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三月ですね。というより無理やり三月が来たみたいです。29日30日31日の三日を端折ってしまいました。今月は確定申告や展覧会でたぶん修羅の三月になりそうです。
さてあずま下りの折、せんの火曜日の朝、ホテルのベッドで読んでいた本が「しゃべれどもしゃべれども」佐藤多佳子著(新潮文庫)、時計代わりのテレビからみのもんたのだみ声が聞こえてきます。
「しゃべれども・・」は落語を舞台にした小説です。ふっとテレビの声が聞こえてきました。見ると三遊亭円楽が出ていて、引退するという話です。落語の小説読んでいて、三遊亭円楽がでてくるなんざあ 面白い偶然です。
円楽は病から復帰して高座に上がっていましたが、「ろれつが回らなくなった」ということで引退するとか。
名人三遊亭志ん生だったらろれつが回らなくっても良かったのでしょうが、もうかたやの名人圓生の弟子の円楽にとってはろれつが回らないのは致命的だったのでしょうね。
若い時 私は圓生の落語が大好きでした。その落語は格調高く品があって、笑わせるというより聞かせる落語でした。その弟子の円楽もその流れをくんでいて、一度東京のイイノホールの独演会を聞いて、武士の語り口をやらしたら日本一だと思いました。
もう聞けないと思うととっても残念です。
年を経て志ん生が好きになり、今は、かってあまり興味のなかった関西落語の鬼才桂枝雀にぞっこんです。
さてこの正統派の落語家をめざす青年を主人公にした小説が「しゃべれどもしゃべれども」です。対人恐怖症、口べたな数人の男女や子供に落語を教えることで立ち直らせる物語が経糸で、落語の世界を割としっかり説明した横糸と絡んでとっても読み口の良い物語に仕上がっています。
「本の雑誌が選ぶ年間ベストテン」1位、国分太一主演で映画化もされるとか。
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