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General Chemistryより,スズを追加。
…やや違う点があるかもしれませんし、重複してしまう部分もありますが。
まずは単体の製法と精製法など。
SnO2を炭素で還元すればたやすく単体は得られる。 が、冶金する場合、還元する前に酸化物を精製するのはこの上なく難しいとの事。 一応、精製の方法は以下の通り。 まずよく砕いて花崗岩など他の鉱物を除く。 目的の鉱石を集めて繰り返し焙焼し、水で洗って、As,Fe,Cuの硫化物を除く。 精製したスズ石を、反射炉中で無煙炭と熱する。 ここでスズが、いくらかの鉄とヒ素とともに還元されてできてくる。 これらは少量のスズとともに金属スズより融点が高い化合物を生じるとか。 であるから、できた金属棒をスズの融点よりごくわずか上の温度に熱すると、スズが流れ出し… その結果として、ヒ化鉄と分離できると。
…このような工程をliquationと呼んだらしい。 性質などを少し。
スズの金属板を陽極にしてNaOH水溶液を電気分解した場合は…
Snはスズ酸ナトリウムとなって溶け、陰極に付着してくると。
金属板を塩素にさらした時は鉄の場合よりさらにたやすく反応する。 水酸化スズ(Ⅱ)はスズ(Ⅳ)酸塩より、塩基性であり、より加水分解されにくい。 しかしどちらの水酸化物も塩基と酸の両方に溶けるので、どちらも弱塩基だと。 炭酸塩をつくるほどの強い塩基性の性質は示さない。 諸々の性質を。
スズ(Ⅱ)塩はよい還元剤で、たやすくスズ(Ⅳ)化合物に変わる。
金属単体は常温において空気中や水中において変化しないが、さらに高い温度ではたやすく酸化される。
塩酸にはたやすく溶けてSnCl2を生じ、熱濃硫酸に溶かせばSnSO4とSO2を発生する。 冷希硝酸はゆっくりと作用してSn(NO3)2とNH4NO3を生じる。 濃硝酸はたやすく作用するが、不溶性のスズ酸を生じる。 「Sn + 4HNO3 = H2SnO3 + 4NO2 + H2O」 Na,Kの水酸化物に溶けて水素とK2SnO3のようなスズ酸塩を生じる。 ここから、それぞれの化合物の話を。
二価の酸化物と水酸化物。
SnOは黒色粉末で、空気中においては可燃性がある(燃焼すればSnO2に)。 SnC2O4,シュウ酸スズ(Ⅱ)を熱すると酸素や一酸化炭素や二酸化炭素が出てこれが得られる。 …いつも思うのだけれど、(COO)2Snなどでは駄目なんだろうか。HOOCH3Cとは書かないのはいいとして...塩は...
対応する水酸化物は塩化物の溶液に水酸化ナトリウムか炭酸ナトリウムを加えれば沈殿させることができる。 白いゼラチン状の沈殿として得られ、可溶性だと。 どちらも酸性では強い塩基として振る舞い、Na2SnO2のようなスズ酸塩を生じる。 これの溶液は強い還元剤であり、多くの金属の化合物を単体にするほどであると。 放置した場合は酸化されて、スズ(Ⅳ)酸ナトリウムを生じる。 「2Na2SnO2 + H2O = Sn + Na2SnO3 + 2NaOH」 二価の塩化物。
SnCl2・2H2Oは最も重要なスズ(Ⅱ)塩らしい。 塩酸にスズを溶かせばできる。 他の塩のように加水分解するので、塩基性塩Sn(OH)Clの生成を防ぐために過剰の酸が必要らしい。 媒染染料としても利用されたと。 加水分解によって水酸化物ができるのを利用するらしく、水酸化アルミニウムも同じような位置づけだとか。 還元剤としてももちろん。 Hgなどのイオン化傾向がある程度小さい金属を単体にしたり、鉄(Ⅲ)塩を鉄(Ⅱ)塩に還元したりできる。 空気中の酸素で酸化されるので、いくらかの金属スズを塩化スズ(Ⅱ)の溶液に入れておく必要があると。 スズ(Ⅱ)化合物の硫酸塩や硝酸塩は、塩化物よりさらに不安定なので実用面ではさほど重要でない、とある。
二価の硫化物。
SnSは分析においては重要だと。 黒茶色の沈殿として、スズ(Ⅱ)塩の少々酸性にした溶液に硫化水素を通じたときに得られる。 これは濃塩酸にとけ、薄めると再び沈殿する。 多硫化アルカリを含まない場合は、硫化アルカリには溶けない。 含む場合は、まず硫化スズ(Ⅳ)への酸化が起こり、Na2SnS3のようなチオスズ酸塩を生じて溶けるとか。 可溶性の硫黄を含む塩を作る性質はSn,Au,As,Sbと関わりがあるらしく、すぐに見えてくるとか。 …上の元素は可溶性のそのような塩をつくるとか…どうなんだろうか(同書413P)。 四価の酸化物と水酸化物。
SnO2は既に述べたように自然に産出する。 純粋な時は白色であるが普通は他のものが混じっているのでそうはならない。 メタスズ酸を水で分解すると得られる。 低温でつくったものは酸にたやすく溶けるが、強熱したものは酸に溶けにくくなる。 二種の水酸化物が知られていて、どちらも酸のように振舞い、乾かせば二酸化物になる。 一つはα,もうひとつはβと呼ばれていたらしい。 αのほうは、SnCl4の溶液からアンモニアで沈殿させるか、αスズ酸(Ⅳ)塩を注意深く酸で分解して得ると。 ゼラチン状沈殿として得られ、わずかに酸性の反応を示すとか。 これは、たやすく希薄な鉱酸やNa,Kの水酸化物にとけ、Na2SnO3・3H2Oなどのαスズ酸(Ⅳ)塩を生じると。
Na塩は更紗染めに使われたらしく、『preparing salt』と呼ばれたらしい。 …まあいいか。 綿を防水仕様にするためにも使われたとか。 まずNa塩の溶液に浸してから乾かし、次に硫化アンモニウム水溶液に。 アンモニアが弱塩基として振る舞い、スズ酸が加水分解して、生地にスズ酸が沈殿として残ると。 βもしくはメタスズ(Ⅳ)酸はスズに濃硝酸を作用させてつくる。 αと違い全く硝酸に溶けず、硫酸にも膨張するだけで溶けず… 塩酸を作用させてできる化合物は塩酸に溶けない(しかし塩酸を除くと溶ける)。
であるので、この溶液を煮沸しても、塩化スズ(Ⅳ)のようなものは生成せず、ゼラチン状になる…のだろうか。 NaOHをβスズ(Ⅳ)酸に溶かすと、Na2Sn5O11という塩をつくるらしい。 これを酸性に傾けると、βスズ(Ⅳ)酸が沈殿してくる。
βスズ(Ⅳ)酸を水酸化ナトリウムと融解すれば、αスズ(Ⅳ)酸塩ができる。 長い間αスズ(Ⅳ)酸の水溶液を塩酸あるいは臭化水素酸と一緒にしておくと… 徐々にβスズ(Ⅳ)酸が沈殿してくるらしい。
四価の塩化物。
SnCl4は塩素をSnCl2に作用させるか、金属に作用させればできる。 金属スズの板片を塩素で処理すると、これの塩で覆われてくると。 色なしの液体で、これによれば沸点は114℃。 空気と触れているときには発煙する。 水と数々の(いくつかの)水和物をつくる。 SnCl4・5H2Oは染色において『oxymuriate of tin』という名で染色剤として用いられていたとか。 ※Wiktionaryによれば、oxymuriateは塩素酸塩の廃れた用法らしい。…まあいいか。 またこれは塩化水素と、塩化スズ(Ⅳ)酸 H2SnCl6 をつくるそうで、これのいくつかの塩が知られていると。 (NH4)2SnCl6は「桃色塩」と呼ばれていたらしい。 ※「pink salt」。まあいいや。 色が桃色だからなのではなくて、染色に使った場合に出る色がそれだから、だそうです。 塩化スズ(Ⅳ)の水溶液はとてもゆっくりと加水分解し、コロイド状の水酸化スズ(Ⅳ)が残る。 これは普通、徐々にβスズ(Ⅳ)酸に変わるらしい。 四価の硫化物。
黄色い無定形のものとして、硫化水素をやや酸性に傾けたスズ(Ⅳ)酸の水溶液に通じれば。 濃塩酸に可溶であり、薄めれば再び沈殿する。 またこれは硫化アンモニウムや硫化アルカリと可溶性のチオスズ(Ⅳ)酸塩を生じる。 「SnS2 + (NH4)2S = (NH4)2SnS3」 希薄な酸によって酸性に傾けるとチオスズ(Ⅳ)酸ができ、一度に硫化スズ(Ⅳ)と硫化水素に分解するとか。 分析など。
硫化スズ(Ⅱ)と硫化スズ(Ⅳ)やAs,Sbの硫化物は、Hg,Cu,Cd,Bi,Pbと違うと。 つまり硫化アンモニウムに可溶だと(ただし銅はわずかに溶ける、とある)。
スズ(Ⅱ)酸もスズ(Ⅳ)酸も、その溶液は無色だと。 スズ(Ⅱ)塩は、硫化物が黒い色であることと、それが強い還元剤として働く点で、スズ(Ⅳ)と区別できる。 …まあこんなところで。
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助かりました!(^O^)
2015/11/3(火) 午後 4:41 [ ckw*m8*3 ]