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指宿を11時39分に出発した普通列車は約8割くらいの座席がうまった状態で、過去に乗車した記憶の中でも一番車内が賑わっているような気がします。
西大山で、JR最南端駅の記念写真を撮るための大移動もあり、開聞岳付近を通過する折は車窓から写真を撮ったりと、大変忙しそうではあるけれども、これもせっかく遠くここまで来たのだから絶景スポット、観光スポットを見逃したくない、取り損ねたくないそんな気持ち、大変よくわかります。
開聞岳の真横を通ると天候は晴天ではないけれども、山の中腹あたりに人影らしきものが見えます。
おそらく登山をされている人達も多いのでしょう、登山の心得はありませんが、開聞岳のように独立した山だと周辺に遮るものもなくて、頂上からの景色もきっと素晴らしいのかもしれません。
どんな景色かブログやネットで紹介しているものがあれば見てみたいものです。
頴娃のあたりに来るとだんだんと半島の先端に近付いていくのが感じ取れるような景色になってきます。昔は終点の枕崎はJRの終点駅でしたが、私鉄の鹿児島交通の乗り換え駅でもあって、今でももう見ることはできない、なんとも年季もののディーゼル列車が待ち構えていた頃を思い出します。
鹿児島交通の列車は加世田を経由して伊集院まで通じていて、2時間くらいかけてガチャガチャ揺れながらシラス台地の中を走っていましたが、台風の影響で線路が寸断され、そのまま廃止になってしまいました。もう25年くらい前の話ではないでしょうか。私は中学生の時に夜行急行「かいもん」(今はありません)に乗ってこの風前の灯だったローカル私鉄に1回だけ乗車することが出来ました。
貴重な経験でした。
そんなことを思い出したりするうちに、終点枕崎がせまってきました。思い出に残っている枕崎駅は最近解体されて、駅自体もシンプルなものになってしまったと聞いており、どんなものかと思っていましたが、列車がブレーキをかけてやがて駅に到着するという速度になっても、駅構内に入ったという感覚がしません。そうするといきなり進行方向左側に1面のホームが現れ、バスが停留所に停車するような感覚でいかにも中途半端に停まらされたといった方がいいような感じです。
駅のホームに降り、折り返すまでのわずか12分間で周辺を確認しようとしたら、「あらら」本当に中途半端に無理やり線路を切られてしまったというのが正しく、線路止めの先には無理やりショッピングセンターの建物が進路を遮断しており駅からは直接センターに入ることができず、小さな路地をあけてやってるから、JRの客はそこを通っていいよという、申し訳ない程度の通路しかありません。
ちょっと鉄道を愛する人間にとっては屈辱的とも言える終着駅のあつかいです。
ここまで存在感を無視された駅も珍しいのではないでしょうか、温厚な私でも少し腹立たしくなってきました。たしか、昔の枕崎駅は鹿児島交通の敷地で国鉄が間借りしているものだと読んだ記憶がありますので、JRとしては地主の都合に従っただけでしょうが、北海道の夕張線の夕張駅や、筑肥線の伊万里駅や日南線の志布志駅、筑豊線の若松駅など合理化により終着駅が無残にも存在感のない姿になるのはやるせない感じがしますが、枕崎はJRの最南端の終着駅でしかも枕崎市の玄関口なのですから、市の方でも
なんとか再考してもらいたいなと思います。
やはり12分の滞在は正解のようです、こんな惨めな終着駅で長居は無用でした。
13時05分に折り返した列車はわびしい枕崎の「停留所」を後にして指宿を再度目指して走り出しました。
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