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司馬遼太郎原作『坂の上の雲』の第3部が今夜、NHKテレビで観られる。
それに先立ちここ数日、その前の巻が再放映それていたので鑑賞した。
従来、大河ドラマをあまり観ないほうだが、あらためて観たわけ。
で、まず感動したのは、バックに奏でられるテーマ曲だ。
ドラマの出だしにの耳を傾けると、なんとも心地良く、
しかも明治時代を彷彿させる主題曲ではないだろうか。
字幕を見ると、作曲は久石譲とある。
「ああ、やっぱりそうか」と合点できた。
その曲調を文字で伝えるのは難しいが、このドラマの時代背景、
つまり、明治に入り我が国が列強諸国に追いつこうとの気概に燃え、
若々しい情熱と夢を抱きつつ進み行く様が浮かび上がってくるのだった。
それこそ「坂の上の雲」を仰ぎ見るように。
そんな若き日本を浮かび上がらせるのがこの曲調ではないだろうか。
この主題曲には「Stand Alone」との英名が付けられ、
かのサラ・ブライトンがハミングで歌っているのもいい。
作曲者の久石譲は、そういえば他の作品でも耳に馴染んでいる。
主にテレビを通してだが、東急グループを始めとする
名だたる企業が提供する番組のCМ曲が思い起こされる。
どれも力まず穏やかで、優しく囁くような曲調なのだ。
何もスポンサー付きでなくても、この作曲家の音を紡ぎ出す才能は、
非凡なものがあると感じさせられる。
そっと心の琴線に触れるような曲調は、一度聴いたら忘れられない。
それで気になったので、同氏の略歴などをネット検索してみた。
すると、豊富な実績がたくさん出てきた。
とりわけ、宮崎駿監督のアニメ映画の作曲が抜群に多く、50本以上。
記憶に新しいのでは『崖の上のポニョ』があり、
背景音楽がいかにその物語を盛り上げたかが思い出される。
とかく作曲家というと、現代では歌謡曲か、それに準じるような曲で、
名を成している人は少なくない。
そんななかで、久石譲は別の道を歩いているようで、
でも、人の心を打つ音楽を作り出していることを再認識させられる。
ところで、『坂の上の雲』に話を戻すと、
こんなに壮大で豪華絢爛たるテレビドラマが今までにあっただろうか。
原作の素晴らしさもあろうが、配役もまた、すごい。
主人公の秋山兄弟を阿部寛と本木雅弘、正岡子規を香川照之が演じており、
ぼくはこの三氏を日本の男優では以前から好感を抱いている。
他の男優と女優の顔ぶれも、これ以上ないと思えるほど適役だ。
NHKドラマ部門が総力を挙げて取り組んだのだろう。
きょうからまた、この大河ドラマをじっくりと鑑賞しよう。
【追記】昨夜、『坂の上の雲』を観たところ、頭記のテーマ曲は流れず
別の曲が冒頭から耳に入ってきました。
「第三部」からテーマ曲を替えたのでしょう。
残念ではありましたが、新しい曲にも馴染みましょう。
(12月5日 記)
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