映画のボツ脚本・準備稿を訳して読んでみるブログ

海外のSF映画やホラー映画のボツ脚本や準備稿をぼちぼち和訳して読んでみるブログです。

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廊下の先 アンソニー

また物音を聞く。振り返る。
やはり何もいない。
彼は立ち止まり…素早く振り返る…

木の壁が動いている…前へ歩いてくる…

エイリアンだ。

木材に見えるよう変化したのだ。

その身体が変化している…変形している…木目のある手足の上にワイヤーに似た腱が這うように現れ、これまでのものによく似た機械生命体のエイリアンが姿を現す…!

アンソニーの視点

疲れたアンドロイドには、エイリアンが彼の知る中世の悪魔の映像の集合体に見えている。彼はエイリアンのうつろで騒がしい吐息を聞く。エイリアンは彼の方へ滑るように進んでくる…。

気を取られたアンソニーは後ずさり、罠へもろに踏み込んでしまう…
ガチャン!
鋼鉄の顎が彼の左足首を挟んで閉じる。
ミルクのような血液が流れ始める。

彼は自分が幻覚と同じ窮地に陥っていることに気づく…
足は動かせず、エイリアンの手足が彼の周囲を回っている…
彼は悲鳴を上げる。ああああああああああああああああ…!

科学技術の部屋のドア

リプリーが作業している。彼女はキーボードの数字を打ち込む。
彼女は疲れすぎていて、正しく操作できない。
三人はアンソニーの悲鳴を耳にする…
ジョンが駆け戻る…
彼の周りで罠が閉じる音がする…
リプリーは悲鳴の方へ振り向く…
院長が彼女をキーボードの方へ押し戻す…

院長
開けるんだ!

リプリーは眉をしかめる。集中しようと努める。
彼女の指がキーを押す。

エイリアン

アンソニーの方へ歩いてくる…
ガチャン!ガチャン!ガチャーン!
罠がエイリアンの尾や脚を挟んで閉じる。

廊下の中ほど ジョン

ガチャン!!
彼のカソックを罠が挟む。
彼はカソックを裂いて罠から逃れる。

廊下の端

アンソニーがエイリアンに捕まっている。
彼は棒でエイリアンを殴りつけるが、彼の打撃などゾウに降りかかる雨粒のように何の効果もない。

エイリアンはアンソニーを顔の高さまで持ち上げる。アンソニーは悲鳴を上げる。彼の左脚が罠の鎖に引っ張られて伸びている…
ほとんどちぎれかけた足首から、白い血液が帯となって流れている。

エイリアンと顔を突き合わせて

アンソニーは棒を落とし、アンドロイドの両腕でエイリアンの両腕をつかむ。彼の超人的な腕力はエイリアンがそれ以上締め付けるのを許さないが、彼は滑らかな、眼のない顔から目を背けることができない。

エイリアンは彼をじっと観察している。その薄い、ほとんど透明な唇が引っぱられて、並んだトゲのような歯が剥き出しになる。舌を打ち出すために顎が開き始めて…

エイリアンがシューッと声を立てる…
酸性の唾液の細い流れがアンソニーの両眼を潰し…
人造の皮膚が泡立ち、膨れ上がる…

ジョン

アンソニーの棒を拾い上げる。
悪魔を殴りつけ始める。

ドアの所

リプリーはキーボードを操作するが、何の反応もない。

院長
どうなっているんだ!?

リプリーはキーボードを壁の仕切りから横へずらす。
配線があまりに古くて切れてしまっている。

リプリー
くそっ。

彼女は電線の端を噛んで、噛み切った被覆を吐き出す。
むき出しになった電線の端をねじり合わせる…
汗が彼女の眼に流れこむ。

ジョン

アンソニーの棒でエイリアンを殴りつける…
もう一度。もう一度。怪物はアンソニーを放そうとしない。
アンドロイドは捕まったままもがき苦しんでいる。彼の顔は今では膨れ上がったぐちゃぐちゃの塊で、両眼はなくなってしまっている。

リプリー

配線の直結を終わらせる。キーボードがブーンと音を立てて生き返る。
彼女の指がすばやくキーを叩く…

エイリアン

エイリアンの尾がジョンの腰に巻き付き…
彼を引き寄せる…
彼を空中に持ち上げ、逆さまにする…

唇がめくれ上がり…

ジョンの両手が床を探っている…

鋭い金属の歯列が開いて…

ドアのキーボード

点灯する。「コードを認証しました。
リプリーの頭がさっと廊下へ向けられる…

ジョン

彼の片手が罠の一つの端に近づいて…
彼はその罠を持ち上げ…
ガチャン!
罠がエイリアンの伸びた舌を挟んで閉じる…!
怪物が咆哮する!!
頭を左右に振り回す…
罠を振り払うことはできない…
酸の血が飛び散る…!
血の滴が木の床に落ちて小さな炎を上げる。

ドア

溜まった埃を吹き上げながら開く…シュー…プシューッ!
院長が中へ飛び込む…

リプリー
開いたわ!

ジョン

罠に挟まれたアンソニーの足首を外してやる。
棒を拾い上げ、呻くアンドロイドを引きずって…
廊下を戻っていく…

リプリー

科学技術の部屋の開いた戸口に立っている…、

院長
閉めろ…閉めるんだ…あいつが来るぞ。

リプリー
待つのよ。 ジョン!!

ジョンとアンソニーが影から姿を現す…
ドアの方へ走って/よろめき歩いて来る…

エイリアン

罠の鋼鉄の顎を酸の血が融かす。エイリアンは自由になる。
逃げる修道僧の方へエイリアンの頭がさっと向けられる。もしエイリアンに眼があったなら、怒りに細められていただろう…
エイリアンは廊下を走ってくる…

リプリー

ジョンとアンソニーの後から科学技術の部屋に入る。
戸口の内側には別のキーボードがある。
彼女はキーを叩く…

院長
急ぐんだ…

ジョン
急ぐんだ!!

エイリアン

数ヤード向こうだ…よろよろと歩いてくる。腹を立て、シャーッと声を上げながら。

キーボード

認証を示す信号音が「ピーン」と鳴る。
ドアがスライドして閉まり始める…

エイリアンはあと1フィートしか離れていない…
あと数インチ…

重いズシンという音を立ててドアが閉まる。

リプリーは目を閉じて粗い木のドアにもたれ、息を喘がせる。
少しの間。
彼女は初めて室内へ振り返って、見る…

風車の列

まさに「ラ・マンチャの男」のような、木と布でできた風車が並んでいる。二階分の高さのある風車がゆっくりと回っている。風洞に似た部屋の中で膨大な量の空気が動いている。見える限り遠くまで風車が並んでいる。
軋み、回っている。
ヒューッ…ヒューッ…
だが電子装置はない。通信機もない。武器もない。
ここが「科学技術の部屋」なのだ。

リプリーは床に崩折れ、意識を失う。

ディゾルブ

 

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