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レーザーによる切断

 知り合いの鉄工所から、新しい機械を見においでよと誘いがあった。話を聞くと、新型のレーザー加工機を入れたのだそうだ。高性能だから、きっと興味があるだろうと思ったらしい。
 早速行ってみると、厚さ32 mmの鋼板をサクサクと切り出した。切ったものはほとんど熱くない。レーザーで、局所的に加熱し、そこに酸素を主成分とするガス・ジェットを当てると、鉄は燃えて飛んでいく。鉄は酸化物の融点が、単体のそれよりも低いという珍しい性質を持つから、こういうことができる。

 今度は厚さ19 mmの鋼板を切った。驚いたことに、その切り口は垂直で、切り口を下にして板が直立した。融けて飛んでいくのだから、切り口はがたがたになっているはずだと思ったが、実際は滑らかだ。以前は、切り口を別の工作機械で削って平面を出していたのだから、大幅な行程の節減になる。前の機械はせいぜい12 mm の厚さならなんとか立つ程度であったそうだ。今回はつるつるの面が出現している。素晴らしい進歩だ。

 この機械の出力は7 kWだそうだ。針先ほどの面積にそれだけのエネルギィが集中するのだから切れ味が良いのは想像していたが、これほどすごいとは思わなかった。以前の機械は赤い光で切っていたので、真鍮とか、銅は切れなかった。赤い光を反射しやすいからだ。今度の機械は、可視光ではないので、事実上なんでも切れるよ、とのことだった。ただし、純アルミニウムはだめだそうだ。アルミニウムは、赤外線から紫外線まで、連続して反射するからだ。

 昔は、酸素熔断という方法があった。アセチレンガスと混ぜて燃焼し工作物を加熱する。オレンジ色になった頃に、酸素だけを吹き出すと、鉄が燃えて飛んでいく。ただし、切り口はガスが広がるから、円錐形が移動したようになる。要するに切り口は斜めになる。だから、熟練工は、ガスの向きを傾けて、製品の方の切断面が垂直になるようにしていた。しかしそれほど綺麗に切れるものではなかった。鉄道博物館に行くと、古い機関車の台枠をそうやって切った跡が見える。厚さは4 cmほどだ。
 技術の進歩は止まることがない。

 このYahoo Blogは、来年から使えなくなるらしい。移転先を探している。良いものがあれば教えて戴きたい。
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