丑の戯言 栗田英二

体調不良につき、プロク゜投稿も途絶えがち

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 札幌ドームでの日本ハムファイターズと西武ライオンズの3連戦。

 第1戦は延長の末、西武が勝ち、第2戦もまた延長にもつれこんだものの、
 日ハムがスレッジ選手のサヨナラ犠牲フライで勝ち、1勝1敗。

 それに続く昨日の第3戦も9回まで決着がつかず、
 最終12回まで熱戦がもつれこんだ。

 その回の裏の一死後、いつもの"稲葉ジャンプ"が巻き起こるなか、
 三番の稲葉選手がいつもの軽い素振りをして打席へ。

 そして、初球を叩くと、よもやの右中間ホームラン!
 ダイアモンドを一周してきた当の稲葉選手に同僚たちが乱暴に抱きつく。

 歓喜の波は、4万人を超す観衆にも広がる。

 イメージ 1       


 さて、それからだ。

 恒例のヒーロー・インタビューが始まった。
 途端に、異常な場面がテレビに映し出された。

 お立ち台に上った稲葉選手にマイクが向けられた途端、
 「このところチャンスに打てなくて……」と話しただけで、
 絶句してしまったではないか。

 
 帽子のツバを深く下ろし、数秒間の沈黙。
 湧き出る涙をこらえ、冷静さを取り戻そうとする36歳のプロ野球選手。

 テレビ観戦中のこちらにも、その感情が移入され、
 涙があふれ出してしまった。

 確かに最近数試合、主軸の稲葉選手は不振だった。
 ここぞというチャンスに不甲斐ない三振や凡打を繰り返した。

 3月のWBCから休みなく続く出場で、
 疲れが取れていないと思わざるを得なかった。

 しかし、本人はそんな言い訳で甘えるようなプロ選手ではないはずだ。
 それに今シーズンから主将に推されたばかりだ。

 当然、不振の責任をひしひしと感じていたに違いない。

 それが昨日の劇的サヨナラ・ホームランで、
 重く厚い責任を見事に果たしたのだった。

 その感慨の深さは、想像して余りある。
 お立ち台での絶句と、あふれる涙がそれを物語っている。


 どんなスポーツにも、人間的なドラマは付きものだが、
 日本ハムをひたすら応援しているぼくにとっても、
 そのドラマの渦に巻き込まれるのは、非常に心地いい。


 日本ハムと言えば、今シーズン早々、驚きともつかぬ異変がある。

 万年9番バッターのような金子誠内野手が獅子奮迅の活躍をしていることだ。
 闘志をあまり表に出さず、職人のように黙々とプレーするが、
 今年は駆け出し早々、打ちに打ちまくっている。

 7試合連続二塁打で日本記録を築いたり、
 短期的にせよ打率5割台を維持したりもした。

 守備では名手間違いなしだが、打撃面でも生まれ変わったらしい。

 想像するに、読売巨人軍からの井岡選手の移籍が無関係ではあるまい。
 社会面記事を賑わせたとはいえ、この有名選手は金子と同じ遊撃手としても、
 打撃面でも評価を得ている。

 金子選手としてはチーム内にライヴァルが出てきたと感じているだろう。
 そこで発奮し、名人的な守備に加え、打撃面でも飛躍したといえそうである。

 加えて、昨シーズンまで長く勤めていた選手会長の任務を
 田中賢介選手に交代したのも、重荷を下ろした。

 新主将になっての稲葉選手の責任感、
 片や選手会長を降りた金子選手の開放感、
 そんなところにもドラマの背景が見え隠れするではないか。

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