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翌朝、名瀬を後に島を南下する。
目指すは、瀬戸内地区の古仁屋という部落だ。
そこへ行くには、島を貫く高速道で1時間ほど。
しかし、そんな無味乾燥な道を突っ走る気はない。
地図を広げてみると、海沿いに細そうな県道が続いている。
どうせならこれに限る。
やはり海沿いのドライブは快適で、右に真っ青な海を眺めつつ、
空いた道を快適に走る。
さて、古仁屋に入ったらしいが、目指す民宿が見当たらない。
公衆電話をかけると、おばさんが迎えにやってきた。
案内されたのは、どうということのない宿で、
そこに2泊しなければならない。
着くなり早々に夕食が出てきた。
まあまあの内容だが、やっと空腹を満たすことができた。
そうしてぼくは部屋に入り、早々に眠ろうとしたら、
娘がどこかへ消え、しばらく帰ってこなかった。
翌朝、訊いたところによると、宿の前の道端で、
地元の若者たちと「だべっていた」とのこと。
おやじに負けず劣らず旅慣れた一面を知らされたようだ。
ともあれ、短かったような島旅も、いよいよ最後の日。
足掛け6日のこの日、夕方の航空便で帰京することにしていた。
レンタカーは空港近くで返せるので、そこまでまた島を北上する。
天気は優れず、快適なドライブはできないが、時間的に余裕がある。
それじゃあ空港近くの海辺に行ってみようとなった。
行く手に笠利地区の海岸があり、広々としているようだ。
そこまで突っ走り、砂浜にクルマを置いて浜へ。
そして、先へ行っていた娘が歓声をあげた。
何かを発見したのだろう。
「どれどれ」とぼくもそっちのほうへ走っていくと、
アジサシが飛び回っているではないか!
しかも、1羽や2羽ではなく、群れをなしている。
このスマートな水鳥を観察するのも、娘の目的だったのだ。
よかった、よかった。
さて、これを潮に空港に行き、機中の人となると、
あっという間に鹿児島空港に降り立ち、すぐさま羽田空港行きに乗り換え。
そうして機中のぼくらは、だんまりするばかり。
楽しかった旅であればあるほど、帰路は切なく、はしゃぐ気もなかった。
(画像はグーグルより抽出)
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