丑の戯言 栗田英二

体調不良につき、プロク゜投稿も途絶えがち

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 カラオケで気分良く歌えたのは、平成11年、広島へ出向いたときだ。

 甥の結婚式に招かれたわけで、事前に「何か歌ってほしい」と頼まれていた。
 ぼくは熟慮のうえ、『♪新妻に捧げる歌』を事前に伝えておいた。  
 
 江利チエミが歌ったことで知られた曲だ。

 さて、広島市内の披露宴会場は予想以上に広く、列席者も多かった。
 そうなると、ぼくは張り切る。

 だけど、この曲を人前で歌ったことはなく、不安もあったけれど、
 出番が告げられ、ステージに上がると、カラオケのマイクが渡され、気分が落ち着いた。

 事前に練習はしていなかったが、とにかく心を込めて熱唱したのだった。

 
 その前後のことで忘れられないのは、その甥の父親、つまりぼくの義弟の話だ。

 「お兄さんの歌は、調子が外れているようで、最後には辻褄(つじつま)が合っている」と辛辣。

 彼は学生バンドで、それなりに修練しているので、まったく言うとおりだ。

 自分でもリズム感に弱いとか、発声法を学んでいないとか、楽譜を読めないことは分かっていた。

 ならば、自宅で秘かに練習すれば良いと思えそうだが、誰もいない所で歌うなんて出来ないのだ。

 聴いてくれる人がいなければ、歌う気になれない性質(たち)なのだろう。


 ともあれ、歳が60代を過ぎ、70代になっても、歌うことは忘れられない。

 そうして幸いなことに、同好の士に恵まれている。

 3人か4人集まったときなど楽しい飲み食いが済めば、カラオケの店へ行く。
 そうして代わるがわるカラオケ・マイクを握り、得意の喉を披露するのが通例だ。

 そして、誰しも一人前の歌手のように巧みに歌う。
 自宅で秘かに練習しているのではないかと思わせるほどだ。

 そんな「カラオケ大会」が年に一度か二度、実現するわけで、誰もがそれなりに上達している。


 その集まりとは別に一時期、男女が混じって歌う機会があつた。

 20人ほどの会合で、歌は余興に過ぎず、別に目的があったけれど、
 会費を払って、いそいそと出席したものだ。


 その集まりも下火になったが、歌う意欲は、ぼくのなかでまだ燃え続けている。

                                       (おわり)

猛暑のローマでは?

 当地・湘南では連日、うんざりするような猛暑続きだが、イタリアではどうだろうか?

 そんな様子を伝えてくれるような画像がローマ在住の娘から送られてきた。

イメージ 1


 上がそのひとつで、ローマ近郊の海水浴場のワンショットだ。

 ともかく、かの地は連日37〜38℃の猛暑続きだという。

 そのせいか、街中では午後1時から5時ぐらいまで多くの家では雨戸(?)を閉めて昼寝を決め込み、
 暑さを凌いでいるそうである。

 そんなわけだから、戸外を歩いている人は滅多にいないという。

 他方、海水浴場で過ごす人は多いようで、なんとも羨ましい光景ではないか。

 とりわけ澄んだ青空がいかにも真夏らしく、人々は浜辺で時を過ごしているようだ。

 空がこんなに真っ青に澄んでいるのは、湿気が少ないからだろう。

 こちら湘南では青空が広がったとしても、こんなにすっきり晴れ渡りはしまい。

 それと海水に浸かって涼を求める人たちがいてもよさそうだが、
 送られた画像からは、日本流に言う海水浴客なんて見当たらない。

 「海水浴場では芋を洗うような…」という表現があるが、それとは無縁ようだ。

 うらやましくなってしまう。

イメージ 2


 季節は遡って6月、ローマでの公園のワンショット。

 場所や名称は分からないが、ローマ中心部からさほど遠くない所の公園だろう。
 人の姿、とりわけ観光客などは見当たらないから、有名ではない所かもしれない。

 そうであっても、というより、それだからこそ静謐で、こぢんまりした公園のようだ。

 そんな場所で、ひととき読書をしたり、携帯ラジオでイヤホーンを通して
 音楽でも聴くのも素敵ではないだろうか。

 ともかく、人々がゆっくりと過ごすのに好適な地が用意されているのだ。

 ぼくも久しぶりにローマに行きたくなってしまう。
 会社勤めをしていた頃、盛大なパーティーかセレモニーか、そんな集まりに出席することもあった。

 例えば、大手の造船所で新造船が完成すると多数の人たちが参集し、一種のお祭りとなる。

 造船所の関係者はもちろん、発注主が外国企業だと外国人も多く出席する。

 海外から夫人同伴のケースも多く、それなりに賑やかさがある。

 とりわけ進水式の前日に催される前夜祭がぼくにとって楽しみだった。
 盛大に飲み食いできるし、余興にしゃしゃり出る機会もあるからだ。

 とくに忘れられないのは、瀬戸内地区の、ある造船所でのことだ。

 その新造船の発注主がドイツ系企業でもあり、ドイツから多数のゲストが夫人同伴で招かれていた。

イメージ 1

 その前夜祭が地元の大きな料亭で催された。

 当然、歌や踊りの余興も入るわけで、そんな場に立ち会うと、むずむずしてくるのがぼくの本性だ。

 そこで遂に飛び出してしまい、アカペラで歌ったのは『♪ローレライ』。
 「なじかは知らねど……」で始まる邦訳ではなく、ドイツ語で……。

 大学時代、ドイツ語を少し齧っていたし、その歌詞を覚えていたからだ。


 もうひとつ、造船所での行事で忘れられないのは、長崎でのことだ。

 やはり盛大な前夜祭があり、その二次会で近くのナイトクラブに繰り出した。

 そうしたら何か歌うよう指名されたので、土地柄もあって『♪長崎の鐘』を絶唱するに及んだ。
 藤山一郎よりも低音だが、好きな曲なので、思い入れを込めたつもりで。

 そして、歌い終わって席に戻ると、いかめしい男が近付き、握手を求めるのだった。
 後で気付いたのは、彼は地元の顔役で、数人の子分を引き連れてやってきたのだ。


 そんなこんなが思い出されるが、そうこうしているうちに世の中は「カラオケ時代」へ。

 生演奏ではなく、機械的な音源で歌うなんて気が進まないけれど、世の趨勢には抗しきれない。

 昭和も60年代に入っていた頃で、思い起こすと、その当時、新宿の会員制クラブに出入りしていた。

 そこで常連客に勧められ、初めてカラオケで歌ったのが『♪粋な別れ』だった。

 石原裕次郎の持ち歌で、ぼくもせいぜい低音を効かせたものだ。

 それに調子に乗ってか以後、裕次郎を気取った歌をよく歌ったものだ。

                                      (つづく)
イメージ 1


 なんとしたことだろうか !

 60年以上もの昔、アメリカに登場した豪華なキャディラックが今、路上に出現。

 長大な車体はピンク色に彩られ、かつての自動車王国を誇るかのように。

 「未だに健在だったのか !」との溜め息も出る。

イメージ 2


 この画像はサンフランシスコ近郊在住の友から送信されてきたもの。

 受信して咄嗟に思ったのは、「こんなクルマがまだ健在だったのか!」だった。

 そして、空想が宙を舞う。

 明るいカリフォルニアの空の下、陽気なアメリカ人たちを乗せたピンク・キャディラックが
 低音のエンジン・ノイズを轟かせつつ疾駆する。

 しかも、トップ(天井)を付けずに青天井のままだ。

 それで何かの用足しのためか、商店街に入ってきて駐車中。

 そうなると、見物人が集まってきそうなものだが、そこはアメリカ、
 じろじろ眺める野次馬たちは見当たらない。

 さらに空想は広がる。

 いくら雨の少ない地方とは言え、それに酷暑とは縁遠いとは言え、
 こうもトップを空けたままとは、うらやましい。

 あの真っ青の空の下で、天井は無用なのだろうか?


 そこで話は手前勝手のことになるが、そんなクルマに当方でも思い当たる節がある。

 その昔、伊豆下田や三浦葉山の海で、潜りに熱中していた頃のことだ。

 同好の士がいて、彼はある日、派手な米車で約束の場に乗り付けてきた。

 驚いたのは、車体の大きさだけでなく、運転席のボタンを押しただけで、
 トップが自動的に開閉することだった。

 そんなクルマに便乗させてもらい、あっちこっちの磯へ足を延ばしたっけ。

イメージ 3


 その後、近年のことだが、そんなクルマの模型に出くわした。

 雑多な骨董品などを売っている店で発見したのだ。
 それが色と言い、スタイルと言い、かの潜り友達が乗っていたのとそっくり。

 車種はフォード・フェアレーンで、ピンクの車体が同じだった。

 思わずその模型を買ってしまったが、上の画像は最近、我が家の近くの磯で撮ったもの。

 動くわけではないが、今でも大切に保存し、時折り眺めては往時を偲んでいる。
 真夏を感じさせる日が続き、そうなると、蓮(ハス)の花を愛でたくなる。

 我が家から歩いて数分の所に蓮池と称する小さな池があり、汗をかきつつ出掛けてみた。

イメージ 1


 幸い時宜を得たようで、その池では蓮の葉が密生する合い間に、
 鮮やかな花たちが夏の陽光を浴びていた。

 ただそれだけのことで、それ以上の言葉は浮かび上がってこないけれど、
 ここに花の香りが漂っていたら、どうだろうか?

 蓮の花は、幻想的な想いを誘い込むように思われるが、加えて芳香を放っていれば、
 さぞや高貴な香りに違いないだろう。

 ならば、もっと花に近付き、実際に香りを嗅いでみたくなる。
 だが、そんなことは容易でなさそうだ。

 せめて遠くからでも花たちを愛でるだけだろうか。
 絶世の美女には近付けなくても、距離を置いて眺めるように……。

イメージ 2


 そうだとすると、この蓮池の周囲に暮らす人たちが、なんとも羨ましい。

 朝な夕なにチラリと池に目をやり、花たちの機嫌をうかがうとか……。
 その状態がどうあれ、心が満たされることだろう。

 ただし、それは夏の一時期に限られよう。
 いずれは別れねばならない日がやってくるだろうから。

 そう思うと、歩いて数分の所に暮らすぼくらも似たような条件かもしれない。

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