|
西部劇映画への郷愁は相変わらず根強く、
こんどは『折れた矢』を再見した。
1950年製作だから、西部劇でも古いほうだが、
関心の的は、インディアンをどのように描いているかだ。
内容は毎度のことながら、白人(軍隊)とインディアン(スー族)との対峙。
主役のジェームズ・スチュアートは元軍人で、
砂金採りでアリゾナ地方をさまよっていた。
その途次、負傷したインディアンの若者を助ける。
それがきっかけで、その地を支配するアパッチ族の酋長に面会を申し入れる。
その狙いは、白人対インディアンの和平にあった。
この酋長役を演じるのがジェフ・チャンドラー。
その際、アパッチ娘にまじないを受けると同時に、
互いに恋心を抱くようになる。
そんな展開で前半が過ぎるが、
要は砂金採りと酋長との間に信頼感と友情が深まるのがミソ。
それが長じて白人とインディアンの間に、
一時的な休戦協定が結ばれる。
ところが、一部のインディアンが白人を襲う事件があったり、
白人のなかでインディアン皆殺しの動きも出てくる。
この襲撃で砂金採りと結ばれたインディアン娘も殺される。
そんな動きに怒り、絶望した砂金採りは、単身で山の彼方に去っていき幕。
それでも全編に流れているのは、
先住民のアパッチ族に対する好意的で温かい視線だ。
彼らへの理解を深めようとするシーンが随所にあるのでも、それが分かる。
西部劇というと、先住民が無残にも撃ち殺されるのか通り相場。
そんな50年代にあって、この映画は異色と言えただろう。
配した俳優にも、そんな思想が表れている。
なんといってもジェームズ・スチュワートが演じると、
それが強調されるようである。
温厚で信義に篤い容貌と演技は、やはり天下一品。
これを演じた後、『怒りの河』(監督アンソニー・マン)や
『ウィンチェスター73』(監督同)にも主演しているが、
その感触はやはり温かい。
一方、『折れた矢』の酋長役ジェフ・チャンドラーは、
本来は白人だが、正義を重んじるインディアンになりきり好演している。
50年以上も前に製作された作品だが、
早くから西部劇の殻を破ろうとしていたのが再認識できた。
|
西部劇映画、ボクも好きです。
『折れた矢』久々に観てみたくなりました!!
2009/8/25(火) 午前 11:38 [ すなべしょう ]
監督はてっきりアンソニー・マンだと思い込んでおりましたが、デルマー・デイヴィスなんですね。いずれにしても、スチュワートの温厚な個性がよく出た、素晴らしい西部劇だと思います。
2009/8/25(火) 午後 10:58
すなべしょうさん お薦めしますよ。
ぼくの目的のひとつは、デボラ・パジェットを観ることでした。
数十年前、野性的なスターだと認識し、惚れ込んだものですから。
でも、数十年後にあらためて鑑賞したら、少しがっかりしちゃったりして。こっちがトシを重ねたせいですね。
2009/8/26(水) 午前 11:22 [ eiji ]
クレオパトラさん いやあ、デルマー・デイヴィスの名前をご存知なのは、さすがですねえ。
ぼくは思い出そうとしても思い出せなかったものですから。
アンソニー・マンなら、ぶるっと来るんですがねぇ。
2009/8/26(水) 午前 11:25 [ eiji ]