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「未来学ルネサンス」

「未来学ルネサンス」

7月24日、日本科学未来館にてシンポジウム「未来学ルネサンス」が開催された。主催は日本未来学会と財団法人未来工学研究所。協賛は財団法人新技術振興渡辺記念会。日本未来学会の総会のほか、「ロボット化社会」をテーマにしたパネルディスカッションも行なわれた。

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■ 「未来学ルネサンス」
■ 参照元:Impress Robot Whatch

いつも拝見させていただいているImpress Robot Whatchで日本科学未来館で開催されたシンポジウムと、パネルディスカッションの記事が掲載されていました。その記事の中で特に関心を抱いた部分を抜粋させていただき、感想を述べてみたいかと。(詳細はリンク先の記事をご覧ください。ものすごく面白くてオススメです。)

パネルディスカッション「ロボット化社会 〜ロボットの人間化 vs 人間のロボット化」

● 筑波大学大学院教授 山海嘉之氏
自身が提唱する「サイバニクス」のためには、ロボットや脳科学だけではなく、生理学、心理学、方角、倫理学、感性学など幅広い学問の知識が必要になると語った。ロボットと人間が非常に近くなった技術におては、ただの技術だけを取り上げていては未来開拓はできないという。人間の外側の世界と内側の世界をつなぐ技術、人間の意志と人工物をシームレスにつなぐ技術は、倫理的な問題や法体系の整備も重要になるからだ。
ロボットはインタラクティブであり、そこがほかの技術と違って、デリケートな問題を考えざるを得ない。と述べた。今日の問題は、ほとんど全て、9割くらいの研究者が自分たちの手法をなんとか使いたいがために目的を探していることにあるという。「本当はもっと目的重視で手段を選ばない研究者であってほしい」という。そのためには、初期の研究段階からユーザーを巻き込みながら、何が必要かと考えながらやらなければならないし、複眼的視野を持つ研究体制が必要だという。

● ホンダ・リサーチ・インスティチュート・ジャパン 取締役 渡部直也氏
ロボットが完全にプログラムされた領域でしか動けないのでは人との共存は難しい。家庭で使えるものを目指すのであれば、ある程度自律的に動かないといけないが、そうなると逆に製造側の責任がどこまでなのか線引きが難しくなる。たとえば、どこまで学習させた状態でお客に引き渡すのか。また家庭から外に出るとまたさらに別の問題で大変なことになる。こういったことも、本当に世のなかに出るときは重要になるという。 なお、実用化については、ASIMO の既に21年にわたる開発経緯を見ていると「生半可ではない」とコメントした。

● 毎日新聞科学環境部記者 「理系白書」キャップ 元村有希子氏
愛・地球博(愛知万博)での実証実験について「一言でいうと違和感があった」と述べた。人と共存するというわりには、柵があってロボットのまわりに近づけないようになっていたり、受付ロボットが美人の女性の姿をしていており「なぜ女性の姿なのか」と思ったからだ。そして「鉄腕アトム」のころに人々が思い描いていた夢はまだまだ遠いということと、「ロボットを作っている人が自分自身の興味関心だけでやってるのでは」と疑問に感じたという。「よい悪いではなく、現状はこうなんだなという印象をもった」そうだ。
■ 参考:曲がり角、次世代ロボット

「まだ身近になる時期が遠いということなので安心になってきた」と冗談交じりに応え、ロボットの使われ方の問題、技術の倫理的な問題について続けた。技術そのものに善悪はなく、使う側がの問題だという話もあるが、たとえばエンハンスメント技術を使って暴力的事件があった場合、「ロボットがやったんだ、俺がやったんじゃない」となったら誰が責任をとるのか。BMI技術がはるかに進めば、「念じる」ことでロボットに誰かを殺すことも可能かもしれない。そうなった場合、どのように立証して立件するのか。
また、ロボットの軍事利用の問題については、日本においても考えないといけないと述べた。アメリカではロボット研究の多くに軍事予算がついている。研究者は技術的に純粋な気持ちでやっているかもしれないが、その技術は実際には軍事兵器に転用される可能性が少なくない。それをどう防ぐか。一番簡単のは技術開発そのものをやめることだが、それは不可能だし、やめることには元村氏自身も反対だという。ただ、具体的にどうすればいいかは難しい問題で、答えがない。「技術の悪用を防ぐためには、法律や国際政治など人文社会学的アプローチが欠かせないが、今からはじめてもギリギリかなと思っている」と述べた。
「人間とはなんだろう、生きているってなんだろう、人間と機械の境界はなんだろう。このような哲学的な命題をもう一度背負い込む時代がやってくる。これまで人文科学系はそこに入ろうとしていなかった。ここはもう一度文系がしっかりして参画するべき。理系と文系が未来を作るいい機会だ。先ほどは好奇心駆動型研究を批判したが、何か役に立つものを生むものでもあると思っている。研究者たちは『いまのロボット研究は基礎研究なんだ』と発言すべき。ロボットと応用が結びついていることが研究の隘路となっているのではないか。いろんな人が正直に情報開示することで文理融合がうまく進めばいい」


まずは、お馴染みの山海教授のコメントに対する感想から。
流石ですね。研究室に閉じこもりきりになり、自分の世界にだけ入っている研究者とは違うなあと感じさせます。この人は本気で、『ロボットが当たり前に使われる社会にするために、何が必要なのか』を真剣に考えているのだと感じさせますね。自立行動を目的とするロボットであるからこそ、今までの機械に無い使われ方をする訳ですから、製造者も、使用者にとっても様々な感性や倫理感を持ってコレと向き合う事が必要なのでしょうね。例えば、自動車が出来てから自動車事故が出来、それを扱う運転免許が出来たように、ロボットを扱う上でも、色々な法整備は必要になるのかもしれません。

また、本当に世間に受け入れられるようにする為には、社会のニーズから把握(マーケティング)して、そこから関連性をもった研究を行うべきです。今のロボット業界には、個別の研究開発の意義が後付けでつけられているように思えるものが横行しているように思うのです。それこそ、出来たロボットをして『いかに人間が優れているか判った』という解答を何度も聞くために多額の研究費を投資する事が今後も続ける事が出来るとは思えません。研究者としては個人のアイデアを優先して研究したい気持ちも判らなくはないのですが、より実用的で現実的な基礎技術があるのであれば、その技術を有効に使い目的重視で考えていく柔軟さが必要なのではないかと感じます。

H・R・I・J 取締役 渡部直也氏のコメントについて。
こちらでも自立型ロボットが、工場等の監視員の管理下にあるのではなく、「一般の社会」「一般の家庭」に普及させる場合、要求されるポテンシャルが高くなれば成るほど、リスク管理の重要性が増すであろう事が述べられています。実際に製造を行い、サービスとして提供する段階になって、初めて危険性が発覚するようではマズイ訳です。特に、専門家ではなく、一般の素人が好き勝手に使うコンシュマー商品ともなれば、それこそ「想定外の使われ方」もあるでしょう。万能型の自立型ロボットという存在は、そうした点においても、ハードルの高い分野であると再認識させられますね。

これらの現状に対する 毎日新聞科学環境部記者 元村有希子氏 のコメントが非常に印象的です。
まるで前々から私が感じてきていた事を代弁してくれているかのようです。特に業界関係者がおなざりにしている倫理の問題に関する発言は小気味良い良い程でした(笑)。

特に最後の発言が印象的です。科学者は科学のみを学んでいればいいというワケではない。文学者は哲学のみを学んでいればいいというワケではない。
その手法に違いはあれど、理想への追求、真理への追求という行為の根底にあるものはどれも同じだと思います。理系、文系などという枠を取り払い、その両方の領域をもって事にあたるべきではないかと感じます。それこそ、こうした発言が科学者ではないジャーナリストから出てきた事実を見ても判るように、研究者は研修者同士だけの狭い世界だけを見ていてはマズイのではないか。という、良い一例になっているのではないかと感じました。

それにしても興味深いパネルディスカッションです。このシンポジウムは日本科学未来館で行われているのですね。これだけの濃い内容であれば、是非とも会場で直に話しを聞いてみたい。どんな雰囲気で意見交換されているのか直に見てみたい。とも感じました。とはいえこの為に愛知から遠路はるばる東京まで行く事など、一般人の私にはなかなか出来るものではありません。思わず情報の地域格差を感じてしまいます^^:そうした意味で、このような内容の濃い記事を掲載してくれているインターネット情報媒体は大変有難い存在だと思います。

「ロボットに人間を感じる時・・・」爆笑問題のニッポンの教養 File009

■ 放送:NHK総合 2007年8月31日 出演:爆笑問題 / 石黒浩 大阪大学教授 番組公式HP

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ロボットは人にどこまで近づけるか?ロボットに心はあるのか?マンガやSF映画などでよく見られるこの空想の世界を、研究しているのが、大阪大学教授の石黒浩だ。触覚、視覚、聴覚、などの人の感覚をアンドロイドに再現する技術で世界に名を知られている。これまでに、自分の娘のロボット、自分そっくりのコピーロボットを作成。さらに今年6月には、世界一複雑な動きをするという赤ちゃんロボットを開発。皮膚もやわらかく、音や動きにも反応。また、人間の微妙なゆれなどを忠実に再現している。まるでロボットに意志があると錯覚するほどの出来栄えだ。「 ロボットはヒトを映す鏡である」という信念を持つ石黒は、ロボットを作ることで「人間とは何か?」という大きなテーマを追い続けている。最新のロボットと触れ合った爆笑問題はどう反応するのか?工学から見た人間の本質に迫る。

■ 石黒浩(知能ロボット学)
1963年生。大阪大学教授。人間型のロボット、アンドロイドの開発では世界トップレベル。その研究は、イギリス、アメリカ、イタリアなど世界中のメディアにも取り上げられ、注目を集めている。
■ 知能ロボット研究室(石黒研究室)HPImpress Robot Watch 等身大“コピーロボット”で存在感の本質を追求する関連記事 癒やしロボット開発関連記事 町工場をつなげてロボット開発

以前に番組告知でその内容を知ってから放送されるのをずっと楽しみにしていました。特徴的なロボットの数々と共にその名が知れ渡る 大阪大学教授・石黒浩氏 の登場です。期待どおり、大変に面白い内容でした。氏の経歴や、過去に開発してきた数々のロボット ワカマル・Repliee R1・Replee Q2 等については、リンク先を覗いていただくとして、2006年開発のジェミニノイドと、2007年のCB2についての話で面白かった点をピックアップしてみたいかと思います。

■ 何故ヒト型ロボットなのか
元々は絵描きになりたかった。しかしそれでは食ってはいけない。そこでコンピューターを学び、結果として視覚で物を認識する研究を行うようになった。その延長線上でロボットの道に入っていった。リアルなロボットを作ると、そうでないオモチャっぽいデザインのロボットに比べると、途端に『触りにくい』存在になる。その様子を見ているだけで、人間の姿形がどれくらい人間の心理に影響を与えているのか判る。人間は人間を認識する為の脳を持っている。今まで人間に近いロボットを作る事がどれだけ人間に影響を与えるのか、誰も研究してこなかった。だからアンドロイド(ヒューマノイド)を作って、どのくらい人間らしくあればいいのか、無くていいのかちゃんと研究しようと考えた。ちなみに、教授は、人間の脳に取って代わるような物を作るのには、まだ100年位はかかるのではないかと感じている。

■ ジェミニノイド
2006年、石黒氏は、自身のコピーロボットを作った。赤外線センサーを使用し、遠隔地にいる石黒氏の口元を再現し、石黒氏の声のしゃべった声をそのまま再生できる。また、体の動きも本人のクセを再現している。このロボットと対峙した人間は、その動き、声(これは本人のものではある)から、ロボットだと判っていても、石黒氏本人と話しているような気持ちになるという。また、石黒氏本人も、このロボットに触られる様子を見ていると、自分が触られたような感じを覚え、場合によっては触られる事への嫌悪感も感じるという。(これはミラータッチ共感覚にも通じるものがある?)
WIERD VISION 「ミラータッチ共感覚」を神経科学者が研究

石黒氏はこのロボットを通じ、初めて外から見た自分を認識した。自分では認識できていない部分(クセ等)を感じた。自分に対する他人との認識のズレは多分誰にでもあるものだろう。かえってこのズレが無ければ、変に他人を意識しすぎてしまい自分に自信が持てなくなり、思うように話す事も出来なくなるかもしれない。ある意味こうした『勝手な思い込み』に近い自信が無ければ、他人を愛する事も出来ないかもしれない。こうした事から、ロボットは人を映し出す鏡と言えるかもしれない。

■ CB2(シービースクエア)
2007年6月、生まれたばかりの赤ん坊がモゾモゾ動いている様子を再現したロボットを作った。
・目に搭載された2台のカメラは、日本人の肌色と青色を認識し、その色を自動追従するようにプログラムされている。
・シリコン素材の肌を持ち、皮膚には197個の圧力センサーが埋蔵され、触れられると反応する。
・全身51箇所の間接に圧縮空気を出し入れする事でなめらかに動く。しかし、自立的に立ったり歩いたり出来るような機能は無い。
・人工声帯を持ち、『エ゛ー』といった感じの声を出す。(これがナントもいえない奇妙な声でなのですw)

大田氏はこのロボットを見て、最初は「なんか気味悪いね」と語る。しかし、教授は人間とはそうした人間らしい物に反応するように出来ていると諭す。田中氏が研究員の人に促され、このロボットを引っ張り起こしてみる事に。すると、重さがリアルに感じられ、人間を起こすように感じたという。

大田氏も抱きあげるように、引き起こしてみる。すると、「すごい、なんか愛情がわく」と語る。太田氏は、ロボットに感じる印象ががらりと変わっていた。力ないロボットの膝が伸びようとする際、ロボットの行動(意思)を助けようと、自分(人間側)の意思が入っていく。その事に一番驚いたと言う。このロボットには感情をプログラムそしている訳ではない。にもかかわらず、我々は意思を(勝手に)感じてしまう。

■ 勝手な思い込み
これは人間が他人から感じている意思も同じだと言えるのかもしれない。人間同士も互いが何を考えているのは、本当の所は判らないのだから。俳優の演技もカタチだけなのかもしれない。浄瑠璃人形の演技も見ている側が勝手に擬人化していると言える。

石黒氏は研究室に来る人に、よく言う台詞があるという。「僕の頭にコンピューターが入っていないって確認しましたか?」また、こう付け加えた。「人間って、微妙なバランスの上で成り立っている。だから色々な所で色々な社会が作れる。例えばネットの上でも向こうの人の顔は見えないのに、勝手にイメージを作り上げてその人と会話している。」妄想と現実の狭間に人は生きていると言えるのかもしれない。

■ 「アートとテクノロジーは一緒なんです」
外国では、博士号は『Ph.D.』(Philosophiae Doctor)と言われる。研究というものには工学・科学・医学・とかの境界は無い。今までのロボット工学は、「動かすだけで精一杯」だった。人間に近いロボットを作る事で、もっともっと色々な方面で研究を進める事が出来る。「アートとテクノロジーは一緒なんです」ダビンチの時代は境界は無かった。テクノロジーはそうした所から出てくるものだと思う。
と、石黒氏は語る。爆笑問題の2人は、「ロボットはそうしたモノの象徴に成り得る」と評していた。

■ 感想
最初はロボットCB2を気味悪がっていた大田氏が、愛情を感じると語った事に驚きました。私自身も、このロボットのニュースを知った時、どこか気味が悪いというか、可愛げが無いデザインだと思っていました。ところが番組を観るうちに、愛情とまではいきませんが、どこか面白いと感じるようになっていました。それこそ、以前このロボットのニュースをブログで取り上げた際は、ニュースのタイトルに「癒し」とかかれていて、いぶかしがっていた程です。(あれはニュースのタイトルが問題でしたね)しかしネット上でこのロボットの動画を観たり、今回の放送もあって、私もこのロボットに対する許容範囲が随分と大きくなったようです。

また、話に登場する「勝手な思い込み」に関する事実は興味深いですよね。言葉が通じ合える相手といえど、本当の心の内は誰にもわからない。もしかすると互いの意識に微妙なズレがあるかもしれない。しかし、人間は相手を信じるという感情移入の能力があるからこそ、互いを信じあえるといえる。その能力が無意識に働いて、相手の真意が判らずとも、自分の都合の良いように(もしくは悪いように)に情報を補完し、勝手に解釈してしまう。ロボットの側から発せられる情報には何ら変わりが無いのに、受けてである人間の方が勝手に変わってゆく。そしてこれは人間同士の普段の行動にも当てはまる。この事実には色々考えさせられました。

ちなみに、今までヒューマノイドロボットを作る事で人間がよく判ると言う台詞をよく耳にしてきました。私は、確かにそうであろうという思いと共に、研究費を捻出する為の詭弁にも似たものがあるようにも感じていました。しかし、今回の放送を見て、改めて「ロボットは人間の鏡である」と感じる部分が多々あり、一部の認識を改める必要を感じました。

また、「アートとテクノロジーは一緒なんです」と言う台詞は凄く共感しました。他の研究者ではなく、石黒氏の発言だからこそ、余計に響くものがありますね。その手法に違いはあれど、理想への追求、真理への追求という行為の根底にあるものはどれも同じだと、私も強く思います。

火薬・液体燃料使わないロケット、打ち上げ実験成功

2007年8月4日 NIKKEI NET

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火薬や液体燃料を使わない低コスト小型ロケット「CAMUI(カムイ)」の打ち上げ実験が4日、北海道大樹町であり、ロケットは高度3.5キロメートルに到達した。北海道大学が中心となったチームが開発し、昨年12月に高度1キロメートルの打ち上げに成功している。今回は機体を大きくし、より上空への打ち上げを計画していた。午前7時半すぎ、ロケットは轟音(ごうおん)を残して雲が覆う雨空を突き抜けると、約100人の観衆から拍手が起こった。北海道赤平市から家族で訪れた小学校4年生の中村優介君(10)は「すごかった。もっと近くで見たかった」と話していた。実験は北海道発の宇宙ビジネスを目指す特定非営利活動法人(NPO法人)、北海道宇宙科学技術創成センター(HASTIC、札幌市)が実施。今回初めて、地上からの制御で機体を分離したり、画像や位置情報などのデータを地上で受信することにも成功した。

■ ソース株式会社カムイスペースワークス株式会社植松電気ビジネス未来人 北の町工場 宇宙を目指す 植松努北海道宇宙科学技術創成センターCAMUI(カムイ)型ハイブリッドロケットの開発大学編 サバイバル<51>環境と協力、強い援軍に YOMIURI ONLINE

CAMUIロケットは固体の燃料と液体の酸化剤を使用するハイブリッドロケットだ。燃料となるのはプラスチック(ポリエチレン)で、固体ロケットのような火薬は使わない。これにより、燃料コストが1/200以下(これは、1億円が50万円ですむレベルと考えれば分かりやすい)になるほか、火薬のような管理コストも不要で、大幅なコストダウンが可能となる。

永田晴紀・北海道大学大学院助教授「世界の液体大型ロケットでの打ち上げ単価は1kgあたり100万円。かといって、10kgの衛星を1,000万円で上げてくれるロケットはない」と同氏。

「相乗り」という手もあるにはあるが、それではメイン衛星の都合で様々な制約がかかってきてしまう。液体ロケットは小型化が難しかったが、そのコスト性能比を小型ロケットで実現するのが、このCAMUIロケットというわけだ。400kgf級は到達高度60km程度で、用途も気象観測などに限られるが、将来的には3段式で10kgの衛星投入が可能なクラスも視野に入れている。

■ ソース北海道、宇宙へ挑戦中 - CAMUIロケットの燃焼実験を見てきました マイコミジャーナル 2006/01/10

以前から何かと話題に取り上げられていたCAMUIの打ち上げ実験がまたまた成功したようですね。このロケットは固体燃料としてプラスチック(ポリエチレン)と液体の酸化剤を使用するハイブリッドロケットであるとの事。こうしたロケットの研究開発は、国が主体であるJAXA (宇宙航空研究開発機構)と大企業が合同で行なうものといったイメージが一般的ではないでしょうか。そんな中、北海道の町工場が切磋琢磨して技術を磨き、プラスチックを燃料として飛ぶロケットを作り上げてしまった事に驚きと感動を覚えます。(って言うか、プラスチックがロケットの燃料として使えるという事にも驚きですよね)

このロケットを製造する株式会社カムイスペースワークスを指揮する植松努氏。子供のころから飛行機が好きだった植松氏は、大学で流体力学を学び、就職した三菱重工で飛行機やロケットの表面を流れる空気の様子の分析や画像化に携わっていたとの事。しかし、父・清さんがたった一人で四苦八苦していた町工場に戻ることにしたそうです。家業の株式会社植松電気を継ぐため北海道に戻ったのは1994年。当時は、電磁石の設計や製造が主な仕事だったとの事。事業に余裕が出てきたころ、畑の農薬散布に使うヘリコプターの維持管理コストが高いとの悩みを聞き、得意の知識や技術を生かして新しい散布方法開発を始めたそうです。そのアドバイスを請おうと、北海道宇宙科学技術創成センターを訪れたのが、永田氏と出会うきっかけとなり、こうしたロケットの実現に動き出したのだそうです。

とは言え、このロケットのエンジンの開発は一筋縄では行かなかったそうで、エンジンの噴射テストでは何十回も失敗したのだとか。しかし、「諦めたら成功しない」と努力を重ねたそうです。ちなみにエンジン開発の成功の足がかりとなったのは、燃焼室と液体酸素の設計上の配置を換えた事にあるようです。最初は液体燃料のタンクを、燃焼室を取り囲むように配置していたとの事。しかし液体燃料は-180℃。これでは燃焼室が冷えすぎてしまい、上手く行かなかった。そこで、液体酸素の配置を燃焼室の上に配置換えをし、上手くいくようになったそうです。

大阪の「まいど1号」衛星といい、先日取り上げたPLENのハナシといい、情熱ある中小企業が夢を追う姿は、観ているこちらも熱くさせますね。皆さんには、これからも頑張っていただきたいものです。

追伸)現在、ロケットの製造を行なっているのは、植松努氏が2006年12月に新たに立ち上げた株式会社カムイスペースワークスである事が判り、一部表記を修正しました。

高感度地震計で地下を探れ / サイエンスZERO 第175回

■ NHK教育TV 毎週土曜 19:00〜19:44  再放送 毎週火曜24:00〜24:44'''
■ 出演:キャスター 安めぐみ / 熊倉悟アナウンサー / 専門家ゲスト 小原一成(防災科学技術研究所)/ コメンテーター 佐倉統(東京大学教授)

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■ 番組公式HP

地震大国日本。先日も新潟県中越沖地震という非常に大きな地震が発生し、多くの被害をもたらしました。非常にタイムリーな話題が、このサイエンスゼロでも取り上げられていました。

● 高感度地震計
人が感じない小さな揺れを捉える地震計。長さ2.5mの金属製の筒に収められている。とても敏感でクルマの振動や、工場の雑音すら拾ってしまう。その為、静かな場所に100m以上の井戸を掘り設置している。

● Hi-net(ハイネット)
高感度地震観測網 (HI-NET)は、防災科学技術研究所が運営している観測システム。阪神・淡路大震災以降、全国800箇所(ほぼ20km毎)に高感度地震計が設置されている。高感度地震計を高い密度で設置する事で、小さな余震の震源も複数の地点で観測が可能となり、その波形を詳しく調べる事で、震源までの距離を高い精度で推定できる。それらはネットワークで連携され、24時間リアルタイムでデータが収集されており、通称ハイネットと呼ばれている。これだけの地震観測ネットワークがあるのは世界でも日本だけ。このシステムは1995年(平成7年)から可動し、特にこの5〜6年に蓄積されたデータにより、日本の地下で何が起きているのか判ってくるようになったという。ちなみに過去3年間でマグニチュード2以上の地震は、日本でおよそ3万件にも登るという。震源は日本に沈み込む太平洋プレートにそってして発生している。震源分布図を正確に見る事で、地下の様子を知る事が出来る。ハイネットのデータはインターネットで一般にも公開され、多くの研究に用いられている。

■ 検証 中越沖地震
先の中越沖地震もこのハイネットで計測されていた。本振は断層のひずみを一気に解消する為に起きる。
しかし、溜まったエネルギーのひずみは一度では解消しきれない。そのため、断層に残ったひずみを少しずつ解消するのが余震である。複数発生する余震の位置を事細かに調べる事で、地震の発生の原因となった断層面と推定する事が出来る。断層を特定する事で、以降発生しうる余震等の推測に役立つという。

● 緊急地震速報
このハイネットの技術は去年8月以降、一部で提供が初まっている緊急地震速報のシステムにも使われている。地震が起きると、小さな揺れのP波がやってくる。その後、揺れの大きなS波がやってくる。そこで、ハイネットでP波を捉えた後、気象庁へデータを送られ、瞬時に揺れが予想される地域に地震警戒速報が送られるという仕組みである。

今回の中越沖地震でも、このシステムは運用された。新潟市では揺れの10秒前に。飯綱町では揺れの20秒前に速報が届いたという。実際にこのシステムを試験的に導入できていた家庭の主婦によると、たとえ3秒前であってもこうした速報が届く事には大きな価値があると感じたという。震源地に近ければ、速報が間に合わないケースもあり、万能とは言えないが、長野県松本市のビルの建設現場では、機械を停止したり、関東地区の一部の私鉄では一時停止する等の措置も出来た。NHKでは10月からTVやラジオでも運用を開始するという。地震波

■ 謎の微動に迫る
防災科学技術研究所 小原一成 センター長
ここでは全国800箇所の高感度地震計からの観測データが24時間集められている。高感度地震計はわずかな震動が長時間続く「深部低周波微動」を初めて捉えることに成功している。

● 深部低周波微動
周期は0.5秒 振幅は1/1万分の1mm これが5分間以上続く。一般的な地震におけるP波やS波といった大きな振幅が存在しない。小原氏は5年分のハイネットのデータを解析。四国西部から紀伊半島を通り、愛知県東部までの間、帯状に分布し、5年間で数千箇所で起きている事を発見した。東海・東南海・南海地震の想定地域の直ぐ北側・深さ35km付近に分布していた。また、微動は一度発生すると、一日に5〜10Kmの速さで移動する。この深部低周波微動は、引き込まれたプレートがゆっくり戻る(ゆっくりすべり)時にできる亀裂が原因で発生すると考えられている。そうやらこの深部低周波微動は半年に1度、定期的に発生している模様で、大地震に直接結びつくようなものではないと考えられている。しかし同じプレート上で隣り合った存在とも言える為、解明が進めば、その予測につながることも期待されている。また、北アメリカ大陸の西海岸でもこうした微動は発見されており、世界の他の地域の微動と比べる事で、より詳細が判るようになるかもしれない。

● 世界への貢献
気象庁精密地震観測室(長野) 石川有三 室長
ここでは、第2次大戦の末期作られた、巨大な地下豪(長さ2.6km)がある。その後、周りに何もない地域である事から、気象庁が地震観測の施設として利用している。日本から遠く離れた場所で発生した場合、日本に届く頃には微細な揺れとなる。ここでは高感度の地震計が多数設置され、そうした世界各国の地震を捕らえている。地震の種類には速い揺れ、ゆっくりとした揺れなど、様々な種類があり、それに適した観測装置が設置されている。最も高感度なものは、ナノメートル(原子の大きさ)の揺れも観測できるという。7/7にサモアで発生した1万分の4mmという人間には感じる事の出来ない地震も観測したのだという。観測したデータを分析し、津波の発生等、世界中の危険発生地域に対し、防災情報を提供しているという。また、その性能を使い、世界中の地下核実験の監視等も行なっているという。

■ 地下の変化を予知にいかせ
日本原子力研究開発機構 東濃地科学センター(岐阜県 土岐市)

● アクロス(回転震源装置)
地下の様子を調べるために、人工的に振動を発生させる装置。アクロスからは毎日同じ強さの振動が周囲に送り出されている。人工的に微弱な震動を地下に送り、その反射波を周囲100kmに配置されたハイネット(高感度地震計)で調べることで、地下で起きている細かな変化を捉えよいう試み。現状では、地下水の分布の変化らしいもの(比較的浅い深度)を捉える事に成功している。今後、土岐市のみならず、静岡県西部・愛知県東南部でも同様の装置を設置・同時に送信し、東海地震の予測に役立てれないかと考えている。ちなみにこの振動は普通のノイズよりも小さな微細なものなので、他の地震観測に悪影響を及ぼすような心配は無いという。

● 地球内部を探る
東京大学地震研究所 川勝均 教授
海外で起きた地震波を探り、地球内部の様子をこれまでに無い高い精度で探ろうとしている。日本から3,000km以上離れた所で起きた、450個の地震のデータ。日本の直ぐ近くで起きた地震の波は、地球の浅い所を通って伝わってくる。一方、遠くで起きた地震の波は、深い所を通って伝わってくる。
全国のハイネットで捉えた、こうした遠方の地震の波を細かく分析する事で、地下深くの構造を探ろうとするもの。結果、10万個に及ぶ膨大なデータを観測する事で、日本列島の地下の様子を詳細に解明する事に成功した。日本の下に沈み込む太平洋プレートの境目の様子や、地下100Km付近でマグマを形成する水の動きもわかりつつある。太平洋プレートと共に沈み込んだ水を含む柔らかい部分が、地下100kmでは高圧にさらされ、水分が搾り出される。搾り出された水分は上昇し、高熱の岩石と触れ、マグマとなり、火山活動に繋がるのではないかという事だ。


これだけの対地震ネットワークが出来ている事に関心しました。これだけの設備が尚進化し、日本のみならず、世界の役に立とうとしている様子は大変素晴らしい事だと思います。なんだかマンモグラフィーみたいですね。(あれほど、鮮明なビジュアルではありませんが。あ、魚群探知機の方がもっとイメージに近いかも)

しかし、これだけの設備が整いつつあるとはいえ、万能ではないのが現状であるようです。
それこそ、どれだけ地震予測が立とうとも、それを応用したり、具体的な対策を全ての立場において正しく行なわなければ意味を成さない場合もあります。(緊急地震速報を危険予想エリアへ伝えるまでのタイムラグや、緊急対応時のパニックや2次災害対策に様々な問題が懸念される)

また、先の新潟中越沖地震においては、原子力発電所における想定以上の地震を体験したのみならず、地震発生後の危機管理における様々な対策不足も露呈しました。それこそ、マンションやホテルの耐震設計偽造問題等の非常識極まりない事件もありましたよね。

高いリスクを抱えつつ運用している原子力はもちろんの事、全ての国民が地震源の真上に住んでいるのだと改めて考え直すべき時なのかもしれませんね。


追伸)
ちなみに世界初の高度な地震計は日本に訪れた外国の学者ユーイング・グレイが地震の多い日本に驚き開発したのだとか。また、世界初の地震学会も日本で設立したのだそうです。それこそ、地震の多い日本では、一般住宅における耐震免震制震等の技術も最近耳にしますよね。そういえば「地震の揺れの住宅一戸あたりのエネルギーをカロリーに換算すると・・・25Kcal・・・」というCMに毛利衛氏が出演されているのにはちょっと驚きました。

解明進む痛みの科学 / サイエンスZERO 第174回

■ NHK教育TV 毎週土曜 19:00〜19:44 番組公式HP
出演:キャスター 安めぐみ / 熊倉悟アナウンサー / 専門家ゲスト 花岡一雄(JR東京総合病院院長・日本ペインクリニック学会代表) / コメンテーター 黒崎政男(東京女子大学教授)

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病気が治っても痛みだけが残る「慢性痛」がいま大きな問題となっている。アメリカでは2001年から2010年を「痛みの10年」として、国をあげて痛みに関する大規模な研究を進めている。痛み後進国と言われた日本でも、痛みを科学的に解明しようという試みが行われている。

他人と共有できない痛み。他者とは何か、自分とは何かという問題とからみ、アリストテレスから、デカルト、そして現代に至るまで哲学の大きなテーマでもあるそうです。それこそ、痛みを感じている部位から、神経を通じて、脳へ伝わってるという事を唱えたのはデカルトなのだとか。アメリカでは慢性的な痛みによる経済的損失が、8兆円もあると言う。思いの他、重大な問題でもある痛みを化学する。と、いった内容でした。

■ 体験!痛み測定
● 痛み測定器
JR東京総合病院医院長 日本ペインクリニック学界会長 花岡一雄 氏 
他人では判りにくい痛みを客観的な数値に置き換える事の出来る『痛み測定器』を開発した。
1)腕に電極を取り付ける
2)反対の手の指と指の水かきに当たる部分に洗濯バサミを挟み込む。
3)電極に電力を流し、電極の痛みが洗濯バサミの傷みと同じ位の時にボタンを押すと、電極の値が図れる=洗濯バサミで感じていた痛みが判る。

と、いうもの。ちょこっとローテクっぽいなァと思いつつも、個人の主観的な痛みを、他人にも判る値として表示する方法として面白いなあと思いました。

● 鎮痛剤の種類
その病院だけでも100種類位あるという。痛みに応じて使い分ける。
1)消炎鎮痛薬 
貼り薬・飲み薬・座薬・等があり、痛い部分に直接作用する。仮に指が痛いとする。痛みは『指の痛い部分→腕の神経→脊椎→脳』と伝わる。その際、指の痛い部分において、神経に痛み物質が伝わらないよう、発生元で作用する。

2)極所麻酔薬
先の例でいうと、腕の神経の部分で痛み物質が伝わらないように作用する。手術の際も用いられる。

3)麻薬モルヒネ
主に脳で働く。強い痛み止めの効果があると共に、間違って処方すると、依存症や中毒の危険がある。抹消神経から伝わってきた痛みの信号が、中枢神経に伝わる際、痛みの信号を抑える受容体にモルヒネがはまり、抹消神経からの信号が伝わりにくくなるように作用する。

● クオリティ オブ ライフ (QOL 生活の質)
痛みによって生活の支障の起きている患者さんに対し、その痛みを軽減する事によって生活の質を上げていこうとする考えが、広まってきているという。

■ 脳との不思議な関係
● 慢性通
腕を失ってしまったのにも関わらず、その腕が痛む。痛みと伴う皮膚病が治ったにもかかわらず、今だに皮膚に痛みが走る。こうした事は、強い痛みを受けた事で、脳や神経の信号伝達回路に通常でない信号回路が生まれてしまい、全く関係の無い信号で誤反応をしめしているのだという。

● 慢性通の種類
・慢性的な腰痛
・手術後の痛み
・脳卒中後の痛み
・帯状疱疹後の神経痛

実際、触る際に感じる感覚神経と、痛みを感じる神経は別のもので、信号の伝達ラインも違うのだが、それが途中で物理的に接触してしまい、触っているだけなのに、痛いと感じるラインに信号が流れてしまうケースもあるとの事。脳の中で誤作動してしまうケースはあるのだろうなァと思っていたのですが、神経が物理的に誤接続してしまうケースがあるのは少々驚きました。それにしても人間の体が電気信号でやりとりしているものとはいえ、そんな誤作動をしなくても・・・と、思ってしまいました。^^; それこそ、そんな病に陥ってしまった方が気の毒ですね。

● 幻視痛 と、それに対応するリハビリ
重大事故により腕を失ってしまったのにも関わらず、その腕がずっと痛いと感じる幻視通。これは怪我をした際の痛みが強烈に脳に刻み込まれてしまった為に起きてしまうものだとか。(仮に腕を失ってしまった人でも、手術の際、麻酔等の処置を十分に行い、脳に痛みの信号が行かないように施したケースでは、あまり幻視痛になるケースは無いらしい))そんな症状を緩和するべく行なわれている一風変わったリハビリがある。

大阪大学医学部付属病院疼痛医療センター 麻酔科医師 住谷昌彦 氏
住谷氏が患者さんに行なうリハビリは下記のようなもの。
1)体の中心に大きな鏡を置き、正常な腕を映し出しながら、鏡に映った腕を見詰める。
2)その際、鏡に映った腕(失った腕)が実在し、その腕を動かしているイメージを持つ。
こうする事で、失った腕に関わる運動野を刺激し、脳の痛みを緩和する(脳の信号の混乱を取り除こうとしている?)という方法。

実際には存在せずとも、見えているという事で実在するのではないかと誤認識する能力を逆手にとった方法のようです。万人に効果があるワケではないようですが、6割くらいのケースで効果が見られるのだとか。それにしてもどこかユニークな方法ですよね。またこの実験でも示しているように、痛みを感じているはずの感覚野ではなく、運動野を刺激した方が痛みを緩和できるというのも面白いですね。サッカー選手が足の骨が折れてるのに、試合後まで気付かずに走り続ける事が出来る事ともどこか遠からず関連があるのかな?とも思いました。(まあ、あれは興奮してアドレナリンが出ていいるから・・・という事かもしれませんが)WIERD VISION 「ミラータッチ共感覚」を神経科学者が研究

● 慢性痛に対する新しい治療方
大阪大学大学院医学系研究科 脳神経外科 齋藤洋一准教授
運動野を刺激する事で慢性痛の緩和が起きる事に注目し、頭の外から痛みを感じる部位の運動野めがけて、10分間インターバルを挟みながら磁場を当てる治療を行なっている。刺激を与える事で、脳の運動野が活性化し痛みが軽減出来るという。効果は人によって様々。1週間くらい軽減が続く人も。(現在の状況では完治するワケでは無い)

● 火傷治療の際にはバーチャルリアリティ?
アメリカ、ワシントン大学 H.G.ホフマン博士
痛みを伴う火傷治療の際、患者にバーチャルリアリティの画像を見れるゴーグルを被せ、雪景色等を見せる事を試みている。これを使う事で、脳に痛みが刻み込まれないように試みているとの事。痛みの信号は、脳の情動を司る部分にも伝わっているのも事実であり、実際に効果があるとの事。

面白いですね。所謂『気を紛らす』という事が実際に効果があるのだとは。それこそ『情動』という脳の働きそのものも大いに気になる所ですね。

● バイタルサイン(体の状態を表す信号)
以前は痛みは人の体の状態を表す大切な信号『バイタル・サイン』の一つと捕らえられてきた。しかし、医療技術・診断技術が進み、痛みを消しても正しい診断・治療が行なう事が出来るようになった。逆に患者に余分な不安や痛みを与えぬよう、早く痛みを取り除こうという考えが医療界にも広まってきている。

● ペインクリニック
既に痛みに悩んでいる人には、痛み専門の診療を行なうペインクリニックに通う事も選択肢の一つといえる時代となってきた。

● ホットコールドコイル
※ ちなみに、健康な人間でも、必ずしも正しい感覚を常に感じている訳ではないそうです。
実験として、温かい管と冷たい管を交互に巻いたチューブを手の平で触ると、多くの人は『痛い』と感じるとの事。(通常では有り得ない感覚を感じた為、感覚が混乱した?もしくは、異常な間隔と解釈してリスク回避する為に、避ける際に最も優先するであろう『痛い』という信号に脳が切り替えた?)この実験を行なえる装置『ホットコールドコイル』が、都内港区の科学館にあるそうです。Sony Explora Scienceにあるようですね。SONYがこのような科学館を設けていたとは知りませんでした。是非触ってみたいものですね。

■ がんの痛みを抑えろ
従来、モルヒネ等の強い鎮痛薬は、日本ではそのリスクを懸念して、アメリカやカナダ等の国に比べて、非常に少ない量しか使われてこなかった。(アメリカの1/6以下)しかし、最新の研究によると、大きな痛みを感じている場合は、モルヒネを投与しても依存症や中毒になりにくいとの事が判ってきた。

● 星薬科大学 薬品毒性学教室 鈴木勉教授 成田年准教授
足に炎症を起こし、痛みの在るラットと、健康なラットにそれぞれモルヒネを投与した。健康なラットに投与すると、脳内のドーパミンの量が普段に2倍に増えていた。→モルヒネ中毒が起こる。痛みのあるラットに投与すると、ドーパミンの量は通常値に比べてそれ程増える事は無かった。→中毒の心配が殆ど無い。

健康な状態でモルヒネが投与されると、脳の中のドーパミン神経が活性化してしまう。しかし、痛みがると、痛みによって出る物質によって、ドーパミンの抑制受容体が塞がれ、ドーパミンの発生が抑えられるかららしい。

非常に興味深い話ですよね。痛みがある場合、それを緩和しようと、興奮物質であるドーパミンがかえって発生しやすいのかと思ったら、痛みの物質によって抑えられていたのだとは。まるで体(脳)がモルヒネを積極的に受け入れる体制が出来ているようにすら見えるほど。健康体の人間が快感を求め、使用するのは言語道断ですが、この話が本当ならば、患者の精神的苦痛を取り除くうえでも、その使用制限を緩和していくべきではないかと思いました。実際、積極的に抗がん剤治療薬と共に、モルヒネを投与する治療によって効果が上がっているケースもあるそうです。

今回のサイエンスゼロ、派手さは無いものの、脳に関わる意外な発見もあって、なかなか興味深い内容でした。日本人は痛みを我慢するのが美徳として捉えがちな国民性があるかと思いますが、正しい認識のもと、効果的に薬を用いてクオリティ・オブ・ライフの質を上げていきたいものですね。 
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