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進化する人工筋肉 / サイエンスZERO 第170回

■NHK教育TV 番組公式HP 毎週土曜 19:00〜19:44
出演:キャスター 安めぐみ / 熊倉悟アナウンサー / 専門家ゲスト 長田義仁(理化学研究所 顧問) / コメンテーター 美馬のゆり(公立はこだて未来大学教授)

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生き物の筋肉にそっくりな動きをする「人工筋肉」が注目されているとの事。再放送枠でのサイエンスゼロで取り上げられていました。

■ 登場パワーアップ装置
東京理科大学 小林研究室 小林宏
ソフトアクチュエーター(柔らかい駆動装置)空気圧式人工筋肉エアマッスルを用いたマッスルスーツが紹介されていましたね。この内容は以前取り上げた番組と被るので、詳細はそちらの記事をご覧ください。ちなみに、この人工筋肉は、日立メディコ製である模様です。人工筋肉で、来るべき高齢化社会を救いたい / 夢の扉 NEXT DOORRobotWatch 第33回国際福祉機器展レポート

この手のコンプレッサータイプのパワーアシスト装置は果たしてどこまで使い物になるのだろうと思う点があります。それは装着者の任意の動きに合わせ、微妙な腕の角度や、力加減をセンサーが自動感知し、的確にアシストしてくれているのだろうか?という点です。今の所だと、伸びきったOFFの状態か、縮みきったONの状態でないと、そのポジションをホールド出来ないのではないか?と感じました。ちなみに人間の腕・足・体には表と裏にペアで筋肉付いており、その表と裏の筋肉が互いにバランスよく力が入る事で途中まで曲げた腕をその状態でロックしておく事が出来たりします。が、この装置にはそうした表と裏に人工筋肉が付いているように見えません。と、なると、コンプレッサーの圧で加減するしかないのでしょうが、中途半端な加圧では力が逃げていきそうなナイロン繊維の素材で、腕を途中の位置でロック出来るのでしょうか?その点が非常に知りたいと思いました。

また、HAL-5のように筋電位から使用者の意向を汲み取れる機能は無く、今の所プログラム通りの単純なパターンを本人の意思に関係なく繰り返す動きしか出来ないようですし。そうなると、そうした特長を踏まえてユーザーは使いこなす必要がありそうです。実際、安めぐみは人を抱える際、腕を完全に曲げた状態を作ってから抱えていました。

あと、耐久性もどの程度あるのか気になるところですね。電気を使っていない分、トラブル発生時の漏電とかの心配は少ないのかもしれませんが、コンプレッサーが故障した際、急な力抜けとかは起きないのでしょうか。モーターやギヤを用いた装置と違い「あそび」が大きいため、微妙な動きにも対応することができるとの事でしたが、具体的にどの程度微妙な事に対応できるのか、より詳細が知りたいと思ってしまいました。

また、安めぐみが、「重さが全て腰にくるように出来ている」と、言っていましたね。サポートするものが付いていない部分は、従来その人が持っている筋肉のままであり、そうした部分に、それだけの加重が掛かって当然の事かと。人工筋肉を付けたグローブをはめて、ペットボトルを潰してみせていましたが、モノに触れている手の平は特になにも強化されている訳でもなく、あやまって予想外に硬いものを潰そうと膨大な圧をかけてしまったりすると、中身の人間の手の方がつぶれてしまいかねないですよね。この装置、面白いなぁと思う反面、改めて見直すと手を加えるべき所がまだまだ沢山あるように思えました。

■ 生き物の動きに迫れ
理化学研究所 バイオミメティックコントロール研究センター

厚さ1mm〜2mmの樹脂の板に電気を流して動く人工筋肉は、生き物のような微細な動きが可能だ。金のメッキが施された板状の樹脂の中には水分子とプラスイオンが含まれている。板の表と裏に電極をとりつけ、電気を流すことで、板の内部のイオンがマイナス側へ移動する。それによってマイナス極側の板の厚みが変化する(膨張する)ことで、板が湾曲するように動くという仕組みだ。マイナスとプラスの極を切り替えれば、板の曲がる方向を変える事が出来、電圧を変える事で曲がり具合を変える事も出来る。また、マイナスとプラスとを切り替える周期のスピードを調節すれば、動きを繰り返す速さもコントロール出来る。極端に部品が少なくても機能することから、カメラのフォーカスをあわせるモーターに代わる物として、また医療現場ではカテーテルの先端を動かす物として実用化されつつある。さらに、力を加えて厚さを変えることで発電することができる人工筋肉(静電気を帯びたゴム状の素材)もあり、アメリカやヨーロッパでは波力発電などへの応用が期待されている。

この板状の人工筋肉は、見ていて気持ち悪いくらいでしたw と、いうのは、その滑らかな動きが蛇やミミズであるかのようで・・・。でも、それくらい滑らかに動くものを、高い精度と高い耐久性でコントロール出来るとすれば、今まで小型化が困難だった領域において、一気に広がりを見せるかもしれませんね。あと、人工筋肉で発電ですか!これこど何処まで耐久性があり、実用化出来る世界なのか疑問ですが、クリーンなエネルギーとして実用化されると良いですね。

■ 目指せ!究極の人工筋肉
究極の人工筋肉と言われているのが、生き物の筋肉の成分を使って、人工的に作られた人工筋肉だ。生き物の筋肉はアクチンミオシンとよばれるタンパク質からできていている。ATPという化合物をエネルギーにすることで、ミオシンがアクチンを引っ張り、筋肉は収縮。非常にエネルギー効率よく動き続けることができる。このように、科学エネルギーを運動エネルギーに効率良く変換できる人工筋肉を作れないかという動きがある。

北海道大学 理学研究院 角五 彰 助教授
ホタテが貝を開け閉めする貝柱から取り出した筋肉成分(アクチンとミオシン)を集めて束ねることで、強力でエネルギー効率のよい人工筋肉を作る研究が進めている。また、アクチンと同じような動きをする別のタンパク質を調べていると、普段は直線的な動きをするタンパク質が、両端を閉じ円を描くように廻り始める運動を見つけた。まるでモーターのような動きといえ、マイクロマシンに応用出来ないかと考えられている。

生物から取り出したタンパク質を使って人工筋肉を作ると聞いて、最初は再生医療等の分野に近い内容を想像していました。(移植用の筋肉を人工的に作るのかなと・・・^^; まあ、そうした分野への可能性も無いワケではないのでしょうけれど。)ところがマイクロマシンへの応用と聞いて驚きました。そりゃ、そんなモノが出来たら凄いでしょうけれど。と言うか、こんなモノを使ってまで作り出そうとするマイクロマシンとは、一体如何なるモノになるのでしょうね。なんだか心の無い人工生物っぽい感じのイメージがして、見たいような、見たくないような気持ちになってしまいました^^;

PS)写真は、携帯カメラのレンズのフォーカス用に研究開発がされている人工筋肉です。
 電気が流れる事で、枠の中のフラップが上下に動き、ピントをあわせるそうです。

ブラックホール 「球形に近い」新型を発見 京大チーム

■ 毎日新聞
京都大の上田佳宏准教授(X線天文学)らのチームは30日、二つの銀河の中心で、新しい形状のブラックホールを世界で初めて発見したと発表した。

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ブラックホールの周囲には、トーラスと呼ばれるガスやちり(固体微粒子)などが集まった天体が存在しているが、今回発見されたのは、これまで知られていたドーナツ状ではなく、球形に近い。8月1日、米科学誌「アストロフィジカル・ジャーナル・レター」に掲載される。ブラックホールは、強い重力を持つため光も脱出できない天体。それ自体を見ることはできないが、吸い込まれた物質は高温のガスとなりX線などを発する。チームは、米航空宇宙局(NASA)の衛星が発見した天体約200個の中から、高エネルギーのX線を発する銀河2個を、宇宙航空研究開発機構(JAXA)のX線天文衛星「すざく」が持つ高感度の機器で観測した。その結果、それぞれが高エネルギーのX線を多く発しており、太陽の100万倍以上の質量を持つ巨大ブラックホールが中心にあると確認した。この銀河は地球から見て「八分儀座」と「ほうおう座」の方向にあり、それぞれ地球から約8000万光年、同3億5000万光年の距離にある。トーラスがブラックホールをほとんど覆っており、従来の観測手法では見つけることができなかった。上田准教授は「ブラックホールを核に持つ銀河は星の形成過程と密接にかかわっている。
今回の発見はドーナツ状になる前の段階とみられ、銀河やブラックホールの進化を考える上で重要な発見だ」と話している。
毎日新聞 2007年7月30日 22時43分 「ニュータイプ」巨大ブラックホールの発見 −高エネルギーX線で暴く隠れたブラックホールの謎− 京都大学wikipedia:ブラックホール

物理に対し全くの素人の私は、今まで想像図で紹介されてきたブラックホールは、なぜ平面的な『ドーナッツ』形をしているのだろう?と思っていました。リンク先のwikipediaを参照していただくとわかりますが、多くの銀河の中心にはブラックホールがある事が確認されていると言われます。
それこそ、天の川銀河の中心部にあるブラックホールは、太陽の200万倍の重力を持った巨大な存在だそうで。1995年には、銀河M106の中心に太陽質量の3600万倍の質量のブラックホールがあることが確認され、同様にして、これまでに多くの銀河の中心部に106-8太陽質量の大質量ブラックホールの存在が確認されているのだとか。

ちなみに、銀河の中心に巨大なブラックホールがある理由として
・ブラックホールの力が、宇宙に漂う星やチリを集め、銀河を形成した可能性がある。
・星が多く集まる銀河の中心において、多くの星々が互いの引力で衝突し合い、巨大な星となった挙句、最後に爆発してブラックホールになった可能性がある。
・ブラックホール同士がくっ付き、巨大なブラックホールとなった可能性がある。
と、いった理由があるのではないか・・・というような事を耳にした事があります(詳細が間違っていたら申し訳ありません)

とはいえ、何故それがドーナッツ状なのだろうと。それこそブラックホールはホールと名を付けられながらも、筒のようなものの入り口でも穴でもなく、非常に巨大な引力の点だと聞きます。何も妨げるものの無い宇宙空間で万物に働きかける重力が一点で働くのなら、何故全方位に働きかけないのだろう。なぜ、球状に力が働かないのだろう?と、ずっと思っていました。物理を学べていない私では、サパリ判りません。なので、球状のブラックホールという話題は、何気に気になってしまいました。

今回の発見はドーナツ状になる前の段階とみられ、銀河やブラックホールの進化を考える上で重要な発見だ」との事ですが、その詳細を聞いてみたいものですね。というか、こうした素人の私の素朴な疑問にも判りやすく答えていただける情報があったら嬉しかったりしております。

追伸)
wikipediaの記事を見ていたら、こんな記事が載っていました。地球上で極小型のブラックホール生成の可能性。2007年運転開始の加速器LHC(ラージハドロンコライダー)で極小型のブラックホールの生成実験が予定されている。方法としては、陽子を光速の近くまで加速させ7TeV(7テラ電子ボルト)もの運動エネルギーを持たせてさらにそれを陽子にぶつけて高エネルギー状態にすると、極小型のブラックホールができる。LHCの生成実験では、毎秒一個の極小型のブラックホールができると予想されている。しかし、ブラックホールの根本的な性質はまだ分かっておらず危険性も充分にあるといえるので反発の声もあがっている。地球上でブラックホールなんて作れるものなのでしょうか?? と言うか、作れても危なくないのか心配なくらいなのですがw

飲酒運転防止装置「アルコール・インターロック」の活用に関する検討会開催

呼気からアルコールを検知するとエンジンがかからなくなる飲酒運転防止装置「アルコール・インターロック」の活用に関する検討会が2日に開かれ、国内外のメーカーによるデモンストレーションが行われた。

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「アルコール・インターロック」装置とは、携帯電話ほどの大きさのハンドセットに息を吹きかけ、一定以上のアルコール量を検知すると車のエンジンがかからなくなるというもの。欧米では、飲酒運転の違反者に対して罰則として、数年間使用を義務付けている国もあり、国土交通省は、日本でも飲酒運転の常習者に対し、「アルコール・インターロック」装置の義務化させる方向で検討を進めている。FNN

汗からアルコール検出=飲酒運転防止で試作車−日産

日産自動車は3日、シフトレバーに設置したセンサーでドライバーの汗に含まれるアルコール分を検出し、酒気帯び運転(呼気1リットル当たり0.15ミリグラム)相当以上の量を感知すると発進できなくする試作車を開発したと発表した。
今後、実用化に向けた検証実験を行う。検出装置に息を吹きかけるタイプの飲酒運転防止技術は、既に実用化されているが、汗からアルコールを検出する技術を開発したのは「おそらく世界で初めて」(広報・CSR部)。運転席には呼気用のセンサーを搭載、酒気帯び運転の可能性がある場合は、音声やカーナビ画面を通じて警告する。助手席や後部座席にも呼気用のセンサーがあり、飲酒しているのがドライバーか同乗者かを区別する。 時事通信 Yahoo!ニュース

これだけ交通死亡事故が発生し、社会問題化しているのに、何で今までこのような装置が無かったのだろう?という感じですよね。検出装置なぞ、今の技術をもってすれば簡単に作りだせるでしょうに。それこそ、装置を搭載する事でクルマが売れなくなってしまう事を懸念しているのでしょうか。既に市場に出回っている車両に搭載するには膨大な手間・コストならびに、既得者の理解推進に苦慮すると考えての事だったのでしょうか。

ハイパワー化の進んでいたエンジン競争を、自主規制する事でスポーツカー系統の売上が下がったケースも事実としてありますが、この前例と同様に『流れ』を変えなきゃいけない事もあろうかと思います。それこそ、走行中の車載テレビがドライバーに見えないようにする装置を、キャンセルさせる方法が実際にはあるように、こうしたアルコール検出器搭載のクルマがあっても、キャンセルさせる輩は出てくるかもしれません。でも、こうした装置が一般化する事で、飲酒運転に対する世間の認識が益々厳しいものとなり、確実にモラル向上に繋がると思います。是非、早い実用化を行なっていただきたいものですね。

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町工場をつなげてロボット開発 赤沢洋平 / ビジネス未来人 File84

■ NHK教育TV 日曜午後7:30〜7:55 出演:三神万里子 / 田中考宣

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■ 公式HPシステクアカザワPLEN次世代ロボット開発ネットワーク RooBO

 2025年には市場規模7兆円を越えると予想されるロボット産業そうした新たな産業に参入したくとも、どこから手を付けてよいのか判らない企業も多い。

■ 一企業のみで生産に至るにはこのような問題がある。
・幅広い技術 ・コスト、時間が掛かる

■ 実際にロボットに使われる要素は下記のような要素がある。
● ハードウエア
・設計 ・材料 ・加工 ・センサー ・モーター ・バッテリー

● ソフトウエア
・人工知能 ・自立制御 ・二足歩行制御 ・音声・画像認識 ・遠隔操作・他

 そこで、1社だけでなく、複数の中小企業が連携して、産業化に近づけているケースがある。それが、金属部品を加工する町工場の社長 赤澤洋平さんが主催しする次世代ロボット開発ネットワーク RooBO (通称 ローボ)だ。

■ 町工場の技術が結集して出来たロボット「PLEN」
 赤澤さんの経営する会社・システクアカザワの創業は昭和14年。旋盤(せんばん)の職人だった赤澤さんの父親が始めた鉄工所だった。大手メーカーの下請けとして、飛行機や鉄道車両などに使われる精巧な部品を手がけてきた。 平成2年。赤澤さんは47歳で、社長になった。ところがくしくもその年、会社は創業以来初めての赤字に転落した。得意先のメーカーが、値段の安い海外からの輸入に切り替えたことが原因だった。売上げは半減。会社は岐路に立たされた。

 ところが赤澤さんは、自らの会社以上に、仕事を回していた下請けの会社のことが気に掛かった。 当時、赤澤さんは10の町工場と取引をしていた。中には、十分な仕事を回せない工場も出てきていた。どこも小さな家族経営。この人たちを路頭に迷わせたくはなかった。 赤澤さんは、新しい仕事を、懸命に探して回った。大手のメーカーだけでなく、異業種交流会にも顔を出し、大学の研究室へも積極的に足を運んだ。

 そんな時、赤澤さんたちの力を必要とする人が、あらわれた。 大阪大学工学部の石黒浩(いしぐろ ひろし)教授。ロボット研究の第一人者だ。石黒さんは、大学の研究成果を実用化するためには、中小企業との連携が欠かせないと考えていた。

 石黒:「大学で作っていくような新しいロボットとか、センサーとかは、本当にどれだけのマーケットがあるか分からないわけですよね。だから、マーケットが見えない新しい技術っていうのは、中小企業からスタートする、ベンチャーから始まるというのは自然な、世界的な法則だと思うんです。」(大阪大学教授 石黒浩さん)

 当時石黒さんが研究をしていたのは、一台のカメラで全ての方向を撮影できる特殊なセンサーだ。丸いミラーによって360度の映像を映し出す、全方位センサーという技術だった。 実用化できれば、ロボットの「目」として活用出来る。しかし精密な加工をする技術と、高い製造コストが課題だった。そこで頼りにしたのが、赤澤さんたちが持つ技術と、コストを下げるノウハウだった。 全方位センサーの試作品づくり。ようやくつかんだチャンスを、なんとしても自分たちの力で成功させたい。赤澤さんはさっそく、部品の図面を手に、仲間の工場を訪ねた。

 最大の課題は、独特の曲面を持つミラーを作ることだった。 東大阪市で町工場を営む、佐原明夫(さはら あきお)さんは、赤澤さんとは30年来の付き合いがある。佐原さんは、小さな部品を100分の1ミリ単位の精度で加工する高い技術を持っている。機械のプログラムを、材料や作業に合わせて、細かく調整していく熟練の技だ。 その技を生かしてミラー製作の作業にとりかかった。加工に要した時間はわずか30分。経験とノウハウを生かしたことで工程の無駄を省いた。製造コストも、従来より大幅に安い、5万円ほどにおさめることができた。 こうしてできたセンサーは、3年前、当時最先端だったロボットに使われた。自律歩行をしながらボールを蹴るサッカーロボットVisiONだ。頭に取り付けられたセンサーで周りの状況を的確に把握することができる。ボールを認識すると近づき、狙った方向に正確に蹴り出す。 このロボットは、ロボットのワールドカップに出場。見事世界一に輝いた。

 そして自信を深めた赤澤さんは2年前、自らの手でロボットを開発することを決断する。町工場の技術を合わせれば、自前のロボットを作ることは可能だと考えたのだ。 そして完成したのがこのロボット『 PLEN 』だ。このロボットはBluetooth対応の携帯電話で操縦することも可能だという。ボディに使われている部品は、プレス工場や樹脂加工メーカーと協力して開発した。関節を動かすモーターは、専門のメーカーとともに改良を加えた。大阪を中心に10社以上の技術が盛り込まれている。 苦境に立つ町工場が力を合わせて4年。それぞれの技術を生かすことで、ついに、ロボットという新しい分野に進出することができた。

■ 次世代ロボット開発ネットワーク RooBO
 大阪のロボット産業をもっと盛りあげたい。赤澤さんが呼びかけて、結成した研究会がある。次世代ロボット開発ネットワーク、通称ローボだ。

 中小企業の強みは開発・企画段階の意思決定のスピード。少数先鋭で動く中小企業だからこそ出来る、『即決力』(その場で社長が意思決定を判断出来る)が大手企業にない強みとなる。(大手はマーケティングを行い、色々な事をしているだけで1〜2年等、あっという間に過ぎてしまう)そこで、1社だけでなく、複数の中小企業が連携して、産業化に近づけようという試みである。

 ロボット技術を持つ企業は大阪市内のみでも800社ある。そんな中、現在参加しているのは、大阪の中小企業を中心に300社。定期的に集まり、技術発表や情報交換をしている。 ロボット技術を持たない異業種も交えた研究会、ローボが始まって3年。企業同士の交流は日に日に活発になっている。

 産業用のロボット技術は持ちつつも、他の転用方法への手がかりを掴む事が出来ない企業や、警備会社・病院・屋上緑化に実績のあるバイオ企業・弁護士・等、他の分野の企業が出会うことで、ロボットの新たな用途が生まれつつある。幅の広い連携が、ロボットの市場を広げようとしている。赤沢氏曰く、「ロボットを実際に作ってみても、本当に役に立つのか直ぐには判らない。介護向けに作ったロボットなら、実際に介護の現場で実証実験を行なえる協力が必要。ネットワークを上手く使えば、作りたいロボットを作る事が出来る。」との事。

■ 次世代ロボット開発ネットワーク RooBO(ローボ)の特徴
● 町工場の技術を終結 
● 異業種との情報交換

 これらの重要性は何もロボット産業だけの話ではない。次世代産業を作る上では同様のポイントを抑えれば成功の近道となる。

 興味深い話でしたね。産業として形になるか判らないものだからこそ、先鋭の技術を持つ中小企業が協力して、モノにしていく。実際には、大変な事、思い通りに行かない事も多いでしょうが、大企業に叩かれ、切磋琢磨し、日本を支えてきた中小企業の高い技術力を終結する姿はなんだかカッコイイくらいです。それこそ製作困難と思われた曲面ミラーを30分で作ってしまうなんて!また、その切欠が、町工場の社長の熱意と、大阪大学工学部の石黒教授の出会いだったとは。

 この石黒教授の数々の研究成果も有名ですよね。ヒューマノイド型ロボットの開発において、何度もその名を目にした事があります。それこそ先日記事にした、癒し系ヒューマノイド(人間型)ロボット「CB2」の開発者でもあります。その石黒氏が、ロボットクリエイター 高橋智隆も関わったVisiONプロジェクトにも関わっていたのも知りませんでしたし、さらにこの赤沢氏を初めとする町工場の力あってのものだったと知り、2度びっくりといった感じでした。

 ちなみにシステクアカザワが販売するPLENは、26万円程の値段で、昨年1年で、世界で約100体程売れたのだとか。正直安いものではありませんし、見た目はシンプルで、ただ立っているだけではそんなに可愛くないのですが、動く姿は予想以上に滑らかで可愛らしいのです。動きは結構機敏で、寝た状態からの起き上がりはかなりスピーディです。足の裏に付けられたローラーによって、片足立ちした状態でスケートのようにバランスを取りながら滑る姿を観た時は感動ものです。しかも前進だけでなく、後進も出来、さらにスケートボードにも乗れるのです(これには驚きました。)動きのバランスを取る上での体重の軸の移動制御が抜群なのです。また、手に持ったボールを離すと同時に蹴り上げるような事もこなしてしまうのです。その技術力は流石!!といったところでした。

 また、RooBOへと繋がる行動力と団結力が凄いですよね。こうしたホビーロボットのマーケットが今後何処まで伸びるのか、正直判りません。また、実用度という点では、今の所全くないのが現実です。しかし、異業種交流によって中小企業の技術が終結して、新たな産業展開をみせようとしているのは素晴らしいですね。今は市役所のマスコットロボットとか、病院玄関での案内監視ロボットというレベルなのかもしれませんが、今後において、きっと素晴らしいモノを作ってくれるのではないかと期待が高まります。それこそ、何もロボットというキーワードに拘らずとも、新商品の開発プロジェクトが立ち上がっても可笑しく無いわけですし。でもやっぱり皆さんロボットを作りたいのでしょうけどね(^^)。

 余談ですが・・・。RooBO会員でもある株式会社マサキ・エンヴェックが、人気番組「ガイアの夜明け」(テレビ東京系列)に登場するそうです。
・放送日時/8月14日(火)22時〜 ・放送局/テレビ東京系列
 また、PLENは東京のアップルストア等でデモプレイがされたりしているそうです。
 またまた余談ですが・・・。この番組、主題歌がデビッド・ボウイの「HEROES」だなんて・・・NHKさん、やりますね!

水中ロボット 開発最前線 / サイエンスZERO 第172回

■ NHK教育TV 毎週土曜 19:00〜19:44 番組公式HP 
出演:キャスター 安めぐみ / 熊倉悟アナウンサー / 専門家ゲスト 浦環(東京大学生産技術研究所教授) / コメンテーター 手塚眞(ヴィジュアリスト)

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水の中を動く水中ロボット。いま、実に多種多様な水中ロボットが開発され、さまざまな目的で活躍し始めている。水中は人間が容易に近づけない場所。人の手では水中作業に限界があるため、人に代わって確実に調査や作業を行うというのが水中ロボットに課せられた役目だ。東京大学が開発した「Tri-Dog1」は水深100mまで潜って海底の探査を行う水中ロボットだ。
海底は障害物が多いため、それらに邪魔されることなく目的とする対象物を確実に観察することが求められる。そのため「Tri-Dog1」は、音波やレーザー光を使ったセンサーを駆使して、障害物の存在や距離を確実に見極める能力がある。このロボットは鹿児島湾の水深100mでサツマハオリムシのコロニーを詳細に観察することに成功。サツマハオリムシは海底から噴き出す硫化水素ガスをエネルギー源として利用できる生き物で、その生態を観察することで、生き物の進化の過程を解き明かすことが期待される。
大阪府立大学では、動力を全く使わずに海中を観測することができる水中ロボットを開発している。このロボットはグライダーのような形をしていて、機体の内部におもりと窒素ガスを搭載している。おもりの位置と、窒素ガスの充填量を微妙に変えるだけで、潜行も浮上もできるというしくみだ。おまけに主翼と尾翼を動かすことで直線的な動きだけでなく回転や後進も可能になった。このグライダー型ロボットを広い海に大量に投入することで、将来、ネットワークをむすんで、海中の水温、塩分濃度などを広範囲にわたって観測し、地球規模での環境調査につながることが期待されている。
さらに「波打ち際」という波と風の影響を受けやすい特殊な場所で、海岸線の地形を調査するロボットも開発されている。多種多様な水中ロボットが、それぞれの目的にあわせて機能や構造を特化し、その結果、私たちにもたらしてくれるであろう大きな可能性について迫る。

最近何かと話題のロボット技術。一言でロボットと言っても、全てが人型ばかりではありません。
『人が行く事が出来ない所で人の行なえない作業をする実用的な機械』として考えれば、人型である必要はありません。むしろ人型では無い方が効率的であるはずです。今回のサイエンスゼロが取り上げていた、『水中ロボット』は、その良い例ではないかと思います。

ちなみに、番組でも取り上げられていた、水陸両用の蛇型ロボット「ACM-R5」を開発した、東京工業大学 広瀬茂男教授が、RobotWatch のHPで 『実用を考えるなら「ロボットという拘束」から離れるべきだ』と述べています。

広瀬氏は、アミューズメント的なものも確かに商品にはなるかもしれないが、長期的な産業になるのは、あくまで実用ロボットだと考えている。そして「ロボットには過度の期待がありすぎる」と感じているという。「狼少年のように『すごいロボットがすぐできる』と言ってもう何十年。うまくやらないとロボット全体が失望をもって受け止められてしまう」と警鐘を鳴らす。
広瀬氏はこう断言する。「たとえばアイロンをかけるロボットを作るよりは、形状記憶繊維を使ってアイロンをかけなくていいシャツを作ったほうがいい。2つを比較すると、後者のほうが遙かにエレガントでしょう。後者はロボット工学ではなくて繊維工学かもしれないけれど、つまらないロボット工学をやるくらいだったら、そちらを真面目にやったほうがはるかに役に立つ」。
「自律的になんでもできるなんていうのは、明らかに学者の自己満足でしかない。地雷探査でも、安全性さえ確保されればインテリジェントだけど人が使って非常にうまく使える、という類のもののほうが喜ばれるわけです。介護機器でも、下の世話をある程度ロボット化はするのはいいでしょう。でも、老人が同じ事ばかりして、その相手をするのは疲れるからロボット化したほうが良いといった議論があるわけです。でもそういうことは人間が我慢してやったほうがいいんじゃないか」
そもそも人間がやるからこそ意味があることも多い。それを機械化しても無意味だ。人を活かす社会を実現するのが工学であり、ロボット技術であると広瀬氏はいう。
RobotWatch ロボット業界キーマンインタビュー 

広瀬博士の発言は最もな事だと思います。科学者というものは、知的好奇心の塊であり、自らの関心の対象に対し研究費を捻出する為には、ありとあらゆる手を尽くす事でしょう。実際、まだまだ開発途上と言え、これから益々注目の高まるであろうロボットの分野となれば、公的資金・企業スポンサーによる支援も獲得しやすい状況でしょう。逆に低予算しか捻出できずとも、様々なアイデアを凝らしたものも出てくる事でしょう。しかし、その研究は本当に実用に耐えるものなのか?という点は、もっと留意されるべきではないでしょうか。

まだまだ基礎研究の段階といえ、今すぐ実用に転じる事が出来ない事が多くても仕方ない場合もあるかと思います。しかし、本当に社会が求めるような実用度の高い機械の姿に程遠いように感じるものも少なくないのではないでしょうか・・・。そうした意味で、非人型の自立行動ロボットの開発という点で、今回登場したロボット達は興味深いものがあったのではないでしょうか。

しかし、グライダータイプのロボットのフィン等は、激しい海流に遭遇した場合耐えうるのか? とか、海岸線を測量するロボット等、本当に必要なものなの? 広瀬博士自身が研究している蛇型ロボットも、本当に実用に耐えうる技術と成り得るのだろうか? と、素人の私は少々疑問に感じる点も無いわけではありませんでした。

これらの研究を無闇に批判・否定するつもりはありません。実際、技術の開発と追求という点で非常に面白いと思っています。(それこそ、ご存知のように、私はロボットというものに強い関心を持っています。特に蛇型ロボットの動きは興味深いですね。)とはいえ、ロボットというキーワードにのみ固執せず、限られた予算を有効に使って有効な技術を生み出していっていただきたい。そんなふうに感じました。

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