真昼の決闘(HIGH NOON)
1952年(アメリカ)
監督:フレッド・ジンネマン 製作:スタンリー・クレイマー 音楽:ディミトリ・ティオムキン
出演:ゲイリー・クーパー、グレース・ケリー、トーマス・ミッチェル、ケティ・フラド他
敬虔なクェカー教徒エミィ(グレース・ケリー)と結婚した初老の保安官ウィル・ケイン(ゲイリー・クーパー)は保安官の任期を終え、新妻と旅立とうとしていた。そんな矢先、かつて刑務所に送りこんだ無法者が復讐に来るとの一報が入る。彼は町の人々に共に闘うよう呼びかけるが、彼等の反応はよそよそしく、誰も彼を助けようとはしない。対決の時、ウィルは1人で無法者たちに立ち向かう・・・
グレース・ケリーは、彼女の銀幕デビュー作『FOURTEEN HOURS』を観たスタンリー・クレイマーの目に留
まり、ゲイリー・クーパー の相手役に抜擢されたのだそうです。当初ウィル・ケイン役にはグレゴリー・ペック
の名前が挙がっていたそうですが、諸般の理由から15歳年上のゲイリー・クーパーが演じることに。その結果、
引退間近の初老の保安官とうら若い妻という歳の差カップルになったのか、もともとそういう設定だったのか、
原作の『THE TIN STAR(ブリキの星賞)』を読んでいないので分かりません^^;
何かを待って草原に集まってくる3人の男たち。台詞は一切なく、主題歌「HIGH NOON」が流れます。この曲
は大ヒットしてアカデミー歌曲賞をとっているそうですが、確かに独特のリズムと旋律が耳に残りますね。
細かい状況説明は一切なく、切り替わる場面と会話で、だんだんとウィル・ケイン(ゲイリー・クーパー)が
置かれている状況が分かってきます。見どころのひとつは、対決の時間が迫る中、街の人々が集う教会へ
出向き、協力を求めるシーンのやりとりでしょうか。皆がてんでばらばらに自分の置かれている状況や利害
を口にし、いっこうに話はまとまらず、結局協力を得られないままその場を去るウィル。既に判事は逃げ出し
ており、街の人たちの協力がないのなら、、、と唯一の味方だった仲間も彼を見捨て、いよいよ孤独な戦いへ
と追いつめられてしまいます。
こうした民衆の無関心や事なかれ主義には、当時ハリウッドに吹き荒れていた《マッカーシズム(赤狩り)》を
傍観した人々に対するジンネマン監督の批判がこめられているのだそうですが、個人的には街の人たちの
言い分も分らなくはない気がしました。誰だって自分はかわいいし、できればトラブルには関わりたくない・・・
人間、そう強い人ばかりじゃありませんから、、、
絶望して遺書をしたためるウィル、けれども時計が12時を打ち、いざ対決の瞬間が訪れると銃を片手に立ち
上がります。西部劇初心者の私、馬小屋のシーンなんかはかなりハラハラして見入ってしまいました^^;
そして迎えるラスト。気まずそうにぞろぞろ集まってくる人々の群集心理、人々を見回し、ウィルが言葉なく
星賞を投げ捨てるシーンは、大変辛口で、「社会派ウェスタンの傑作」と呼ばれるのも納得でした。
本作を観て「保安官のくせに一般市民に助けを乞うなんて・・・」と不快感を抱いたハワード・ホークス監督は、
後に『リオ・ブラボー』で悪者を叩きのめすプロの保安官を描いたのだそう。こちらも観てみたいです。
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評価は高いですよね、これは。 自分も大好きです。
でもホークス監督とジョン・ウェインの『リオ・ブラボー』も当てつけですよねぇ。(^o^;
2009/5/21(木) 午後 10:11
あー、これは新聞のTV欄でも満点評価で、いつも気になりながら未見でした。
西部劇にはとんと疎い私も、来週は西部劇ウィークにしようかと(*>∀<*)
そうですか、赤狩りなんかも背景に込められた社会派ウェスタンなんですね。頭に入れて鑑賞します。
2009/5/21(木) 午後 10:20
この手の作品ってほとんど未見なのですが、「社会派ウェスタンの傑作」とは気になります。
2009/5/21(木) 午後 11:09
Kaz.さん、評判は前から聞いていたのですが、今日までスルーしてました^^;
殆ど西部劇を観ていないので何とも言えませんけど、それでもやっぱりいろんな意味で画期的な作品だったと思います。これを観たからにはやはり『リオ・ブラボー』も観ておかないと!ですね(笑)
2009/5/22(金) 午前 0:19
うわ!渋いチョイスですね!「HIGH NOON」、この曲は好きで西部劇の主題歌と云うとこれが一番に浮かびます。
この映画って原作があるんですね。それは知りませんでした。
しかし、私はこの映画、中学生のころ見ているので、「マッカーシズム」云々はきっとぜんぜんわかってなかったと思います(^_^;。
映像がすごく印象に残っている映画です。
今見るとぜんぜん違うところが見えてきそうです。
2009/5/22(金) 午前 0:20 [ miskatonic_mgs_b ]
pu-koさん、おー、満点評価でしたか^^
主題歌が印象的で、日本でも一度『ハイヌーン』のタイトルでリバイバル上映されたことがあるらしいです。チャンスがあれば是非。
2009/5/22(金) 午前 9:32
Cartoucheさん、私もこの手の作品も観てないものだらけです^^;
50年以上前の作品ですが、さすがに傑作と呼ばれるだけあるなぁと思いましたよ。
2009/5/22(金) 午前 9:33
miskaさん、渋いとこいってみました。中学生でこれを観てるmiskaさんって・・・(驚)
マッカーシズムへの批判うんぬんを抜いても、民衆の群集心理を鋭く描いた作品としてでも見ごたえがあったと思います。音楽も映像も印象に残りますね^^
2009/5/22(金) 午前 9:37
私は逆に「リオ・ブラボー」とかの娯楽路線の方から入ったので新鮮でした。
「リオ・ブラボー」があてつけだったとは知らなかったな〜。
そういう視点で見るのも面白いですね。
2009/5/22(金) 午前 9:43
おー、もくれんさんは『リオ・ブラボー』も(というかこちらを先に)ご覧だったのですねー。ホークス監督、アンチテーゼ作品を作っちゃうなんて、よっぽど気に入らなかったのでしょうか^^;
2009/5/22(金) 午後 8:55
この映画、実は再見したばかりなのですが、ちょっと色褪せて見えてしまいました(^^;
正直、1950年代の作品にしては演出等が古いのです。
TBさせていただきました^^
2009/6/6(土) 午後 10:00 [ user t ]
user_tさんはいろいろご覧でとてもお詳しいので感じ方もまた違ってくるのかもしれませんねー。
私はお初であんまり予備知識もなく観たので「おー」と思うには思った作品でした^^;
観るタイミングで「あら?」と思い評価が変わることは多々ありますが・・・
TB有難うございました、記事にお邪魔してきました〜^^
2009/6/7(日) 午後 10:52
へぇ〜『リオブラボー』ってこれにあてつけた作品があるんですね。それもみてみたいですね。ハワードホークス監督の作品今月、WOWOWでやるけど、その作品はなかったような。
誰も協力者現れず、孤立していくとこは痛々しかたです。TBお返ししますね
2009/7/3(金) 午後 2:38
らぐなさん、『リオ・ブラボー』は西部劇の名作として名前だけ知ってましたが、まさか『真昼の決闘』とそんな関係にあろうとは知りませんでした^^;
群集心理と孤独な闘い、ラストシーンは印象に残りますね。
TBお返し有難うございました^^
2009/7/4(土) 午前 9:41
ここらを見た後で超名作と言われる西部劇『荒野の七人』や
『荒野の決闘』見ますとおおおお!おもろい!となりますが
きっとそう言うの見飽きた人には逆にこれなんか新鮮かもですね
決闘タイプと社会派タイプが存在しますね。『大いなる西部』なんか後者かもです。 主役ペックが似合いそうな映画でしたね真昼の決闘は TBしますね〜
2010/9/13(月) 午後 4:09
ポニーさん、私、西部劇はめっぽう弱くて、殆ど観ておらず・・・^^;
『大いなる西部』は観てみたいです。
TB有難うございます♪
2010/9/14(火) 午後 5:12