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○ 2009年3月13日の発車便を以って、東京〜熊本・大分間を結ぶ夜行寝台特急列車「はやぶさ・富士」が50年の運航キャリアに終止符をうつとともに、これで九州と本州を結ぶ夜行寝台特急は全て消滅してしまいました。
私にとっては、廃止が決定後の昨年12月26日に乗車したのが最後になりましたが、改めて失ったものの大きさを感じます。
まだ、国内には夜行寝台特急列車が残っていますが、JRが効率主義的な経営を重点的に進める中で、おそらく近い将来淘汰されるでしょう。
この夜行寝台特急が無くなった時に、移動や途中を楽しみながら目的地に向かうという「旅」という概念が喪失されるような気がします。
○ 私自身、子どもの頃から乗り親しんだ乗り物であり、東京、関西、北海道と旅行する際はほぼ夜行寝台列車を利用してきました。
夜行寝台列車の魅力は
・優れた居住性
・時間の有効活用
・乗客同士のコミュニケーション
・移動中途の車窓からの景観の堪能
などのことがあげられます。
一夜寝ている間に目的地に到着可能で、昼間が有効に使えるし、移動中に読書や現代ではPCも十分に使用できます。乗客同士のコミュニケーションでどれだけ教えられることや考えさせられることが多かったかわかりません。見ず知らずの人との短い間での会話は、日常出会う人との会話では得られないものを感じ取る事ができます。
いろんな食べ物をもらったりして有難く思うこともありました。
富士山のような名所の景色を楽しむばかりでなく、通過する街並みや歩く人々の姿を見るだけでも地域性や個性を感じることが出来て、旅の醍醐味を感じることが出来ます。
逆に現在、出張での九州から東京への移動は全て飛行機ですが、この移動ほど苦痛なものはありません。
狭苦しいシートにシートベルトで締め付けられ、ほとんどリラックスできる体制になれず、隣に乗客がいれば、肩肘もあたりストレスもたまります。
わずかな移動時間のため乗客同士のコミュニケーションも皆無ですし、窓からの景観もほとんどありません。本や映画を観ても、揺れたりするため気分が悪くなるし、外気もはいりませんから息がつまる感覚も我慢出来ません。
ですから飛行機で日帰り往復でもしようものなら、その日は移動のダメージで気分が優れなくなります。
また空港から市街地までの移動も時間がかかるし、飛行機に乗り込むまでの荷物検査等の手間も面倒です。
飛行機のデメリットばかりをあげましたが、そういった意味で夜行寝台特急列車がほとんど優位性を持っているにも関わらず、飛行機に負けてしまったのは、現代の効率性重視の社会構造によるものといえるでしょう。
時間短縮と効率性を追及する病理にはまった現代の日本社会は、この狂った価値観によりゆとりと情緒をすっかり失いつつあります。
その歯止めがきかないまま、夜行寝台特急のような存在が隅に追いやられていったといえるでしょう。
○ プライベートで東京に行く場合は新幹線か高速バスを使うしかなくなりましたが、いずれも居住性や旅としての情緒を感じる乗り物ではありません。あとは船くらいしか考えられません。
本当に国内の旅がだんだんとつまらなくなります。
最近、私が愛読していた「旅と鉄道」という雑誌も休刊になりました。そもそも日本人が歴史的に愛した「旅」という行動が消えつつあり、地方の衰退、画一化、少子化が進む中で鉄道も縮小し、地方の街も個性と活力を失う中で記事になるような魅力が失われつつあることが背景にあると思います。
私はこの「はやぶさ・富士」が廃止になったことで大きな喪失感を覚えるとともに、現代の病理に悩むこの社会に大きな声で訴えたいと思います。
「ちょっとやそっとのゆとりや不便を享受しようじゃないか」
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ゆっくりと旅の時間を楽しめる乗り物が、
また一つなくなってしまいましたね!
高速道路には馬鹿みたいに税金を注ぎ込んで、
フェリーや寝台列車が消えていく。
こんな経済成長なら、してほしくないものです!
2009/3/15(日) 午前 2:01
はじめまして(^^)
おっしゃるとおりです。
移動中途の車窓からの景観を堪能する感覚は、どこに消えたのでしょう。。。
ネットが普及し、一秒でも早く早く・・・という、何でもスピード化の結果がこういうことを招く一因だとも・・・。
合理化しか考えない時代・・・・夜行の旅を楽しむ余裕がなくなった時代ですね・・。
伝統を重んじない日本の悲しい結果です。
私も、札幌に転勤して、一時東京へ帰省した時は、たいてい「北斗星」を使っていました。
2009/3/15(日) 午前 10:17
追記(^^ゞ
そのうち、JRは、新幹線と各駅停車と快速しか残らなくなる・・・。
そんな勢いです!
すると、何を楽しみに旅をすれば・・・(苦笑
2009/3/15(日) 午前 10:19
ホントそうですよね。人とのふれあいとか、時間の流れとか、現代社会で忘れてしまった「なにか」を寝台特急は持っているような温かさがありましたね。これからもそんな温かさを感じられる旅、そのあり方について考えていく必要性がありそうですね
2009/3/15(日) 午後 6:13
私も廃止の日、佐賀は鳥栖駅まで見送りに行きました。駅へ向かう途中まで雨だったのに、はやぶさが入線して来るときには雨があがっていました。時間の有効活用、乗客同士のコミュニケーション…すごく分かります。
全然知らない人同士だったのに、すぐに仲良くなれてしまうのは寝台特急ならではですよね。
2010/4/1(木) 午前 0:41 [ - ]
長距離列車の移動にはいろんな乗客の生活、人生が見えてくるし、いろんなことを考える機会を与えてくれます。
飛行機は人間は半ば強制的に高速移動させて疲弊させるためだけの乗り物にしか思えないのです。皆さんからご意見をいただき感動してます。有難うございました。
2010/4/4(日) 午後 11:47