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寒くともうららかな日、ラジオから『春の海』が聴こえてきた。
言うまでもなく宮城道雄の作曲・演奏による筝曲だ。
8分近くもあるこの曲に耳を傾けていると、眼前にのどかな春の海が広がってくる。
なんと素晴らしい叙景曲であり抒情曲であろうか。
合いの手に尺八の音が入るのも、景観を広げているように感じる。
何よりもこれぞニッポンの海だ。
この筝曲が静かに耳に入って来るのは、新年の定例ともなっている。
今年こそ海はこのように穏やかであってほしいと願うばかりに。
宮城道雄は神戸の出身で、8歳で失明する前、
瀬戸内で小舟に乗りながら、海の景色を楽しんだとか。
それが脳裡に焼き付いており、後に楽曲をするようになってから、
音で表現したのが『春の海』だったそうである。
昭和の初期だった。
以来、この自作自演の楽曲は日本中を巡り、人々の心を癒していった。
そればかりでなくフランス人バイオリニストによって欧州にも広まったとか。
しみじみ聴いていると、叙景性と抒情性に加えドラマも包含しているようだ。
だからこそ多くの人々に愛され続ける筝曲と言えるだろう。
と同時に思うのは、そんな海も海底に大地震が起き、
つれて大津波が発生し、沿岸を襲うこともある。
そこになんとも言えぬ矛盾を感じ、自然の摂理はなんとむごいことかと思わざるを得ない。
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『春の海』は名曲ですね。
12月の喧騒にはまったく似合いませんが、31日から一夜明けて元旦になると毎年ラジオやテレビから流れ、空気が正月のゆったりしたものに変わってしまう。それはまるで日本の太古から日本そのものと共にあったかのように錯覚させられるほどで不思議ですね。
きっと日本人の集合無意識の何かと連動しているのかもしれません。
私も大好きな曲です。
知恵熱おやじ
2012/1/14(土) 午前 5:27 [ asa*ka* ]
知恵熱おやじさん 『春の海』の素晴らしさに共鳴してくれて嬉しいです。
しかも「日本の太古から」と表現されいるのは、まったく同感です。
そして、聴いていて感動するのは、盲目の人の感覚の鋭さにあります。幻のような思い出を辿りながら作曲しただけに、かえって夢幻の景色が眼前に広がったのでしょう。
ついでながら、本年もよろしくご指導願います。
2012/1/14(土) 午後 4:04 [ eiji ]
[春の海」は吉田清風の尺八バージョンとルネシュメーのヴァイオリンバージョンの2パターンがありますが、わたしはヴァイオリンのバージョンがお気に入りです。NHKの「名曲アルバム」においてはフルートによる演奏でした。
この曲は「海辺の巌」に因んで作られた曲ですが、さざ波や鳥の鳴き声などをイメージして発表していますが、かなり外国の曲を引用したように思えます。
ともかくいい曲ですねえ。
2012/6/9(土) 午後 8:20 [ 百瀬 稔 ]
百瀬 稔さん こんな古い投稿にコメントをいただき、びっくりしましたよ。
「音楽」の分野を辿っていったら、拙稿に出合ったのでしょうか。
ともあれ、宮城道雄は素晴らしい作品を残してくれました。
和風であれ、西洋風であれ、わたしどもの心に直に届くような曲は、不滅でしょう。
今後ともよろしく!
2012/6/10(日) 午前 11:41 [ eiji ]