日航 乗務させず退職促す
人員減目標届かず
経営再建中の日航が、運航と客室乗務員の希望退職が目標数に達しない恐れがあるため、
一部乗務員の今月のスケジュールを白紙にして、常務に就かせず、
面接をして退職を促していることが7日、分かった。
同社は、退職者が目標を下回った場合、整理解雇も辞さない構え。
すでに整理解雇の人選基準を示し、該当する乗務員に仕事をさせていない。
乗務員側は「解雇される前に辞めろという退職の強要だ」と反発している。
日航は、2010年度中にグループ人員を約1万6千人削減する計画で、
これまでの特別早期退職などで半数のめどがたった。
日航本体では9月から今月22日を期限として、整備や事務系も含め1500人の希望退職を募っているが、
応募が想定を下回っている。
会社は先月27日、整理解雇の人員基準として、過去の病気欠勤日数などの養鶏を示し、
「それでも目標に達しない場合、年齢の高い順から達するまでを対象とする」との方針を示した。
運航乗務員の場合、対照は約320人。
欠勤などの基準にあたる人が約70人おり、
このほか、55歳以上の貴重と45歳以上の副操縦士が対象となり、
常務に就けず仕事がない状態となっている。
客室乗務員も同様に、一定年齢以上が対象となり、乗務していない。
会社側は、対象者に面接をし、退職を促しているが、
関係者によると、退職を希望すると仕事が入るという。
日航は「整理解雇にならないように、最大限努力し、乗務員に理解を求めている」としている。
(10月8日付 京都新聞朝刊30面より)
日航、機長ら370人退職迫る
50代・病欠者 常務外す
経営破綻(はたん)して再建中の日本航空が、約370人のパイロットを対象に、
退職を事実上強要する措置を今月から始めたことがわかった。
50歳以上や病気欠勤が多い人が中心だ。
「白紙」の月間常務スケジュールを渡して個別に呼び出し、
常務から外すことを通告した上で自主的な退職を迫っている。
日航にはパイロット(機長と副操縦士)が約2500人いる。
日航が募集している「希望退職者」はパイロットについては年齢などを問わないとしているが、
同社関係者によると、退職を求められている約370人は50代後半の機長や50歳以上の副操縦士、
病気で欠勤した日数が多い人(今年度の病欠日数が41日以上)らに限られている。
この基準は、希望退職者が目標に達しない場合に日航が検討している「整理解雇」の基準案と一致しており、
対象者の多くは「希望退職に応じなければ整理解雇になるということ。実質的な解雇通告だ」と受け止めている。
パイロットには毎月末、翌月の「運航乗務員スケジュール」が運航本部から渡される。
しかし、ある対象者は、先月末、申請した休暇と面接日以外はまったく白紙のスケジュールが、
「面談通知書」とともに渡された。
面談の目的は「希望退職の必要性などをご理解いただくため」とされ、
「大事な決断をしていただくため、10月のスケジュールはブランク(空白)にしました」などと書かれていた。
面談では、同本部の上司から、自分が解雇基準案に合致していることを告げられた上で、
「希望退職に応じる場合はラストフライトを設定します。
応じない場合は来月以降も予定は空白のままです」と言われたという。
日航は、「あくまで希望退職についての理解を求めるための措置で、
退職の強要や整理解雇の通告ではない」としている。
人員整理計画のうち、パイロット部門の削減目標は750人程度とみられるが、
自主的に退職に応じたのはこれまでに約380人。
残る約370人を希望退職の期限までに確保するため個別の説得に踏み切ったとみられる。
白紙のスケジュールを受け取ったあるパイロットは「隔離部屋に追い込まれたも同然」と憤る。
日航側は常務を外して面談を設定したことについて、
「心理的な影響が運航に及ぶことを避けるため」などと説明している。
退職強要行為とみなされる恐れ
労働問題に詳しい君和田伸仁弁護士の話
経営再建中の日本航空が人員を削減するのが大事なのは理解できる。
ただ、希望退職は労働者の意思を尊重しながら行うのが原則だ。
パイロットに白紙の常務スケジュールを渡す今回のケースは、
「あなたには居場所がない」と退職を強要しているとみなされるおそれがある。
整理解雇の場合も、合理的な説明と丁寧な説得が必要だ。
日航の人員削減計画
今年度中にグループ全体で3分の1にあたる1万6千人を削減する。
グループ会社を中心に約8千人の削減にめどがつき、
日航本体は9月3日から希望退職の募集を始めた。
しかし、パイロットや客室乗務員は予定の半分に届かず、
同29日の記者会見で企業再生支援機構の瀬戸英雄委員長は、
「(計画に達しない場合は)整理解雇も覚悟しないといけない」と発言した。
希望退職は労働者の自発的な申し出が前提で、
企業側が圧力をかけた場合には無効になる場合もある。
整理解雇する場合は、労使間の十分な協議といった4要件を満たすことが必要と判例で定着している。
(10月8日付 朝日新聞大阪版朝刊1面より)
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日本航空のズサンな経営に端を発した今回の問題。
経営破たんしたことに関して、日航をかばい立てする気はサラサラありませんが、
だからと言ってどんな手を使っても人員削減していいということではありません。
希望退職・整理解雇については法的・倫理的にルールが存在するわけで、
今回の日航経営陣のやり方は明らかな不当労働行為と私は断言します。
そして今回のやり方を見たときに、状況は違えどやってることは、
20数年前に起こった「国鉄分割民営化」で1047名もの労働者が、
国(国鉄清算事業団)によって不当労働行為が行われたときと同じようなことが行われていると、
感じた方々も多かったのではないでしょうか。
「国鉄闘争」が20数年の時を経てようやく解決への見通しが出てきた矢先に、
また同じようなことを繰り返すつもりなのでしょうか。
政府はあの時と同じ過ちを二度としないよう、
早急に手を打つべきだと思います。
(Pigmon)
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