男子はレギュラーシーズン1位の東京が同2位岡山を3−1で下し、初代王者に輝いた。世界ランク10位の水谷隼(29)は同7位李尚洙に3−0でストレート勝ち。張本は同じ世界選手権個人戦(4月・ブダペスト)の代表、森薗政崇を3−1で退けた。年間MVPには水谷が選ばれた。女子は同2位の日本生命が同1位の神奈川に延長戦の末、3−2で勝ち、初代女王となった。早田ひな(18)が延長戦を含め2勝し、シングルス13勝無敗で年間MVPに輝いた。
張本は相手を揺さぶり、がら空きになった卓球台にそっとボールを流し込んだ。初王者を決めたウイニングショット。「どう喜んで良いか戸惑った」というベンチの水谷を張本が手招きし、ライトアップされたコートに歓喜の輪を作った。
Tリーグ元年。日本協会は日本卓球界の継続的な発展のため実力、人気を兼ね備えたリーグ創設を悲願としていた。女子の伊藤美誠以外は男女ともに日本人の世界トップランカーが参加し、海外からも世界トップ10の選手が複数加わった。スポーツニュースでも取り上げられるなど、競技認知度の向上に効果が出た。
選手たちは一様に「参戦して良かった」と口にした。張本は高レベルな国内外の選手と頻繁に実戦できるメリットを挙げ、17勝6敗で勝率7割以上を記録したことに「自分のプレースタイルが合ってると再確認できた。国際大会に生きる」と納得の表情。東京五輪シーズンとなる来季へ水谷は「試合数は多く、移動も北海道、沖縄もあるが、1試合1試合の成長が世界選手権、五輪につながる。来季もたくさん出場して成長したい」と前向きだった。
日本選手権の中断期間を除きレギュラーシーズンの約3カ月間に21試合をこなす日程だが、同協会の宮崎義仁強化本部長は「よく過密と言われるが、それは間違い」と言う。「卓球は超過酷スポーツではなく頭の勝負が主。頻繁な実戦が互いを高め合い、日本全体の強化につながる」と話す。
現在は4チームだが20−21年シーズンから6チームに増やす方向。継続的に世界で勝てる選手を輩出するには、子どもたちが卓球選手を目指し続けることが必要で「人気」が不可欠。同シーズン観客動員の1試合平均は1185人で、理想だった2000人には届かなかったが、約20億円のリーグ運営収支はほぼ均衡となった。日本が卓球王国となるサイクルの重要な要素として、Tリーグはまずまずのスタートを切った。【三須一紀】