|
新聞記者の胡さんと知り合ったのはほんの1ヶ月前。
お茶の紙面を担当している胡さんを、だんなの友だちが紹介してくれました。
今まで、何度か胡さんの書いた記事を読んだことがあります。
彼は各地の茶廠を取材し、その紹介記事を書いています。
中国は今プーアル茶ブーム。新聞紙面で書きたてられるブームを煽るような記事のなかで、彼が書く記事には軽さはなく、誠実さが感じられました。
第一印象は記事の内容と一緒。
新聞記者と聞いて、会うのにちょっと緊張したのですが、温かい笑顔と聞き上手の胡さんは、わたしのつたない中国語をおぎないながら、お茶談義に花を咲かせました。
彼が数十社取材したなかで、一番印象に残るのは、ある茶廠の女性従業員の言葉。
「あるとき、自分が作ったお茶を飲むといつもと味が違って、おいしくないんです。
よくよく思い出すと、そのお茶を作ったときは家で嫌なことがあって、文句を言いながら作っていたんです。お茶は神秘的なものです。作る人の思いがそのままお茶に伝わります。
それから、嫌なことがあっても心を静めてから、お茶と向かい合うようにしています。」
胡さんはわたしに言います。「飲む人も一緒だよ。嫌なことがあって、いらいらした気持ちで飲むと苦味が強まるんだ。嫌なことを一緒に水に流すつもりで、ゆったりした気持ちで飲むと味は全く違うよ。」
本当に、そうかもしれない。だんなとけんかしても、お茶を飲むときは気持ちを切り替えようと心に誓いました。(このときは)
その胡さんが昆明にお茶屋を開店させた(正式には風水で開店日を決めるそうです。)と聞いて、今日早速行って来ました。
お店の中には、胡さんが取材先でもらってきた珍しい記念餅茶(一般人では手に入らない貴重なものです。)や、珍しいお茶が飾ってありました。それを一つ一つ丁寧に紹介してくれる姿は、まるで自分の子供を自慢するような感じ。ちょっと商売人という雰囲気には欠けるのですが。
この日、飲んだお茶は胡さんお勧めの茶頭(またの名を“疙瘩”といいます。渥堆の時にできた塊で、ほぐれないため、一般の商品にはすることが出来ず、そのまま売ります。)です。
積まれたお茶の一番底に出来るため、ちょっと衛生面に不安があるのですが、ごつごつとした不ぞろいな見た目を裏切り、とれもまろやかで甘くおいしいお茶でした。
ちなみに、箱の商品の写真は胡さんが取材先でみつけた珍品。1996年に製造されたドイツへの輸出品だそうです。売れずに倉庫に眠っていたのを購入してきたそうです。
|