丑の戯言 栗田英二

体調不良につき、プロク゜投稿も途絶えがち

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 昨夜半、目的もなくテレビを点けたら、驚嘆すべき場面が映った。
 NHK/BS《東京JAZZ2008》の録画だ。

 それだけで驚嘆したわけではない。

 オーケストラの中央で演奏するピアニストを見ると、
 なんとしたことか、あのハンク・ジョーンズではないか!

 かなり高齢であることは知っていて、
 しばし忘れていたジャズ・ピアノの巨星だが、なおも健在だったのだ。

 わざわざこのジャズ・フェスティパルのため来日し、
 舞台に出ていたとは、寡聞にして知らなかった。

 確か現在、90歳のはずだ。

 連日のように催されたこの日の公演のひとつは、
 N響とジャズメンの共演のようで、交響楽団の団員がずらりと囲んでいる。

 そこで、この老ピアニストを中心にして演奏されたのは、
 「ガーシュイン特集」とも言うべきもので、
 ジョージ・ガーシュイン作曲の名曲を続けて聴くことができた。

 ハンク・ジョーンズはそのとき、穏やかな所作で、
 鍵盤を撫ぜるように叩き、やさいし音を紡ぎだしていた。

 それを偶然、ブラウン管を通して観られただけでジーンとしてしまった。


 それも、個人的な思い入れがあったからだ。

 かつてジャズクラブに出入りしていたころ、
 テナーサックスの尾田悟さんと知り合い、何度か聞かされたことがある。

 この人がいつも主張するのは、
 「ジャズのメーンストリームを貫きたい」だった。

 そして、その師と仰ぐのは、第一にハンク・ジョーンズと言う。
 モントレーその他のジャズ祭で知り合った仲のようで、
 よほど気が合ったばかりか、奏でる楽器こそ違え、影響を受けていたのだ。

 以来、ぼくはこのジャズ・ピアニストのことが念頭から離れず、
 CDやジャズ専門誌などでその演奏ぶりを吸収しようとした時期がある。


 でも、その名を知ったときには老齢に達していたこともあり、
 忘れかけていたぐらいだった。

 それが予期せぬテレビ番組を通して拝顔できたのだから、
 感激し、驚嘆もしたのだった。

 はるか昔、ペニー・グッドマンの楽団でデビューし、
 戦後、マイルス・デイビスやチャーリー・パーカーなど、
 一世を風靡したジャズマンと組んだりもしている。

 そんなハンクは今や化石のようになってしかるべきだろうが、
 なおも現役を貫いているだから。



 蛇足ながら、そこでふと思い至ったのは、
 「音楽家は、よほどのことがない限り長命を約束されている」だ。

 ことに指揮者とピアニストは、神経をすり減らすのはもちろんだが、
 指先・手先を細かく運動させることによって寿命を延ばしている、
 と愚にもつかぬことを考えた次第。

 なお、《東京JAZZ2008》は今週金曜まで連夜放送される。

閉じる コメント(4)

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oo

2008/10/8(水) 午後 9:20 [ dilght ]

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ジャズのことはわからなくても、熱く語る筆者の息遣いが伝わってきます。ささやきに近い音色に、うっとりと聴き入ることもあります。老ピアニストのなでるような演奏を想像しながら、素敵な写真に見入ってます。

2008/10/10(金) 午前 7:54 [ 門外漢 ]

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http://jp.youtube.com/watch?v=1oAhhJtSL6o
栗田さま、こちらですね♪
なるほど、納得です♪

2008/10/14(火) 午後 4:25 [ ポコアポコ ]

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Sachiさん すごい! 再びあの日の演奏を映像付きで聴けたなんて。
テレビで観たときは寝ぼけていましたが、ハンク・ジョーンズだけでなく、ロン・カーターなど来日の大物プレーヤーも出演していたんですね。
ありがとう!

2008/10/14(火) 午後 6:14 [ eiji ]

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