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この風変わりな芸名をご存じの人は、さぞかし多いことでしょう。
TBSラジオ午前の帯番組《ゆうゆうワイド》の一角を担っている人気者。
その帯のなかで《ミュージック・プレゼント》があります。
東京一円、毒蝮(愛称まむちゃん)はとごへでも出かけ、
地元の人たちを集めて元気を振りまくような番組です。
《…プレゼント》というのは、誰かに歌の一ひとつでも贈るからです。
この頭にスポンサーの名が付きますが、現在は二代目になるでしょう。
それにしても今般、これが40年を超えたそうですから驚きです。
生放送の超・長寿番組に違いありません。
まむちゃんを一躍有名にさせたのは、毒舌にあるようです。
「ばばあ」「じじい」と呼びつけるばかりでなく、
「くたばりそこない」なんて言ってしまう。
巷間、その言い回しを非難する向きもありましたが、
ご本人はいっこうに改めません。
何よりも善意から発せられる言葉だし、めっぽう明るいからでしょう。
加えて頭の回転が素晴らしく速い。
毒舌や冗談がポンポン出てみんなを笑わせてしまう。
しゃべりっぷりは、東京の下町丸出し。
言葉づかいが乱暴になるのは、そのためです。
大工さんの家に育ったせいか、昔風の職人気質もあるのでしょう。
面構えがまた、それを彷彿させます。
赤ら顔で、精力的で、しゃべるほどに生気がほとばしります。
遠目にはその顔が野球のホームベースのように見えます。
(ご本人は熱狂的なジャイアンツ・ファン)
ともかく過日、40周年突破を期して《ゆうゆうワイド》で、
まむちゃんへのインタビューが放送されました。
上の記述はそれを聴いての感想ですが、
思い出すのは、まむちゃんとの若干の接点でした。
2、3回、宴席で一緒したことがあるし、
この人の講演会にも出席したこともあります。
ぼくが《ゆうゆうワイド》に出演させてもらったときには、
街頭録音中のまむちゃんから「英ちゃん」と呼ばれたり。
手前味噌はともかく、彼の前歴がまた珍しい。
日大藝術学部を出た後、俳優を目指し、本名の石井伊吉で、
人気映画『ウルトラマン』に出演し、名をあげたとか。
落語家の立川談志とも仲が良く、珍しいこの芸名を付けてもらったとか。
NTV《笑点》で座布団を上げ下げする役を続けたことも。
はぶ三太郎はまむちゃんの愛弟子兼マネージャーで、
それだけでなくTBS《土曜ワイド》では、
永六輔の貴重なアシスタントを任されています。
彼は誠実を絵に描いたような人柄で、
まむちゃんをしっかりとサポートしており、好感を持てます。
いずれにせよ、毒蝮三太夫独特の一人芸は、なおも健在でしょう。
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