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むかし、むかしの江戸時代。
国許へ帰る途中、現在の山奥県の某山中で日が暮れてしまい、
山奥の一軒家で一夜の宿を取ることになった、
某藩のお侍さんのお話です。
家の主は、親切そうな老夫婦です。
何もありませんが、と恐縮しつつ、粗末ながらも心のこもった夕食や
床を、お侍さんに提供してくれました。
さて、老夫婦に感謝しながら、早めの床についたお侍さんでしたが・・・。
深夜、隣室から「ぼそぼそ」と聞こえてくる老夫婦の会話に、ふと目をさましました。
「・・・手打ちにしようか・・・いや、半殺しにしようか・・・」
炉辺の老夫婦が、真剣な表情で、物騒な会話を交わしています。
「さてはここは山賊の根城だったのか!?」
驚いたお侍さんは、慌てて刀を手繰り寄せると、そのまま、まんじりともせず一夜を過ごしました。
そして、次の日の朝・・・。
老夫婦の自分を呼ぶ声に、用心しぃしぃ、炉辺へと出て行ったお侍さん。
そのお侍さんの前に、老夫婦はにこにこしながら、朝餉の膳を運びました。
「お口に合うかどうかわかりませんが、婆さんの作った半殺しでございます」
半殺し、という言葉に目を剥いたお侍さん。
しかし、お膳の上に乗っているのは、どう見ても、もち米を餡子で包んだ
見慣れた「ぼたもち」です。
「ひょっとして、半殺し、というのは・・・ぼたもちのことか?」
「はい、この辺りのぼたもちは、もち米を半分しかつぶさないので、半殺し、といいます。
江戸のように、もち米をほぼつぶしてしまうのは、皆殺し、といいます」
「で、では、手打ち、というのは、何のことじゃ?」
「ああ、それは、うどんのことですわ。手打ちうどん、といいますでしょう?」
おじいさんの言葉に、お侍さんは漸く、自分の「早とちり」を悟った、という、
山奥県に伝わる有名な昔話です。
さて、時代は下って、数百年・・・。
先日の夕方、茶々子は母と一緒に、
夕暮れの山奥スーパーの長蛇の列に並んでおりました。
お盆ですからね。しかも夕方ですからね。混んでて当たり前。
で、茶々子母子はレジの順番を待ちながら、翌日の
「山奥県お盆定番メニュー」である「おはぎ」についての相談をしておりました。
茶々子:「茶々子は半殺しがいい」
母:「半殺しぃぃ!?お前の今の歯の状態だと、半殺しより皆殺しの方がいいんじゃない?」
茶々子:「ううん。皆殺しの方が、歯にベトベトくっついちゃって、大変。
半殺しの方が、たぶん、楽。」
母:「そりゃあ、作るこっちも半殺しの方が楽だけど・・・。
お父さんはきっと、皆殺しの方がいいって、言うだろうしねぇ・・・」
と、周りの迷惑にならないように、ひそひそ二人で相談していると、
ふいに、茶々子母子の前に並んでいたオバサンが、行列から離れました。
茶々子:「お?ラッキー☆お母さん、一人戦線離脱したよ♪」
などと会話しつつ、まったりと順番を待っていた茶々子母子だったのですが・・・。
しばらくして、茶々子、ふと誰かの視線を感じて振り返りました。
そして気付いたのです。行列から少し離れた背後で、さっきの戦線離脱したオバサンと、
スーパーの警備員さんらしき、制服のおぃちゃんが、茶々子母子の方を、
じぃぃぃっと、疑うような視線で眺めていることに・・・。
何?なんですか、その犯罪者を見るようなウタグリのまなざしは!?
こちとら、公明正大に生きておりますけど、何か???
茶々子、ちょっと迷いましたが、あとで知らないところで妙なウワサを立てられても敵わん、と思い、
母に買い物カゴを押し付けると、ツカツカと二人に近づいていきました。
茶々子が近づいていくにつれ、明らかに動揺するオバサン。身構える警備員。
そんな二人に向かって、茶々子、とっておきのメタルブラケット付きスマイルと共に
「ワタクシ共に、何か?」
と上品にお尋ねしてみました♪
オバサンはもう、顔色なしですが、さすが警備員さんは肝が据わっております。
「いえ、こちらの奥様がですね、あなた方が物騒な会話をされていたというようなことをおっしゃっているものですから、失礼ながら様子を拝見させていただいていたわけです」
と、笑いながら、ズバリ、と、とんでもないことを言ってきました。
「物騒な会話・・・?」
警備員さんの言葉に、内心ムッとしながらも、行列に並んでからの母との会話を思い出す茶々子・・・。
茶々子:「物騒な会話って言ったって・・・。明日のおはぎの話くらいしか・・・」
警備員:「おはぎ・・・ですか?」
茶々子:「ええ、もち米を半殺しにするか、皆殺しにするかって・・・
・・・・・・
あ!?あああああああああ〜っ!?
ひょっとしてっ!?」
警備員:「そ、そ、それだぁぁっ!!」
それから数分後・・・。
漸く事情を理解したオバサンに、平謝りされてる、茶々子と警備員さんの姿がありますよ・・・。
こんな会話をしてしまった茶々子母子の方にも責任がありますから・・・
と言ったのですが、どうやらこのオバサン、これまでにも早とちりや勘違いで、
何度も警備員さんを呼び出しているらしく、
「奥さん・・・あなた、半殺しと皆殺しの違いも知らんのですかっ!?」
「一呼吸おいて、よく考えてから警備員を呼ぶように、以前もお話したはずですよねっ!?」
と、メチャクチャ怒られておりました・・・。
ごめん・・・おばさん・・・。こっちにも非があるのにね・・・。
一方的に怒られちゃって、カワイソウ・・・。
先ほど調べてみたら、「半殺し」「皆殺し」という言い方は、
決して山奥県固有の方言ではなくて、冒頭の昔話も
全国津々浦々に似たような話が伝わっているようですが・・・。
皆様も、方言や、その地方でしか伝わらない言葉で会話をする際には、
くれぐれもご注意くださいませ☆
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え?本当の話ですか??警備員まで呼ばれちゃったの???
それはまた、貴重な体験をなさいましたねぇ〜。
スーパーのレジに並んでる人が、そんな物騒な会話をしていると思い込むオバチャン・・・ぼこぼこにされてる人の姿が目に浮かんだのかしら(笑)
それにしても、「半殺し」や「皆殺し」なんて、すごい言葉をおはぎに使うものですね〜!!
2008/8/17(日) 午後 1:27
その話は保育園時代によく聞かされた話です(^-^)ちなみに私は半殺しが好き♪
しっかし、どんだけ早とちりなオバハンなんざんしょ?しかも、話の様子じゃ今回が初めてではない様子・・・。
そのオバハン、妄想民族の方と見た!
2008/8/17(日) 午後 2:26
若い女性と、その母親らしき人がスーパーのレジで会話している・・・と言う状況からして
おばさんの聞き間違えか、何かの冗談だと思うのがフツーだけどね(汗)
よっぽど焦ったんだね〜
2008/8/17(日) 午後 5:35
バイクの汚い泥だらけの格好でスーパーに入ろうとして拒否された「黄色F改」です。こちらでは「半殺し」とかって言わないですよ。あれって落語のネタだと思ってました。本当に今でも使うんですね!
2008/8/17(日) 午後 10:00
初めて聞きましたよ〜。
まぁ茶々子さん、なんて物騒な!!(笑)。
ちなみに私は個人的には皆殺しにして欲しい・・・・(爆)。
2008/8/18(月) 午前 10:35
sora様☆ホントもホント。正味の話。こんなに清廉潔白に生きているのに、思わぬ濡れ衣でしたわ・・・。
コメントの内容から察するに、北九州では「半殺し」とかって言わないのですね?地方によっては「つぶあん」が「半殺し」で、「こしあん」を「皆殺し」って言うところもあるみたいですよ?今度、お菓子教室で使ってみてねっ♪
2008/8/23(土) 午前 9:45
たかゆさん☆おおっ!?仙台ではご幼少の頃から「半殺し」教育があるようですねっ!?よかったぁぁ♪
このオバハンはですね、警備員さんのセリフの端々から察するに、主に無実の人間を「万引き」の罪に陥れることが多いようです・・・。
「妄想民族」まさにそのとおりっ!!大爆笑しました♪座布団3枚さしあげましょう♪
2008/8/23(土) 午前 9:51
くま様☆そうでしょう?こんなに若くて(?)美しく、(??)たおやかな女性(???)とその母親が、もち米以外のモノを半殺しにできるわけ、ないじゃないですか!?
・・・なんだか、↑の「たかゆさん」に「妄想民族、発見!!」って言われそうな気がしてきたので、この辺でやめておきます・・・。
2008/8/23(土) 午前 9:56
黄色F改様☆おおっ!?無事にお山からバイクで生還ですか!?おかえりなさい〜!!
・・・って、店員に拒否されるくらいの泥まみれって、どんなですか!?ケガがないことをお祈りします・・・。
ひこにゃんも「半殺し」とかって言わないんですね〜。そっか、このお話、落語にもありましたね!!これをきっかけに、新生黄色F改家でも「半殺し」言い始めてはいかがでしょ!?
2008/8/23(土) 午前 10:00
若旦那様☆南九州でも言わないですか?おっかしいな〜??
そうですか、若旦那様は「皆殺し」が好き、と・・・メモメモ。
いつか、山奥県ご来県の折には「皆殺し」でご接待させていただきますね♪
2008/8/23(土) 午前 10:05
初めまして、ヤフーの検索から来ました。
この話、子供の頃母から聞いた事あります。 (;^∇^)
2012/5/15(火) 午後 9:44