この自由な世界で(IT'S A FREE WORLD...)監督:ケン・ローチ 脚本:ポール・ラヴァティ ■ 公式HP 出演:キルストン・ウェアリング、ジュリエット・エリス、レズワフ・ジュリック、ジョー・シフリート コリン・コフリン、マギー・ハッセー、レイモンド・マーンズ他 シングルマザーのアンジー(キルストン・ウェアリング)は一人息子を両親に預けて働く日々。職業斡旋会社を不当にクビになった彼女はルームメイトのローズ(ジュリエット・エリス)と職業斡旋会社を立ち上げ、無我夢中で働いてなんとかビジネスを軌道に乗せる。ある日、不法滞在者を雇うともっと儲かるという話を聞かされたアンジー。息子と安定した生活を送りたい・・・そして彼女は超えてはいけない一線を超えてしまった・・・
カンヌで鳴りやまぬ拍手に包まれた『麦の穂をゆらす風』から2年、ケン・ローチがメガホンをとった最新作。 映画好き&ケン・ローチ好きの同僚に「ものすごいよかった、絶対観てきて!」と何度も勧められてました。 上映終了が迫る中やっと観に行きましたが、さすが"ケン・ローチ"、うちのめされました。。。 「『麦の穂をゆらす風』は私たちにとって大作でした。そこで次は、より小さな室内楽のようなものをやりたい と思いました」とローチ組の製作者レベッカ・オブライエンが話すように、本作はロンドンの下町の隅で起きて いる外国人不法労働者問題という、身近でありながら無意識にやりすごされている悲劇に目を向けています。 徹底的な下調べ、「演じている」とは思えないほどリアルな登場人物たち、それだけにこの問題の根の深さを 感じ、残虐なシーンはひとつもないのに、なんだかとても怖くなりました。しかもこれって、何もロンドンだけが 抱えている問題ではなく、よりよい生活を夢見て世界中から人々が集まってくる先進国の経済中心都市なら、 どこで起きていてもおかしくないことなのですよね。東京もまたしかり、、、 4ヶ月にわたるオーディションを勝ち抜いたというキルストン・ウェアリングはじめ、キャストが皆すばらしい です。特にアンジーのお父さん(コリン・コフリン)がよかったなぁ。素人さんだなんてビックリ。 冷戦終了と共に二極構造が崩れ、アメリカ主導の資本主義が世界を覆う中、"自由競争(free competition)"、 "自由市場(free market)"という言葉がもてはやされてきましたが、この「自由」って本当に人々を自由にして いるのか、「この国は嘘つきだ、英国は怖い」というカロル(レズワフ・ジュリック)の言葉や、ラストシーンの ウクライナの中年女性が見せる内気な笑顔に、改めて考えさせられてしまいました。 シェイクスピアやオースティン、湖水地方やマナーハウス、英国庭園やアフタヌーンティー・・・ そんな優雅な英国も確かに英国ですが、この映画に描き出されているのもまた英国のひとつの顔でした。 2007ベネチア国際映画祭 最優秀脚本賞(ポール・ラヴァティ)、2007セビーリャ映画祭 最優秀作品賞、 2007英国インディペンデント映画賞ほか受賞。
|

- >
- エンターテインメント
- >
- 映画
- >
- 映画レビュー




ほとんど知らなかった監督さんなんですが、「麦の穂・・・」はこの前録画してこれから見てみるの楽しみです。
★5つですね!!必見のよう、はやく衛星でやらないかしら^▽^
2008/9/23(火) 午後 2:34 [ ☆chikori☆ ]
わ、満点!
ケン・ローチ作品は『麦の穂…』しか観てないのですけど、凄いですか…
チェックしま〜す!
2008/9/24(水) 午前 0:25
ちこりさん、私も『麦の穂〜』を観るまでは殆ど知らない監督さんでした。
お、録画済みでしたか、私は観終わってかなーり凹みました。心の準備をしてご覧下さいm(_ _)m
2008/9/24(水) 午前 0:47
じゅりさん、なんですかねぇ、この余韻は・・・。ラストも印象的でした。
『麦の穂〜』は本当にすごい作品ですが、私には直視できない辛すぎる場面もありまして・・・その点↑はそういうシーンは全然ないのに、ずーんと胸に迫るものがありました。滑り込みで観に行ってよかったです^^
2008/9/24(水) 午前 0:49
これ何度も見に行こうとトライしていたのに時間が合わなくて
見逃してしまいました。
やはり良かったのですね。あ〜残念・・
2008/9/24(水) 午前 9:03
ローチは元々小市民的な映画を撮っていたので、戻ったのですかね。
この人もソフト化作品が少ないですよね。そこそこ売れると思うんですけど。
2008/9/24(水) 午後 8:54 [ - ]
Cartoucheさん、金曜日で上映終了ですね、思いっきり単館で残念です、
たくさんの人に観て欲しい!と思う映画でした。
次のチャンスにぜひ〜^^
2008/9/24(水) 午後 11:11
YAZさん、私、なにしろケン・ローチ作品まだ2本目なもので・・・^^;
パンフレットに詳細なフィルモグラフィーがついているので地道にチェックしていきたいと思います。
この映画は、もう少し多館で上映してもよかったんじゃ・・・とチョット残念な思いです。
2008/9/24(水) 午後 11:13
私もやっと記事を書きました〜(^^;
ケン・ローチ監督の作品って、凄く社会的なシビアなことを描いていますが、でもなんか暖かくていいですよね。
特にこちらは主人公が三十過ぎのシングルマザーということで、共感もしたし、アンジーのバイタリティーにはパワーをもらえたかな^^。
TBさせてくださいね。
2008/9/27(土) 午前 1:28
ケン・ローチ、実は見たことが無いかも(>_<)
イギリス映画は見ないといけないのがたくさんありますわ(-_-;)
2008/9/27(土) 午前 9:19
Kimさんの記事お邪魔してきました。今回、ケン・ローチ監督はアンジーのお父さんの目線で物語を捉えていたようですね、だからアンジーへの温かさがにじみ出ていたように思います。観に行ってよかった!と心から思う作品でした。
TBありがとうございます♪
2008/9/27(土) 午後 11:18
もくれんさん、私も『麦の穂〜』以前は殆ど馴染みのない監督さんでした。この作品観てガゼンほかの作品も観たくなってます^^
2008/9/27(土) 午後 11:20
おぉ〜劇場鑑賞だったのですね。
確かに「麦・・・」より小規模の作品ですが現実味を感じる作品でした。
TBお返しさせてもらいますね。
2009/5/5(火) 午前 9:58
はい、くみょんさん、滑り込みで劇場で観ることができました〜^^
ほんと現実味があって、アンジーをすぐそばで見ているような気持ちにすらなりました。
TBお返し有難うございます。
2009/5/5(火) 午後 11:35
ケーブルで放映されたのでようやく見ることができました。
そうですね。英国というと英国庭園やアフタヌーンティー、ミュージカルなど思い浮かびますが、一方で移民をめぐる暗い部分もあります。それからアンジーもきっと最初はそんな気はなかったのに
段々と自分自身が資本主義に染まって行くところが無理なく描かれていてすごい作品でした。
TBさせてくださいね。
2010/10/13(水) 午後 10:59
Cartoucheさん、これは衝撃的な作品でしたよね。
過剰表現はなく、とてもリアルでそれだけに怖い気持ちになりました。
弱い立場の移民、その移民を利用するたちもまたその社会では弱い立場にいるのかもしれません…
TB有難うございました♪
2010/10/14(木) 午後 9:50
見終わったあと、なんともいえず気持ちが重くなりました。
ラストシーン、ウクライナの主婦の笑みは
イギリスに行き、消えてしまうのでしょうね。
それは きっと、アンジーの存在に関係なく・・。
アンジーもまた社会のコマのひとつにすぎないのですね。
Mさんの記事を読ませていただいて、
目を向けるべきは社会と、そして その中にいるかもしれない自分だと思うようになりました。
トラバお返しさせてくださいね。
2011/7/4(月) 午前 0:31
maruさん、観終わってからもずーんと後を引く作品でした。
ケン・ローチ監督の問題意識にははっとさせられるものが多いです。
アンジーも社会のコマのひとつ…私もそう思います。加害者であると同時に被害者でもあり、考えると切ないですね。
TBありがとうございましたm(_ _)m
2011/7/4(月) 午前 9:49