花詩書家:うさぎ庵のおはなししま書♡

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…シャー物語

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あるネコの物語


大好きだったある猫と、うさぎ庵との間で
交わされた本当にあったお話です。
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今日、お昼過ぎのことだ。
家族が、「中庭に白猫が来ていた」と知らせてくれた。
ほんの少し前のこと。

私に知らせる前に自分でシャーであるか確認しようと
ガラス戸を開けようとしていた時、家族の顔を見て
去っていってしまったらしい。。

ああ、なんとも残念、無念、口惜しい話だ。
確認などせずにすぐに知らせてくれたらよかったのに、
と、ついつい不満が…。

会いたい会いたいとこんなにも懇願している人間が
会えないなんて、なかなか、モノゴトと言うのは、
ままにならないものだ。

やってきた白猫は、聞けばどうもこの間の猫らしい。
首輪もしていた、と言う。

今日もまた、にゃおんとはなとはすれ違い・・・。
ほんの少し前まで、外に出していたというのに、
お昼ごろ2匹が戻ってきたので、扉を閉めたばかりだった。
2匹は、我が家の庭から遠出することがなくなってしまった。
当初はどうなることかと思ったが、家の中での時間を
少しずつ増やすことによって、慣れてきたのもあるが、
外的から守られる安定した空間である、と言うことを
悟ったようである。。
何か変化を感じたら、飛んで帰ってくるようになったから。

にゃおんやはなは気づいているのだろうか?
シャーとおぼしき猫が来ていること。

時は春、、、ニャンズたちの恋の季節。
もし会えるとしたら、この時期しかないのでは?
そう思うときもはやって、家の周りを
「シャー?どこ?」と呼びながら回って歩いてみた。

反応は、なし、、。

空振りに終わる。
二度あることは、三度ある。
そうあることを信じたい。

シャー、、今度こそ、今度こそ、
会えますように。。

ルーリン彗星に願いを掛けてみたいうさぎ庵なのだった。

そして、このシャーと思しき猫が来る間は、
恐怖の意地悪猫ヨコシマトラオにだけは、来て欲しくない、と
思うのだった。。

あれから・・

今日は朝から雨。
昨夜からのひどい雨のその残りが降っている
といった感じだったのに、お昼には、日が差し出してきた。
ああ、これは良い感じ!と思っていたら、
いきなりの暗雲が立ち込めて、あっという間の曇天模様。。
しかも、もう少ししたら降り出しててしまいそうな天気。

我が家のニャンズ。
お昼まで、がっつり寝ていたけれど、日が差し始めたことと、
昨日のこともあって、私のほうから
促すように外に出したのだった。

昨日のこと・・・。

胸がキュンとなる、それでいて、ほんの少しばかり
心踊らされる事件があったのだ。

昨日は、個展の作品を持って、データ保存処理のお願いをしに
業者さんのところへ出かけたのだが、
嬉しい事件は、私が家を出てから起こったらしい。

実は、昨日はニャンズがやたら外に出たがった。
しかし、私も出かけるので、私が出かけた後、
何かあったとき、家族では対応しきれないこともあって
(なぜかニャンズは私以外の家族の言うことは
無視することが多いらしい・・・・(;^△^))
特に、おうちに帰っておいでコールについては・・。

一端、戸を開けたのだが、一、二メートル先を
歩き回るだけで、どこかに行こうともしないので、
「おいで」と、再び招き入れて、戸を閉めた。

そして、私は出かけたのだった。

その間に何が起こったか・・。
それは。。

このブログの初期からお付き合いいただいている方には、
ご記憶にあるかもしれないけれど、昨年パタリと音信が途絶えた
白いオス猫のことだ。

我が家には、にゃおんといつも来ていて、にゃおんのそばで
控えるように寄り添って、人間様とは、つかず離れずの
絶妙な距離を保っていた白猫・・・。
しかも、決して心を許そうとせず、警戒心を背中合わせに
引き連れた猫。

手を出した私に対して、“シャーーーッ!”と威嚇して以来、
『シャー』という不名誉な名前をつけられてしまった
尻尾の長い、どこか凛とした品格さえ感じさせる白い猫。

気立てが優しくて、いつもにゃおんやにゃおんの子供たちを
見守るように盾になってくれた白猫シャー。

優しいだけに、強く凶暴なヨコシマトラオに
何度も追われ噛み付かれ、怪我をすることも多かったシャー。

ずっとずっと心を開かなかったのに、根気よく声をかけ
接するうちに、頭をなでさせてくれるまでになったシャー。

扉の外で、来たよ、と言わんばかりに甲高い綺麗な声で、
ニャーと鳴いて、存在をアピールしたシャー。

シャーは本当に賢い猫だった。
家のハズレで出会うと、例え、私が車であっても歩きでも、
「シャー!」と声をかければ、必ず、鳴いて答えてくれたし、
「帰るよ、おうちにおいで。」と言えば、近道をしてでも
きちんと帰ってきて、いつもの場所で待っているような子だった。

シャーを最後に見たのは、足の噛まれた傷が膿んで
ジュクジュクになっていたのに気づいて、薬をつけたあの日。

その次の日から、彼はパタリと来なくなった。
その少し前から、変な咳もしていたこともあって、
心配で心配でたまらなかった。

そう、ちょうど、一年前の二月・・。
彼を見たのは、あの日が最後だった・・・。

あれから、一年が経った。
今日までも、彼のことを忘れた日はなかった。
どうか、元気でいてね、、とずっと祈るような気持ちで
過ごしてきたのだけれど。。

そのシャーが(シャーと思しき猫が)なんと、昨日、
中庭に現れた、というのだ。

中庭と言えば、シャーがにゃおんやその子達と過ごした場所。
しかも、その白い猫は、しばらく中庭で佇んでいて、
中庭をぐるっと一回りしたという。
その間、目が合った家族の顔をじっと見つめ返し、
その場を立ち去るときも、振り返り振り返り、
じっと見つめて立ち去ったというのだ。
シャーだと思った、と、家族は言った。

シャーなら、きっと、中庭に戻ってくるはずだ。
にゃおんたちの存在がなくて、ガッカリしたかもしれない。。
もし、本当にシャーなら、可哀想な事をしてしまった。
私が出かけたために、にゃおんもはなも、お外に出ていなかったのだから。
久方ぶりのご対面となれたかもしれないのに。。

家人に寄れば、その猫は、首輪をしていたと言う。
それを見て、かわいがられているのだということを
確信したらしい。。

なんだかジーンと来てしまった。

なんとも言えない気持ちが湧き上がってくるのを
どうしようもなかった。

もしかしたら、その猫は、シャーではないかもしれない。。
でも、シャーであると信じたい私がいる。
元気で、どこかの誰かに家族の一員として可愛がられている
と思うと、私としても、これほどしあわせなことはないから。

シャー。。きっと、きっとまた遊びに来てね。
この次ぎ会える時は、にゃおんもはなも一緒だからね。

シャーもどきに思いを託したい私だった。

それまで、ほんとに、元気でいてね!
また会えるよね。
信じて待っているから!
郵便局へ行く道中で、一匹の猫に出逢った。。
白い猫。。
思わず、車を止めて、気づいたときには、その猫に
走り寄っていた・・。

ブルーの首輪にブルーの可愛い鈴。

ああ、飼い猫なのね、、そう思っても、
思わず、手を差し伸べずにはいられなくて。。

「シャー・・・?」

その猫は、甲高い声で、一声

「ミャァ〜・・・」

。。と。


“シャーなの???”
気持ちが一気に高鳴る。。

シャーも良くそんな華奢な声で、私が声をかけると鳴いたっけ。。

その猫の毛並みは、私が知るシャーよりもつややかに輝いていて、
とても綺麗だったけれど。。

ただ、、とても、悲しかったのは。。

その子がシャーであるかどうかもわからなくなっている自分。。
シャーの映像は心に焼き付いているはずなのに、、、。

その子がシャーである確証なんて、何もないけれど、
でも、もしシャーだったら、幸せでいてほしいから、、、
可愛がられていると一目でわかる、その子のように。。

シャーではないかもしれないけれど、シャーであって欲しい。。
複雑な思いの絡み合い。。

そして、もしシャーではなかったとしても、どこかでこんな風に
シャーも可愛がられているに違いないという
一縷の望みにも似た感情が湧き起こってきた。。

ああ。。シャー、、あなたはきっと、どこかで幸せに暮らしているのね。。

ずっと辛かった。。
良かれとして思ってした事が、裏目に出て、
あなたは、あれから、姿を見せなくなった・・・。
ずっとずっとそれが心に引っかかっていて。。

でも、これからは、希望が持てる。。
シャーは、きっと、どこかで元気でいる!
きっとそうだ!

この子みたいに。。。
いや、この子がもしかしたら、そうなのかもしれないのだから。。

もっとそばにいたかったけれど、郵便局の閉まる時間に、、
立ち去りがたい気持ちを残したまま、その場を後にした。。


用事を済ませ、もう一度、その子がたたずんでいた場所に
急いで戻ってみたけれど、
もう姿はなかった。。


でも、私の気持ちは、不思議に晴れやかだった。。

シャー、きっと、また逢おうね♪
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