どうしてもその場限りの外見的なインパクトで彼らを語ったりしてしまいがち。でも、それでは動物や、彼らが本来生息する自然環境を理解出来るのかというと、無理があるのが現実だと思います。それに、解説板を併設していても、殆どの人が読まないという現実もあるようですし・・・。(これは外国でも同じらしいです。)

故に、動物園(水族園)においては、飼育員などによる生の解説が、他の文化施設(美術館・博物館・科学館)に比べて、非常に重要なのではないかと思います。それこそ、飼育動物に毎日触れている事から、種としての動物を熟知しているだけでなく、ぞれぞれの個体別の個性まで理解しており、一見しただけでは判らない事や、飼育する上での苦労話、彼らが本来生息していた環境や、そこで行われている環境破壊の現実なども、事細かに伝える事が出来る存在だからです。それに、判らない点は来場者が直接質問できたりしますし、飼育員の意思次第で内容を日々アップデート出来るので、新鮮度が違いますしね。

そう、飼育員という存在は、単に動物を守り・育て、彼らとコミュニケーションを図るだけでなく、自然環境に起きている様々な問題を我々に提起する「動物・自然環境の代弁者」としての役割も期待されているのではないでしょうか。それは深い知識のみならず、高いコミュニケーションスキルや人間性も要求されるものであり、重い責務と期待が圧し掛かっているのではないかと思います。それに、実際の現場仕事はキツイ臭い、汚れ、肉体動労、等に耐えなければならない部分が大半であり、その上で学術的な事も常に学ばなければならないなど、色々な負担も多いのだろうと思います。

しかしながら、この本に出て来る飼育員さんたちは、希望に満ちたような明るい表情をした若い美男・美女が多いのが印象的でした。(写りの良いスタッフばかり選んだというわけではないと思いますがw) まあ、どれだけ大変であっても、希少な動物達と直接触れ合える幸運と、喜びに比べれば些細なものであり、どのような時代になってもこの仕事を希望される人は多いのかもしれませんね。








■ 物語 上野動物園の歴史 / 小宮輝之 著



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先日、愛知牧場で動物達の姿に癒された私は、そうした動物達を飼育している人達の事を改めて知りたいと思い、図書館で動物園や水族園の本を借りてきました。(最初は牧場関連の本も探したのですが、読んでみたいと思うような面白そうな本を見つけれなかったのです。それに、私は動物園や水族園も大好きですしね。)



■ 感想

著者の小宮氏は、東京の上野動物園の現役園長。本書は、タイトルが示すように、日本を代表する上野動物園の歴史を紹介する内容となっています。

その内容を読んで改めて関心したのですが、上野動物園って、開園から130年も経過しているんですね(開園は1882年3月)。それだけの期間において飼育されてきた動物に様々な遍歴があるだけでなく、動物園を管轄する省庁や、施設の規模も時代の移り変わりによって様々に遷り変わってきたのだと知りました。

でも、本書を読んでいて最も印象に残ったのは、「動物園で死んでいった動物の数」です。動物園の歴史として「何年何月にどこぞこの国から○○○という珍しい動物を何頭購入。」とか、何年何月に来場者100万人を突破、などいう記録に目が奪われがちですが、その数と比例するように動物達が亡くなっているわけですね。そうした事実も淡々と記述されているのですが、その数が半端なかったのです。

特に動物園の設立して間もない頃は珍しい動物を連れてきても、飼育に関する知識や技術の不足・不十分な飼育環境(狭い獣舎・温度管理の至らなさ・他)などの要因によって、病気になってしまったりして、寿命を真っ当する前にその命を終えてしまう事が少なくなかったわけですね。

それどころか、戦時中の1943年には脱走などの未然防止や、餌代などの問題などから折角育てられるようになってきた動物達まで東京都の命令で「猛獣処分」として殺してしまわなければならない状況もあったと聞くと、いたたまれない気持ちになりました。

ちなみに戦時中の餌集めには、動物園で飼われていた蒙古馬が、都内の緑地から草や木の葉、海軍から残飯を得るために運搬役を担っていたそうです。無論、戦争が終わっても食糧危機は続いており、カボチャの種一合を入場券一枚と引き換えるというアイデアを実行した事もあったのだそうです。動物が減ってしまった戦後の動物園に最初に猛獣を寄贈したのは、対戦国であったアメリカであるというのも興味深いものがありました。

また、以前何処かで聞いた事があった話ではありますが、動物園で飼育する上で「ゾウ」が最も危険な動物であるというのも印象的でした。それこそ、観客が投げたアンパンを拾おうとしたゾウをインド人の調教師が叱ったところ、かえってゾウが怒ってしまい、肋骨を折る怪我を負わされてしまったのだとか。それだけでなく、日本人の調教師が反抗的なゾウに対してヤリで突付いて制しようとしたところ、牙で突かれて出血死してしまった事もあるそうです・・・。

実際、世界中の動物園においてもゾウの飼育は難しいとされているようですね。(特にオスは気性が荒く超がつくほど難しいそうです。)一説によるとゾウ飼育員の死亡率は飛行機のテストパイロットよりも高く、アメリカだと生命保険に加入できないとの話もあるのだとか。(日本でも加入できないのかは私ではわかりません。)それこそ、昨日の朝、某動物園で飼育員の方がゾウに殺されてしまったというニュースが流れていましたね・・・。

そもそもそういう事故が起きてしまうのも、野生で生きてきた動物達を無理に異国の閉じた世界に連れて来ている事に要因が無いとは言い切れません。それこそ動物園というのは、人間のエゴの象徴であるとも言えるわけで。現代において、絶滅が危惧されるような動物達の研究・保護・飼育・繁殖・環境教育などといった名目があろうとも、それらは後付の理由のように感じてしまう部分もあるわけです。また、保護すべき動物が増えたという事は、それだけ人間による自然破壊が進んでしまっている証拠とも言えるわけです。

それに、大切な命を宿しているのは、何も動物園の中にいるような動物達ばかりではありません。身の回りに生きている全ての生物が、尊い命を宿しているわけですから。そのような目で見ると、動物園の存在は何処まで許されるのだろう・・・という気持ちも抱いてしまう部分があります。いや、動物園に限った話ではなく、我々人間はどこまで動物や自然に干渉して良いものなのだろうか?と言うべきでしょうか。

無論、こうした矛盾や悩みは、我々よりも飼育や運営に携わる人達の方が痛い程感じ、苦しみながらも、真摯に動物達に向き合っているのではないかと思います・・・。それこそ、れらの保護・飼育・繁殖などの職務に従事している方々は、大変な努力をされていらっしゃると思いますしね。

動物園と聞くと、北海道にある某動物園のように、ついつい新しい行動展示の手法や、来場者数の記録更新などといった話題に目が行きがちですが、その裏側にある苦悩を通じて、我々人間がどのように動物や自然と向き合っていくべきなのか考えてゆく必要があるのかもしれませんね。






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