或る惑星での出来事

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− 34からの 続き




ケーブルの中は、真っ暗だった。

資材の輸送用ケーブルで、血液のように原料がケーブルの中をカプセル状で流れて行く。

トータル管理なので、必要な部署で必要な量を、マザーの指示のもとで取り出される。

まるで、惑星が生き物で、そこを流れる血液のような物である。

ナビゲーターの画面だけが、妙に明るく浮かび上がっていた。

ストレートに行けば、4時間足らずで到着できるだろうが、そんなに上手く行くわけがなかった。

マザーのお墨付きである。

時々、カプセルが振動して、赤い光を放った。

検知システムに反応して、自動的に破壊したのである。

破壊された場所が復旧するには、30分以上かかるはずであった。

周りに保守ロボットが別ケーブルで移動しており、異常箇所を確認次第、復旧活動に入る。

状況は、マザーに報告されるが、原因を知らなければ、何が起こったか分かるのに時間がかかるだろう。

もちろんマザーは知っているから、異常報告を無視するだろうが、新しいマザーは、いつ気付くだろう。

そんなに長い間ごまかせるとも思えない。



− 36へと 続く (たぶん)−

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− 33からの 続き




時間が来た。

カプセルに乗って、スタートボタンを押すと同時に、救命用発信システムを切った。

胸に装着したレーザー銃、ただの銃では無い、質量エネルギー変換システムを内蔵させた究極の兵器である。

パワーを最大限に上げれば、惑星を貫く程の威力を持っている。

大気のある場所では、それをエネルギーに変えるので、無尽蔵に使える。

もちろん鉛のエネルギー弾を12個装着してある。

1個で200回以上は使える。

使い方次第で、使用回数は変わる。

最大限にパワー上げれば、1回で1個使ってしまう。

ただし、そんな事をすれば、惑星に穴が開いてしまうが。

なぜ、こんな物を持っているのだろう。

自分の部屋の隠し金庫から取り出したのだが、そんな所に金庫があることも、そんな銃がある事も知らなかった。

しかし、出発に際して、自分で取り出して、装備したのである。

手に取った感触は、使い慣れた物であった。




− 35へと 続く (たぶん)−

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− 32からの 続き





「マザー、私がカプセルで出発したら、各セクションに準備した100体ずつの対Ω−2型排除ロボットを出発させてくれ。

行き先は、第3セクションからは、X−345・Y−074・Z−851の地点だ。

第1セクションからは、相手のマザーに向かって、第5セクションからは、相手のサブマザーに向かってだ。

行動パターンは、以前にこちらのセクションが襲われた時と同じにしろ。」

『了解。』

「私が出発して、3分後にダミーのカプセルをΩ−2型にであう確率の一番低い物から順に発射してくれ。」

『ダミーが後からでは、ダミーの役割になりません。』

「だから、いいんだ。

役に立つダミーなど、みすかされてしまう。

複数のダミー進入を伴う、バリヤーの端から進入する方法と、同時進行させる。

準備に、どのくらいかかる?」

『予想時間は53分9秒後です。』




− 34へと 続く (たぶん)−

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− 31からの 続き





「マザー、Σ−13型ロボットに付いている工事用レーザービームを、ロボット検知システムと連動させて、私のカプセルに付けてくれ。

ナビゲーターに、自動でX−345・Y−074・Z−851地点に行くシステムを組み込んでおくように。

ハンディナビゲーターも用意しろ。

Σ−13型は、あと6台あったな。

同じ物を6個作って、私が乗るのと同じタイプの宇宙船用の緊急脱出カプセルに付けてくれ。

これは、ダミーとして使用する。」

『そんな事をしたら、Ω−2型ロボットだけでなく、通常の保守ロボット、排除ロボット及び進行途中のシステム全部が崩壊してしまいます。』

「構わん!

異常事態時の護身用システムだ。」

『了解。』

「カプセルのカバーだけを、内側から外せるように改造してくれ。」

『カプセルの機密性がなくなります。』

「惑星内で使用するんだ。

機密性の保持は、必要ない。

私は、システム内移動用スーツを着用するので、問題はない。」

『了解。』

「マザー、資材運搬用ケーブルの中で、Ω−2型に出会う確率の一番高い物は、どれだ。」

『S2−D773ケーブルです。』

「よし、そのケーブルにカプセルを入れる準備をしてくれ。」

『計画の成功する可能性は、ありません。』

「了解。

ダミーの宇宙船用の緊急脱出カプセルに付けたレーザービームは、点検システムに反応して、救命用発信システムと同時に作動するようにしてくれ。

点検システムの反応がなくなったら、元通りに切れるようにもしてくれ。

作業にかかれ。」

『了解。』

計画の準備は、進んでいるが、自分が何をしているのか、良く分からない。

何をしているんだろう。

考える間もなく、次の指示を出している。






− 33へと 続く (たぶん)−

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− 30からの 続き





「マザー、カプセルの移動を援護してくれ。

私は、資材運搬用ケーブルの中にカプセルを忍ばせて移動する。」

『危険です。

資材運搬用ケーブルの中では、人間の存在確認をしません。

現在の状態では、トラブルが起こる可能性は、管理範囲内で、平均1.887%の確率が存在します。

第2セクション及び第4セクションに近づけば、数値は一桁上がります。

第2セクション及び第4セクション内に入った場合は、計算不能です。

Ω−2型ロボットが、どのようなチェックを入れるかは、不明です。

マザーとして、本計画の中止要請します。』

マザーの安全システムを無視しての行動は、自動的に止められてしまう。

これをクリヤーしなければならない。

「宇宙船用の緊急脱出カプセルがあるはずだ、惑星内移動カプセルより極端に強度が大きい。

しかも、人間の存在を、知らせ続けるシステムが付いている。

これなら、問題は無いはずだ。」

『宇宙船用の緊急脱出カプセルでは、本計画の実行は不可能です。』

「かまわん、準備しろ。」

マザーが、困ったような顔をしたような気がした。

むろん、気のせいである。

マザーにそんな事をするプログラムは存在しない。

マザーは、私が出発した途端に、救命用発信システムを切る可能性が、極端に大きな数字を計算しているのだろうが、人間の行動予定については、干渉できない。

安全システムは、人間に対する具体的な危険が存在しない限りは、作動しない。

危険性を通報するか、危険性を低くする措置を施す事しか出来ない。

あくまでも、人間の指示の範囲内でである。





− 32へと 続く (たぶん)−

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