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映画と文芸のスクランブル
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彼女がその名を知らない鳥たち/沼田まほかる(著)
 
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八年前に別れた黒崎を忘れられない十和子は、淋しさから十五歳上の男・陣治と暮らし始める。下品で、貧相で、地位もお金もない陣治。彼を激しく嫌悪しながらも離れられない十和子。そんな二人の暮らしを刑事の訪問が脅かす。「黒崎が行方不明だ」と知らされた十和子は、陣治が黒崎を殺したのではないかと疑い始めるが…。衝撃の長編ミステリ。 (「BOOK」データベースより)
 
 
 
沼田まほかるの第2作目、2006年の作品です。『ユリゴコロ』ですっかりファンになって以来、過去の作品も徐々に読んでいます。今回は電子版で読みました。
『九月が永遠に続けば』ほど、アクが強くなく、どちらかと言えば『ユリゴコロ』に近い、恋愛ミステリー。最後には泣かせてくれる作品です。
 
たぶん、ミステリだろうか、と思って読み始めたのですが、途中まで犯罪など何も起こらず、これは単なる男女の三角関係の小説かと思いきや、
小説の中盤で、かつで酷い目にあわされた男、黒崎が五年前から失踪している、と言って、警官が現れたところから、謎がどんどん深まっていきます。
 
黒崎は失踪しているのか、もしかして殺されたのか?
なら、誰に?
十和子の、日常のこの非現実感はどこから来るものなのか?
 
この作者の場合は、ミステリと言っても、物質的なトリックではなく、そこに心理があり、恋愛があり、一筋縄ではいかないプロットがすごいんですよね。ネタバレを避けようと思い、ストーリーには触れられないのですが、またしても沼田まほかるにやられました。
 
ラストの1頁だけで涙が止まらなくなる小説。醜男の純愛ものです。
くれぐれも、絶対、最後から読まないように。
 
 
文庫版
文庫: 389ページ
出版社: 幻冬舎 (2009/10)
ISBN-10: 4344413784
ISBN-13: 978-4344413788
発売日: 2009/10
 
 

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