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ちょうど終戦記念日に『赤い鯨と白い蛇』という邦画を鑑賞した。 この日に合わせて映写会が催されたもので、会場は藤沢市民会館内のホール。 予備知識は、房総館山を舞台にした太平洋戦争にまつわるドラマという程度だけ。 ただ、この題名に興味をそそられて出掛けたのだ。 物語は、老境にある婦人が戦時中に疎開していた館山を訪ねるところから始まる。 孫娘と一緒で、かつて暮らしていた大きな古い家に辿り着く。 以下、その家に住んでいる家族と、かつて住んでいた別の婦人も現れて、 老若5人の女が同じ屋根の下で数日間、一緒になる。 物語は老婦人を中心に展開されるが、その内容は省こう。 要は、房総半島の先端に位置する館山や洲崎周辺は、 太平洋戦争の末期、海軍の諸施設が築かれたそうで、再認識させられた。 特殊潜航艇の基地もあり、若い兵士たちが出撃して帰ってこれなかった。 前記老婦人の想いは、そのひとりに関する思慕にある。 題名の『赤い鯨』は、潜水艦などが海上で夕陽に照らされたときのイメージを表し、 片や『白い蛇』は家を守り、平和を願う伝説的な動物ということだ。 この映画が主張しているのは、平和への希求となるだろうか。 監督は女流のせんばよしこ、主演は香川京子、浅田美代子、樹木希林など。 製作は2005年。 ところで、この映写会で手渡された資料を見て目を開かされた。 ひとつは『本土決戦と藤沢の戦争遺跡』というもので、 この一帯も戦争末期、連合国軍の上陸に備え、防衛施設が築かれたことを知る。 とりわけ海岸地域に集中的に設営されたそうで、 空爆と艦砲射撃に耐える洞窟式地下陣地が重点になった。 とくに米軍は湘南海岸と九十九里浜から上陸し、 首都東京の制圧に向かうと予想されていた。 これに対抗するために設営されたわけで、これを〈決号作戦〉と称した。 ところが、この作戦が実施され、防衛施設などが整備されたのは、 昭和20年4月というから、敗戦=終戦の数ヵ月前ではないか。 ともあれ、房総館山や湘南海岸一帯には、 洞窟式地下陣地を含む数多くの戦争遺跡が残されているというわけだ。 藤沢市内だけで約30もの特殊地下壕が残され、 危険なのでそのまま埋め戻され、出入り口が確認される程度という。 この資料の別紙には、江ノ島砲台跡や藤沢海軍航空隊跡が示されており、 これら貴重な戦争遺跡は、政争の悲劇を風化させないためにも、 保存の必要性が叫ばれている。 これに合わせてか、『藤沢の戦争遺跡』展が市民会館で開催中だし、 『館山戦争見学遺跡ツアー』が9月11日に催される。 いずれも戦争の悲劇を風化させないため有効であろう。
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3年前にヨット仲間と4月頃だったか舘山に一泊旅行をした折にこの塹壕を見学しました。ほんとに驚きましたよ!舘山の海上自衛隊のヘリコプター基地を見学したあとだけに印象が強く残りました。
ガイドさんもいますのでご自身の車で久里浜から浜金谷に渡ってはいかがですか?そして舘山から7分くらい離れたサーファーのメッカ、相浦海岸に行かれるのもいいですよ。10数年前にテレビドラマで有名になった場所です。その近くの民宿は安くてしかも獲れたての美味な魚尽しを食べられますよ!
布良もすぐそばですが、福田蘭童・石橋エータロー親子の別荘がありました。
蘭堂の父親は青木繁という海の幸という絵で有名な画家です。3週間前もヨットで行きました。
2010/8/17(火) 午後 5:24 [ ひょうたん島 ]
『赤い鯨と白い蛇』は、岩波ホールでの試写会案内が来ていたような気がしますが、当時東京にいなかったため見損ないました。
せんぼんよしこ(千本福子)さんの初監督作品として、注目されていたようです。
終戦記念日前後にさまざまなイベントが催されているようで、丑さんもよい映画を観ましたね。
千葉館山だけでなく、湘南海岸にも洞窟式地下陣地が造られていたと知り、追い詰められた日本軍の哀れさがつのります。
ただ、アメリカ軍はあらかじめこうしたものを予測していて、上陸前に徹底的に爆撃するとの話も聞きました。
映画自体の評価はわかりませんが、赤い鯨(夕日を浴びた特殊潜航艇)と白い蛇(旧家の守り神)の詩的イメージが、共感を呼びます。
よい映画をブログに取り上げていただき、玉音放送を直に聞いた身として感慨ひとしおです。
2010/8/17(火) 午後 6:34 [ 門外漢 ]
ひょうたん島さん その"現場"を実際にご覧になったとは!
その近くに自衛隊のヘリコプター基地があるというのは、戦後何十年経っても軍関係の施設として活用されているんですね。
ぼくら、房総半島は陸路では遠いので、足を延ばすのが厄介ですが、上記プログに記した『館山戦争遺跡ツアー』では楽に行けそうです。
藤沢駅前に集合し、横浜新道〜横浜高速〜東京湾アクアライン〜国道127号線を経て3時間半ほどで到着するそうですから。
それに参加するかどうかは、まだ決めかねていますが。
2010/8/18(水) 午後 1:10 [ eiji ]
門外漢さん この映画をご存じの方がいらしたとは、ちょっとした感激です。
確かに岩波ホールで上映するのにふさわしい作品で、鑑賞したくなる人は限定的でしょうが、今後もじわじわと広がってほしい作品ですね。
それにしても、米軍か連合軍がもし、房総や湘南を海上から集中的に
艦砲射撃をしていたら、海沿いの地区がどれほど破壊されたでしょうか。
8月15日を以て終戦となったことが、いまから思うと、せめての僥倖だったように思えます。
2010/8/18(水) 午後 1:19 [ eiji ]