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8月22日午後1時24分 プロフェッサー、山田ナビスコから一通の依頼のメールが届く。 その文面にはこう書いていた。 『合宿でライスにブチ切れてくれ』 解釈は難解を極めた。 文面だけ見れば昼飯かなんかの味に対してシェフ呼び出して切れるのか。 様々な暗号解読法を用いても理解することはできなかった。 8月24日午後10時02分 新宿吉本本社において先日の暗号文の内容についての会議が開催される。 集められた、川瀬、サンシャイン、ダイタク、ネルソンズ。 訝しむ一同の前にプロフェッサー山田ナビスコが現れ、こう告げる。 『川瀬、お前は今日から 19期生、堤哲夫になってもらう』 8月25日午前1時35分 3時間以上におよぶ堤哲夫のプロフィール大喜利が終了。 以下、堤哲夫のプロフィール。 【芸名】パンク堤 【年齢】31歳 【服装】ジャージ、金髪、下駄、カモショップの袋 【性格】極めて鋭利 【過去】元東京NSC7期生。ライパッチさんとトリオを組んでいた(当時のトリオ名は『ざらめ』)。 美川憲一の付き人を3日していた。 母親の介護のためお笑いを断念し大阪へ帰るも今年の冬に母親が亡くなったため再度お笑いの道へ。 【尊敬する芸人】パンクブーブーさん、スーパーマラドーナさん、柳沢慎吾さん 【口癖】ぬりぃな 偽装用にニセのtwitterアカウントも作り そして完成図。 極めて危険な任務である。 身辺を整理し、壮絶な覚悟をもって望む必要がありそうだ。 プロフェッサー山田はいう。 『ちょーおもしれじゃん、これ』 8月29日午前10時25分 潜入一日目。 本日はラッキィ池田講師によるダンスの授業。ウンコだチンコだ、いいながら気違いじみた踊りを踊り恥を捨てるための授業である。 東京NSCは神保町花月という劇場の上に建てられた六階建ての難攻不落の要塞である。 堤哲夫は下駄にて階段を登るため カランコロンと音がうるさい。 授業開始を待つこと20分。 携帯をいじっているとメールがきた。 文面はこうだ。 【認定漫才師に選ばれました、おめでとうございます】 プロフェッサー山田の指令暗号かと思ったがどうやら違う。 湧き上がる喜びに潜入の任務を忘れ思わず、よっしゃっ!と叫んだ瞬間 『なに、携帯いじってんの?怒られるから。』 ☆ 隣の19期生に注意をうける。 この任務の完遂はやはり困難を極めそうだ。 8月29日午前10時50分 ラッキィダンスが始まる。 終始ハイテンションの授業の中、メールの件もあり、授業に対するモチベーションがナチュラルに湧かない。 授業の最後に 授業スタッフである、 NSC18期ひので、の池田に授業態度で怒られる。 『お前みたいなやついるだけで授業の雰囲気が悪くなる、やる気ないなら帰れ』 ☆ 池田は内通者で事情も知っているが、怒る演技がうますぎるため、本当に嫌な気持ちになる。 その日はなんとか帰宅。 口内炎が一個できた。 9月2日午後3時20分 本日は大工講師によるネタ見せの見学。 今回見学をするクラスは選抜クラスとよばれ、学校内で高評価をもらっているいわばエリート組である。 エリート組というだけであってネタ見せもなかなか堂々としている。 ダンスとはちがい、このまま何事もなく終えれそうな雰囲気であったが、 授業後、ロビンダイナスティというコンビが話しかけてきた。 『君さー、佐藤タケルに似てるって言われない?』 いじられた。 絶対に似てるはずがない。 しかし潜入のプロにそんな挑発は通じない。 『あんまり言われたことないかな』 と上手くかわそうとすると 『冗談だよ、バーカ』 ☆ 口内炎が口の中に増えた瞬間を実感したのは初めてだ。 限界が近づいてるのかもしれない。 9月3日午後4時20分 この日も大工講師によるネタ見せ。 ただし、この日は堤哲夫自身がネタを見せしなければいけない。 潜入前半最大の山場といっていいだろう。 ピンネタの作成を 同居人やさしいズ田井に依頼。 辞書をエロ本にみたてるという賢そうなネタを受け取り本番に挑む。 『4組38番 堤哲夫、芸名パンク堤哲夫です!コント2分!暗転板付きでお願いします!』 見事にスベる。 やはりキングオブコントニ回戦レベルのやつに任せるのではなかった。 事情を知らぬ大工講師からの容赦ないダメ出し。 『こんなんウケるわけないやん、お客さん、ひいてまうわぁ、君も雰囲気暗いし、、西村ヒロチョとかみてみぃ、ピンはみんな明るいねん、、厳しいなぁこのままやと』 ☆ 全ての責任をキングオブコント二回戦雰囲気野郎に押し付けることにより、屈辱に耐えることに成功。 山場はなんとか超えた。 9月7日午後2時40分 LLRさん、ミルククラウン竹内さん、ライスさん、セブンバイセブン玉城さん、こりゃめでてーな広大さん、ハンマミーヤ一木さん、トンファーさんも集まり合宿本番に向けて最後の詰めを行う。 ライスさんの目を、この段階でまともに見れない。 こんな優しそうな兄さんに暴言を吐く。 よく考えると、なんという任務なのか。ライスさんとはほぼ絡みもなく初対面に近い上、本来なら7期も上の先輩、そこまでして、笑いをとる必要はあるのか。笑いというものはそもそも、人をキズつけるものではなく、人を喜ばせ楽しませるもので 『川瀬、かませよ?』 プロフェッサー山田はニコニコしながらこう言った。 9月9日午前8時10分 合宿当日。 静岡県のリゾートホテルまでバスで向かうわけだが、堤哲夫が乗り込むのは相方不在および探し中のメンバーが乗る四号車。 このバスに乗るスタッフは ネルソンズの青山さん。 サンシャインの銀杏ボーイズ被れの方。 和やかにはじまる自己紹介。 外見がおかしいやつ 過去の経歴が面白いやつ などなど プロフィール紹介をつまみに盛り上がるバス内。一緒に楽しみたいが、堤哲夫のキャラではない。一切笑いもせず、外を眺める。 このことを銀杏ボーイズ被れに咎められる。 『おい、おまえ。勘違いすんなよ?』 ☆ 事情を銀杏ボーイズ君も全部知っている協力者であることはわかっていても、同期にいわれるほどムカつくことはない。 ナチュラルに睨んでしまい、バスの空気は一変。重く淀んだ空気となる。 その後、すぐにメールがくる。 『いいピリつき具合だったな』 はやく任務を終えたい。 同日13時10分 バスは昼食のためサービスエリアにつく。 ベンチに寝転がりながら一人でオニギリを食べていると聞こえてくる陰口の数々。 『あれ、絶対ヅラやん』 『あいつ、あのまま寝て置いていかれたらいいのに』 『ほんま、しめたろか、アイツ』 冷たい脇汗が、高校の暗黒時代の思い出と共に噴き出る。 同日14時05分 突如、告げられる残酷な言葉。 『このバスの中から、前半のMVPを発表します、選ばれた人はバスを降りてヒッチハイクで目的地までいってもらいます』 もちろん堤哲夫が降ろされる。 不満をもらす堤哲夫。 キレる銀杏ボーイズ。 笑いをこらえる青山兄ぃ。 最高潮にピリピリした空気の中サービスエリアに取り残される。 そこで渡されたスケッチブック。 書いていたのは 『お前ら全員ぬるいんや』 それをもつ堤哲夫の前を NSC生を乗せたバスが五台横切る。 僕は合宿中、殺されるかもしれない。 同日15時25分 ヒッチハイクしたフリして プロフェッサー山田のバスに乗り込みホテルに到着。 NSC生には、どうやってきたの?など色々聞かれるも、尖った空気を出して追い払う。 そこからはNSC生はネタ作りの時間。 その時間、およそ四時間。 やることのない堤哲夫。 暇の極地。 同日午後18時05分 夕食争奪戦一発ギャグ大会。 堤哲夫をもちろん参加。 惜しむことなく、ゆにばーす川瀬本来の力を、発揮。笑いをとるも、設定上、勝つわけにもいかず、強制的敗北。 司会のタクさんと岸さんを睨みつけ 空腹に身を任せていると銀杏ボーイズから送られてきた写真。 『フレッシュポークの切り落とし、最高〜』 ☆ あと少し。あと少しだ。 同日21時15分 LLRさんによるネタ講義。 いよいよ、この後である。 もう一度、これから吐く罵詈雑言を頭の中で整理する。 同日22時45分 ライスさんによる質疑応答。 400人を越す参加者。 ジャンルを問わず色々な質問が飛び交う。 緊張もピークで手汗が止まらない。 ザマンザイの収録より緊張する。 なんで、なんで、俺がこんな目に、、 手を挙げるもなかなかあたらない。 ライスさんも様子も見ているようだ。 『先輩と仲良くするにはどうしたらいいんですか?』 『コントのリアリティについて教えてください』 どうでもいい。 悪いけどどうでもいいよ。 はやく、はやくあててくれ。 なんだ、なんなんだ、むかついてきた。 俺は、あれだぞ、あれ ☆ と心の中で叫ぶ。 一体、今、俺は何をしてるんだ、はやくはやく家に帰りたいもうやだしにたい帰りたい死にたい帰り 関町さん 『あー、じゃあ、そこの金髪の、うん、そうジャージ着てる彼。』 きた。 堤哲夫。いきます。 堤 『どうやったらテレビで売れることできるんですか?』 関町さん 『え?』 堤 『どうやったらテレビで売れるんですか?』 一気に緊張が張り詰める。 サンシャイン信清 『とりあえず、たてや。立って質問しろ、失礼やろ、おまえ』 気怠そうに立つ堤。 ライスさんを睨みつける堤。 関町さん 『君、なんか、あれだね、なんか尖りまくってるねぇ〜ww』 雰囲気をなんとか壊さないように笑顔の関町さんに 堤 『どうやったら売れるか聞いてんねん!!!!!』 聞いたことのない沈黙の中に 異常者の怒声が響き渡る。 周りのNSC生からも動揺の空気が。 『ちょお、おまえ、やめろって。座れって。何いうてんねん』 田所さん 『まあ、どうやってテレビでというとねぇ、、ww』 堤 『わからんよな、そら。 だって売れてへんねんから。』 足が震える。 堤 『聞いたことない、ライスとか。 正直、みんなも知らんやろ?え?』 半ば強制的に周りを巻き込む。 NSC生 『いま、そんなんいうことじゃないだろ!!座れよ、おまえ!!失礼だろ!!』 堤 『失礼ちゃうわ!!!!!!』 NSC生にもキレる堤。 銀杏ボーイズ 『ちょっとおまえいい加減にしろよ』 怒りで顔を震わす銀杏ボーイズ。 堤 『こっちは40万の入学金払って、 合宿には4万も払ってんねん!!! 楽しみにしてきたら 何がライスじゃ!! ダウンタウンさんくると思うやろ!!!!!??』 堤 『はよ、こたえろ。え? こたえてみろや!!!!!』 緊張の中にアイツはなんだという喧騒の空気。NSC生の女の子の中には泣く子まで現れたくらいで 青山兄ぃ 『もう出ろ。おまえ出ろ。』 堤 『は?』 青山兄ぃ 『出ろって言ってんだよ!!!! ボケ!!!!』 堤のケツを思い切り蹴飛ばす元レスリングオリンピック候補。前のめりになる堤の首根っこをつかみ、広間から引きずりだす。 堤 『はなせや!!!』 青山兄ぃ 『だまれ。とりあえず出ろ。 出ろっつってんだろうがぁ!!!』 そのまま部屋から叩きだされ 室外から室内に聞こえるくらいの怒声でキレる青山兄ぃ。 ダッシュで広間の裏に回る堤。 その頃室内では かたつむりショウゴさんがブチぎれ。 『おめぇらがしっかり教育しねぇからだろうがぁ!!!!』 ネルソンズさんとサンシャインがみせしめに殴られる。 壮絶。 まさに壮絶な空気。 の中、一人手を挙げるNSC生。 『すいません、ライスさんに質問なんですが、僕の作るネタはリアリティにがないとよく言われるんですが、、』 尋常じゃない空気のよめなさにブチぎれるかたつむりショウゴさん。 泣き出すNSC生女子。 カオス。 カオスが支配しているそんな最中、、 明訓高校の校歌が流れてきた。 と同時に広間の後ろの扉が開き こりゃめでてーな広大さん セブンバイセブン玉城さん ハンマミーヤ一木さん 扮する 明訓高校、岩城、山田、殿馬、、 そしてドッキリのプラカードを持つ堤登場。 死ぬほどウケた。 盛り上がった。 ザマンザイ二回戦よりウケた。 もうお笑いやめようかと思うほど。 その後ミルククラウン竹内さんによる正式なネタバラし。 カツラをとってメガネをかけて 『2013年度、認定漫才師、ゆにばーすの川瀬や!!!』 以上をもって潜入を終了。 ご協力いただいたスタッフさん、作家さん、先輩方には、こんなにおいしくしてもらって感謝してもしきれない。 本当にありがとうございました。 おそらく百万つんでもこんな爆笑とれなかったろう。 フリというものの凄さを再認識した。 二週間もフるとこんなことになるのか。 あー、楽しかった。 お笑いは素晴らしい。 ただ、これをNSC生は四万払って見せられてると思うと心苦しいw 頑張って売れてテレビでこんなドッキリかける、もしくはかけられるようになりたいなと思ってくれれば幸いです。 今日の告知は簡易ですが勘弁ください。 詳細はコメントなりいただければ教えいたします。 なお、文書中の☆は 『いやいや、、 俺、認定漫才師やぞ!?』 に置き換えて読んでいただければいいかと思います。 長いのに読んでくれた方、感謝です。 |

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