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今日はラパロ(腹腔鏡)の手術実習に行ってきた。
近年の外科領域ではできるだけ傷は小さく、それを競うような方向に向かっている。
もちろん傷が小さければ美容にもよく、術後の痛みも少なくて患者さんにとっては楽なんだろう。
学会なんか行くと、話題はラパロ一色。ラパロだけでこんなことまでできますと、技術の進歩は甚だしいが、ちょっと斜めから見ると自慢&自己満の感もあるようだ。
僕なんかもオペに関して技術まだまだだけど、時代の流れから今後はラパロができないとやっていけない時代になりそうで、今日はブタさんをつかった練習会に行ってきた。
この実習は手術器財のメーカーが主催しているもので、1日に10匹くらいのブタが使われている。完全に手術目的のブタなので、麻酔薬の影響なんかもあり、使用後に食用となることはない。
ゴメンナサイブタ君・・と思いながらもこうして医学が発展していくのだと自分に言い聞かせて、手術開始。
人間と違って内臓脂肪が少なく、それぞれの臓器がすぐにポコポコと見える。
今回は腎臓と副腎の摘除を行ったが、脂肪が無くて血管もすぐ見えるので、ド初心者の僕でもなんとかできてしまう。
で、調子に乗ってちょっと難しいことをやろうとすると、やはりちと無謀で、手こずりまくり。
これがヒトだったら・・と思うと青ざめるが、それだけ難しく、要練習であることをとっても痛感しただけでも有意義な実習となりました。
最近でこそ一般的になった腹腔鏡手術だが、開始当時は、どうしてもトラブルはつきものである。ある意味患者さんは実戦且つ練習台となってしまうが、これもやむを得ない・・。
おそらく今はラパロ評議委員のトップにいる先生方も当時は試行錯誤で辛いトラブルもたくさん経験しているはず。
でも、以前青戸病院でラパロ前立腺全摘で患者が亡くなった時、学会側は経験が無いのに無謀なオペとか、状況判断が悪かったとか、バッシング一本で、ついにその手術に入っていた医師は犯罪者扱いされ逮捕されてしまった。
お偉いさん方は自分が始めたばかりのころをちゃんと分かっているのだろうか?青戸病院の先生達は、おそらく、頑張ってラパロを導入していこうと意気込んでいたんだと思う。ラパロをやらないといけないという焦りのようなものもあったかもしれない。
そういったチャレンジ精神をもって行った結果、たしかにそれは最悪の結果であった。
が、このことを「犯罪」としてとらえることはいかがなものか?なぜ学会側は彼らを救おうとしなかったのか?非常に疑問であり残念である。
あえて言えば、その手術は約10時間で5000mlの出血があった。確かに一般的に出血量は多いが、これは適切な輸血を行えば十分生命を維持できると思う。30分で5000mlじゃない。
肝部切で12時間50000mlなんていう出血のオペを見たこともあるが、無事生還した。
見方を変えれば麻酔科が適切な術中管理を行わなかったいう意見もある。しかし麻酔科学会はその麻酔科医を十分フォローしている。
先日の学会でも、ある発表のなかで、ちょっとこれやりすぎなんじゃないの?!と言いたくなるラパロオペ症例もあった。
僕のかつての上司は、手術は安全第一、リスクを考えると傷が少々大きくてもラパロよりオープン優先主義であった。こんな危険な手術はあり得ない、いったい患者にどういう説明をしているのか、全く理解できない、自己満足以外のなにものでもない!的なコメントをズバリ発言。
会場は静まりかえった。
なんとか座長の先生が穏便に取り持ったが・・・。
確かにラパロなど、小切開のオペ技術は発達してきたが、やっぱりお腹を開けて直視下に行う手術の方が圧倒的に制度が高いと思う。もちろん、症例や部位によってはラパロの方が絶対的によい場合もあるが、要するに適応を十分検討する必要が改めて求められているような気がする。
ラパロ先進国のアメリカなんかはこんなことできるの?って言いたくなるくらい何でもやっているが、結局手術時間は長く、合併症のリスクはオープンに勝ることは無い。
結局なにがホントに良いのかはよく分からないが、流れに乗っていかないといけないんだな。
そんな時代にらぱろをやらなきゃいけないなんて辛いなーと思いつつ、もっと練習しなきゃなと焦る気持ちが出てきた今日の実習でした。
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人間だからそこに感情が入ると難しいですよね。どんなことでも見方を変えればいろんなとらえ方があるし。目標を持って「ぶれない」生き方をしたいなぁと考えさせられました。ありがとう。
2006/4/27(木) 午後 7:19 [ - ]
コメントありがとうございました。 僕も日々いろんなことに振り回されてますが、自分の信念を持っていけるように頑張りたいです。
2006/4/29(土) 午後 0:24 [ uro*ome*7 ]