女性の管理職登用進まず
均等法25年、課長は5% 主要110社調査
共同通信は29日、主要企業110社への「女性の雇用」に関するアンケートをまとめた。
97%が「女性の積極活用は重要」としたが、管理職への登用は遅れており、
最も多い課長級でも5%にとどまることが明らかになった。
雇用差別をなくす男女雇用機会均等法の成立から今年で25年。
本来なら均等法以降の世代が続々と管理職年齢に達しているはずだが、
現実の女性活用は道半ばだ。
計107社が女性の積極活用は重要だとした。
理由〈複数回答〉で最多だったのは「労働人口減の中、不可欠」で67社。
次いで「男女平等の観点から」の50社。
48社が「顧客の多様なニーズに対応」できると指摘した。
管理職に占める女性の割合は、課長級が平均5.4%。
部長級は同2.5%、役員級は同1.7%と100人に数人のレベル。
同時に「望ましい割合」を尋ねると、課長級は平均18.6%、部長級は同15.4%、役員級は同14.4%だった。
管理職候補となる「総合職」に占める女性の割合は、2010年度新入社員の平均で27.7%。
活用重視97%も「総合職少数、前例ない」
女性管理職を増やす意義(複数回答)については、
58社が「女性の士気向上」を、53社が「企業の視野が広がる」を挙げた。
「能力次第なので男女は関係ない」も56社が選んだ。
増やす障害として多く挙がった〈複数回答〉のは、女性総合職の少なさ(34社)や、
前例がないため若手のモデルがいない(33社)といった採用や育成の遅れを示す答えと、
家庭との両立の難しさを示す「育児・介護・転勤」(34社)だった。
両立支援などのために専門部署や担当者を置いている企業は75%。
非正規雇用の女性を正社員にする制度があると回答した社は65%あった。
均等法を機に、総合職は主に男性、
補助的業務を担う「一般職」は主に女性という「コース別採用」を多くの企業が導入したが、
そうした採用は(既に)していないとの答えが54%に上り、時代の大きな変化が表れた。
正社員狭き門 女性雇用110社調査
均等法があっても、働く女性の雇用形態は多くが正社員ではない非正規雇用だ。
今回の調査で、非正規から正社員への登用制度が「ある」と答えた企業は65%に上ったが、
門戸は狭く実績はわずか。
子育てなど家庭での負担が重い女性が、安定的な職を得るのは難しい現実が再認識された。
制度を持つ企業に個別に実績を尋ねると、
女性に多い事務系の派遣社員やパート従業員が正社員になったケースは「例外的」(メーカー)との声が多い。
専門技術を持つ契約社員が、フルタイムで数年働いた後に正社員になる事例が目立った。
ここ数年、非正規雇用で社会の注目が集まったのは、男性が多い製造業派遣の失業者増大の問題。
だが国の統計をみると、非正規雇用で働く人の7割は女性で、
この構造は過去20年以上、ほとんど変わっていない。
女性の非正規雇用が多い理由(複数回答)を聞いたところ、
72社が「子育て負担が重く正社員として長く勤めにくい」と答え、
59社が「一度退職すると女性は正社員に戻りにくい」、
23社が「短時間で責任が軽い働き方を女性が望む」とした。
均等法後、総合職として入社した女性たちも、出産などを機に退職した例は多い。
近年になって家庭との両立支援への関心が高まり、
大企業の75%が専門部署などを置いて正社員への対応を充実させつつあることが分かったが、
退職して非正規となった女性を能力に応じていかに活用するかという課題は残ったままだ。
回答企業の一覧
アンケートの回答した110社は以下の通り。
旭化成、旭硝子、アサヒビール、味の素、イオン、出光興産、伊藤忠商事、NEC、NTT、王子製紙、
大阪ガス、オムロン、オリックス、花王、カシオ計算機、鹿島、川崎重工業、関西電力、キヤノン、京セラ、
キリンホールディングス、KDDI、コクヨ、コマツ、サントリーホールディングス、JR東海、JR東日本、
JXホールディングス、JFEスチール、JCB、JTB、資生堂、清水建設、シャープ、ジュピターテレコム、
信越化学工業、新日本製鉄、すかいらーく、住友化学、住友商事、セブン&アイ・ホールディングス、
全日本空輸、ソニー、ソフトバンク、損保ジャパン、第一生命保険、ダイキン工業、大日本印刷、
大丸松坂屋百貨店、大和証券グループ本社、高島屋、武田薬品工業、中部電力、帝人、TDK、デンソー、
電通、東京海上日動火災保険、東京ガス、東京電力、東芝、東レ、トヨタ自動車、日興コーディアル証券、
日産自動車、日本IBM、日本ガイシ、日本水産、日本生命保険、日本通運、日本ハム、日本マクドナルド、
日本郵船、博報堂、パソナグループ、パナソニック、パナソニック電工、阪急電鉄、日立製作所、
ファーストリテイリング、富士通、富士フイルム、ベネッセコーポレーション、ポッカコーポレーション、
ホンダ、松井証券、マネックスグループ、丸紅、みずほフィナンシャルグループ、三井住友海上火災保険、
三井住友銀行、三井物産、三井不動産、三越伊勢丹ホールディングス、三菱化学、三菱地所、三菱重工業、
三菱商事、三菱電機、三菱東京UFJ銀行、明治製菓、森永製菓、ヤマトホールディングス、ユニ・チャーム、
リクルート、リコー、りそなホールディングス、ローソン、ワコールホールディングス、ワタミ
(8月30日付 京都新聞朝刊1・3面より)
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女性の社会進出について法的整備そのものは不十分ながらも徐々には進んでいるのですが、
この問題の1つに会社内の雰囲気・風土と日本国民の考え方があるのではと思っています。
日本の社会は65年前まで、何百年に渡って男性が女性を下に見る社会でした。
それは法的にもそういう社会だったことは皆さんも歴史でご存知だと思います。
その後、1945年以降は法的な面ではそういうことはなくなり、
女性の地位・権利向上を求めた女性自身の運動の成果もあって切り開かれてはいったものの、
2010年の今でも社会全体としてそういう雰囲気が残っているのを実感することがあります。
それは職場でも一緒で、男性の側の少なくないメンバーの中に、
「仕事に対する責任感がない」「成長しようとしない」という、
どこに根拠があるのかわからない論理で女性を見ているのを見かけます。
しかし、それは個々の仕事に対する姿勢の問題であって、
男性でも仕事に対する責任感を持ってない人はいますし、
性別で判断できるものではないと思います。
また「母性保護」という観点から考えたとき、
今まで「男性社会」の中で行われてきた業務自体が「カローシ」を生む温床になっている訳で、
そこに女性が合わすことはかなり困難な作業と思われるので、
女性の側がそこで躊躇せざるを得ないとも感じます。
いずれにせよこの問題は、日本の労働者の働き方がこのままでいいのかという観点から考えていかないと、
なかなか解決していかない様に思います。
(Pigmon)
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