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鉛と活字合金

 活字は鉛とアンチモンなどからできている。鉛だけでは凝固する時に収縮が激しく、型の通りには活字ができない。

 金属学者は種々の合金を作ってテストし、一番良いのは鉛80%、アンチモン17%、スズ3%ということになっている。硬く、凝固時に体積が微妙に膨張する(型の隅ずみまで流れ込むこと)ことが特徴である。

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 鉛だけを融かして、直方体の鋳型に入れて冷やすと手前のような形になる。下の方から固まるので、上部は凹み、上の方の面は内側に倒れ込んでいる。直方体のものを作ろうと思うと、鋳型に合うピストン状の押し型を作って、収縮時に押し込まねばならない。

 後ろのものは面倒な形の鋳型に流し込んだのだが、活字合金であるから、注ぎ込んだそのままの形を保っている。
 電気ドリルで穴をあけるのも容易である。鉛ではそうはいかない。鉛は軟らか過ぎてドリル刃が喰い込んでしまう。活字合金は硬いのでサクサクと削れる。ネジを切るのも容易である。もちろん切粉は再利用する。

 融かす温度は240℃であるから、ステンレスのお玉の古いのを使っている。注ぎ口を曲げて付ければ、具合が良い。

 鉛はドイツを中心に排斥運動が起きている。どんな微量でも使ってはいけないと主張しているが、自然界において、鉛の存在頻度は高く、殆ど意味のない規制である。無鉛ハンダを使えと言っているが、千年以上の実績を持つ鉛ハンダをやめて急速に開発された無鉛ハンダのみを使うのは、性急に過ぎる。コンピュータが故障して、電車が止まり、飛行機が落ちるということは全く考えられないことではない。

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鉛活字

 鉛活字を買った。活字を組んで印刷するシステムは、既に過去の遺物になってしまったので、たまたま行った金属回収業者から買ったのだ。価格は驚くほど安かった。趣味で使う錘を作るのにちょうど良い。240 ℃で融けるので、簡単に鋳造できる。鋳型は木製で十分である。
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 河合塾で仕事を始めたころは、模擬試験などの印刷はすべて、この活字で組んだものを使っていた。校正作業は3回ほどやるが、それでも直し切れない時は、印刷所に行って現場で校正する。
 名古屋城に近いところにその印刷会社はあった。出向くと、植字工がエプロン、腕カバ―を付けてこちらの指示通りに直している。直ちにそれにインキを塗って、一枚だけ刷る。それを見ると、まだおかしいところがある。植字工に直接指示を出すのだが、その植字工の指は少し欠けている。事故で失ったような感じではない。入れ墨を入れているようにも見える。

 こちらの指示が難しいらしく、汗をかきながら筆者に向かって聞く。
「先生!これでよろしいですか?」
 知らない人に先生と呼ばれるのは少々気持ちが悪かった。しかも当時筆者はまだ若く、この中年男に先生よわばりされるのには、当惑した。

 仕事が一段落して、応接室でお茶を戴いた。その時、担当の社員と話をして経緯を知った。その植字工はヤクザだったそうだ。服役中に印刷工の職業訓練を受けて更生し、この印刷会社に雇われて10年以上経つそうだ。勤務成績は良く、保護司の方も喜んでいたと聞いた。
 それにしてもあの「先生!」には、ちょっと驚いたと話すと、
「いや実は…、刑務所では看守のことを先生と言うらしいのですよ。」

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台風

 小学生の時、伊勢湾台風を経験した。その日は土曜日で、学校に行った途端に帰れと言われた。学校に置いてあった木琴を持って帰ることにした。それは正解で、学校は水没し、3か月間休校になった。中学校は自衛隊の基地になり、ヘリコプタの発着場になった。今ではとても信じられない大災害で、その町だけで二百人が死んだ。中学校の校庭の端で、犠牲者を鉄道の古枕木の上に並べ、ガソリンをかけて荼毘に付した。その煙の臭いは今でも思い出す。
 我が家も一階は床上浸水した。父母は後片付けで大変であった。手伝いたかったが、足手まといで相手にして貰えなかった。やることが無いから、毎日木琴を叩いて過ごした。
 その経験があるから、低いところには住めない。現在の家は標高80 mほどだから、津波が来ても大丈夫の筈だ。

 台風の目というものには、なかなか遭遇しない。15年ほど前、伊勢市の友人から、
「昨日の台風はうちの上を通過したぞ。台風の目に入ったから星が見えた。」と電話があった。こればかりは台風を追いかけて移動するわけにはいかないから、うらやましかった。

 5年前ほど前の台風はどういう訳か、うちの上を通った。それほど大きくない台風で、油断していた。窓から見ていたら塀が吹き飛んでしまった。夜10時ころの事である。
 そのうちに風が止んだので、外に出て、塀の断片を拾い集めた。ついでに犬の散歩をした。空を見ると星空が見えた。ちょうど、手を伸ばした時のてのひら程度の大きさだ。公園に行った瞬間、突然先ほどまでの風とは逆の、猛烈な風が吹いて来た。犬も筆者もびしょぬれになって走って帰った。

 うっかりして、通過したと勘違いしたのだ。塀が壊れたので、それに気を取られて、台風情報を見るのを忘れたというお粗末。
 しかし、偶然にも台風の目を体感することができた。

 明後日の昼間に、大型の台風が襲来する。ちょうど伊勢湾台風のコースである。何事もなければ良いが。

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高大接続

 あと5年ほどすると、入試システムが変化することになっている。謳い文句は昔から決まっていて、入試では測りきれない能力をみるなどと言っている。果たして本当なのか、極めて疑わしい。

 筆者は長年予備校の講師をしていたので、人間の能力をみる力にはかなり長けていると思っている。事実、いろいろな場面で出会う人の人物評価は、大体当たっている。
 進学に際し、高校での内申書が大きな比重を占めるようになるそうだ。果たして高校の教師に内申力があるかということに関しては、経験上、半分ほどしか合格点を与えられない。

 生徒さんが高校の時のノートを持って質問に来た。書いてあることには目を疑うようなことがある。念の為、同一校の他の生徒のノートも借りて確かめるが、支離滅裂な説明がかなりの確率で存在する。化学を理解していない人が化学の教師をしているのだ。これは誇張ではなく、本当のことである。予備校が繁盛するのも当たり前である。そんな授業では試験には通らぬ。

 そんな教師が全権を握って内申書を書くというのは、ブラック・ジョークそのものである。AO入試というのも、単なる情実入試である。いかようにも判定できるのだ。寄付金の多い順に点数を付けても、バレることは無いだろう。
 文部科学省は、諸外国の実情を見て…などと書いているが、ウソである。筆者は若いころにアメリカに居た。当時の先生に後年会ったときに、日本の大学進学率について聞かれた。
1990年ころの数値は、45%ぐらいであった。そう答えると、
「大したものだ。日本もアメリカ並みになったね。ところで何%卒業するの?」
と聞かれた。
「その96%くらいでしょう。」と答えると、その先生は椅子から飛び上がって怒った。
「日本人がそんなに優秀なはずがない!」

 入試制度を変えて諸外国の真似をしたいなら、入れてから落とすシステムも導入すべきだ。ちなみにアメリカの卒業比率は入学生の半分以下である。

 企業の最先端で働いている昔の生徒さんに話を聞くと、私立大学の内部進学者の実力があまりにも低いので、困っているという。有名大学であっても全く駄目なのだそうだ。
 考えてみれば、一般入試で通りそうもないから、中学高校からその大学の付属学校に行くわけだ。その時点でもうダメと分かっているのだ。
 その企業での採用時に、AO入試合格者、内部進学者は申告させるようにしたらしい。

 大学入試には問題点も多少はあるのだが、一定水準以上の学生を確保するのに十分に役に立って来た制度なのだ。それを上っ面の真似をするために無くしてしまうというのは、日本の将来を危うくすると、筆者は考えている。

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衣類乾燥機

 もう30年も前からのアイデアなのだが、どのメーカからも出ないので、発表してしまう。

 ほとんどの乾燥機は電熱で洗濯物を温めつつ、空気を送って水蒸気を外に運び出す。当然のことながら、煙突が無ければ、室内は暑くなり、湿気が充満する。鉄製品はさび、カビも生えるだろう。筆者の家は、煙突を付けているので、湿気は外に行くが、消費電力量が大きい。深夜電力を活用しているが、もっとうまい方法がある。

 風呂の残り湯の熱を使うのだ。洗濯物をよく遠心脱水すれば、浸み込んでいる水の量はかなり減る。手で絞ったものに比べると、一桁以上よく絞れている。それに熱を加えながら、真空ポンプでその空間を引くとどうなるだろう。温度は低くて良い。
 蒸気圧は温度のみの関数であるから、圧力を低くすると低い温度で沸騰することになる。

 風呂の残り湯をポンプで汲み上げて、洗濯物を入れるドラムの全周に循環させる。熱が供給されるので、水は気化し、真空ポンプに吸い取られる。
 熱を供給しなければ内部は冷え、凍るかも知れない。いわゆる真空凍結乾燥だ。凍らないように風呂の残り湯で温めているわけだ。排水は冷たくなっているだろう。

 筆者の計算では35℃の湯が150 Lあれば、4 kgの洗濯物を乾燥しても、まだ半分ほど余る。
 電力は喰うが、電熱方式ほどではない。真空ポンプの寿命が問題だ。ゴミを吸い込まないようにフィルターをどうするか、が一番の問題だ。

 理屈上は非常にうまく行って、省エネルギィである。どこかのメーカが開発してくれると嬉しい。

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