丑の戯言 栗田英二

体調不良につき、プロク゜投稿も途絶えがち

イタリア便り

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 こちらはなかなか春本番にならないのに、
 イタリアのフィレンツェはすっかり春めいているようです。

 ローマからフィレンツェへ小さな旅をしてきた娘から、
 何枚かの写真が送られてきました。

 そのひとつが上の画像で、陽光がまぶしげではありませんか。


 彼女が列車でフィレンツェへ行った主な目的は、
 美術館めぐりにあったようです。

 ところが、街の中心地は観光客であふれていたようで、
 目指す美術館は長蛇の列。
 やむなく入場するのをあきらめたとか。

 そこにはルネサンス絵画で有名なウフィツィをはじめ、
 三つの美術館があります。

 それらが旅行者の目的のひとつにもなっているのでしょう。

 娘はあきらめてか、空いているドゥオモの宝物殿に入ったそうです。
 そこで歴史的に貴重な展示物をゆっくり鑑賞できたとか。

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 それ以外は街をぶらぶら歩いたそうで、
 写したのは当然、街の中央を流れるアルノ川です。

 ローマ帝政時代から栄えたフィレンツェ公国を象徴するのがこの川です。

 それを見てぼくは懐旧の念に陥りました。

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            (この画像だけはグーグルから借用)



 ぼくが初めてフィレンツェへ行ったのは、40数年前の10月のこと。

 パリから夜行列車に乗っての旅で、終始孤独でした。

 しかし朝、フィレンツェの駅に降り立ったときは、
 朝日が降り注ぎ、すっかり元気を取り戻したものです。

 ふらふら歩いて向かったのは、指定のホテル。
 そこで団体一行と合流しようというわけです。

 そして間なしに昼時となり、一行と共にホテルの食堂へ。
 そこで出されたのは、鍋いっぱいのスパゲティ。

 各自のお皿に分け、一斉に食べ始めましたが、
 一口した途端、身震いするほど美味しかったなあ。

 香りと歯切れが良く、これぞ本場のスパゲティと感激したものです。

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 食後、街に出てまず向かったのは、アルノ川に架かる橋。

 ポンテ・ベッキオと言って、橋全体がひとつの建物のようになっており、
 内部には宝飾を始めとする店がずらりと並ぶ。

 どの店もキラキラと輝き、イタリアに足を踏み入れた実感を味わいました。


 そんな思い出のあるフィレンツェに、こんどは娘が行ったわけで、
 世代の交代を感じるようでした。

ローマでは桜が満開

 
 温暖の移り変わりが日本の中心部と似ているのがローマ。

 そのはずだが、3月半ばには東京より一足早く桜が満開に。

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 ここに載せた画像は、ローマ在住の娘から送信された最新の写真。

 場所は、ローマ中心部にあるボルゲーゼ公園(Villa Borghese)で、
 見事に咲き誇っている。

 品種は分からないけれど、日本のと似ていなくもない。

 われわれと同様、イタリア人もお花見をするかどうかも分からないが。

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 面白いのは、この公園に騎馬警官が巡回していることだ。
 (桜満開と関係あるかどうか不明だが)

 そして、道行く人に馬上から声をかけたりしているらしい。

 途方もなく広いこの公園には、立派な道路もありクルマも走っているが、
 そんななかでも、騎馬警官が現在でも巡回するなんてさすが古都だ。

 なにせこの公園は17世紀、ボルゲーゼ卿の邸宅があり、
 名称がViila Borgheseとなっているのも、その名残だろう。


 そんな知識もなく、娘と一緒にこの公園で遊んだのは、
 3年前の秋だった。

 ちょうど昼食時にかかっていたので、街で弁当を仕入れ、
 美しい池の端で食べたときの楽しさ。

 秋が深まっていたとはいえ、木々の緑が鮮やかで美しく、
 素敵な思い出の1ページに。

 もうひとつ別れられないのは、公衆便所探しに苦労したこと。

 こんな立派な公園なのに、なかなか見つからなかったのだ。

 やっと発見したのは、お茶屋(?)の奥にある小さな便所。
 無料ではなく、小銭ながら有料なのには驚いた。


 送られた写真を眺めつつ、そんなことも記憶の底から浮上した。


 最後の画像は、同じころローマの市街地に咲く桜だ。

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 地中海に面するフランス南岸の一帯がコートダジュール。

 ニースとカンヌがとくによく知られたリゾート地で、
 小さなモナコ王国が隣接する。

 現役のころ、ヨーロッパ各地も訪ねまわったものだが、
 そのほとんどは仕事がらみ。

 なので、憧れのコートダジュールへは行けずじまい。

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 ところが、ローマ在住の娘がモナコとニースに小旅行してきた。
 格安航空券でも手に入れたからだろう。

 帰って早々、例のごとくその写真を送信してきた。
 それが上の画像で、モナコのヘラクレス港を中心に写したという。

 ただし、「デジカメの設定を間違えて妙に青味がかっちゃた」とか。

 そこでおやじとしては、行きもしないのにネット探索し、
 同じ地区の写真をグーグル・マップから探し出した。

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 そのひとつが娘の写した場所に近いモナコの俯瞰写真だ。

 確かに海も空も澄み切っており、素晴らしい景観。

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 さらに探し出したのは、ニースの海岸通りの夜景だ。

 夜景を写すと、どこでも光の乱舞で美しく見えるが、
 ここがコートダジュールだと思うと、ぞくぞくしてくるではないか。

 「ニースはとっても落ち着いた静かな町で、
 地中海沿岸のせいか海辺でも風や波もなく、湖のように静か。
 穏やか雰囲気のなか、延々と続くプロムナードをお年寄りが
 のんびりと散歩していたよ」とは、娘の便り。

 そんな素敵な観光スポットに、老いたぼくも旅したいけれど……。

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 先日来、「ベルリンの壁」崩壊後20年を記念した報道が、
 テレビや新聞で流されていた。

 ぼくにも、この「壁」には多少の思い出があるので、
 興味深くそれらの報道を見つめていたものだ。

 そうする間もなく、ローマ在住の娘から、
 写真入りのEメールが送られてきた。

 それが上の画像で、
 題して「スペイン広場に建てられたベルリンの壁」とでも言おうか。

 娘は「本物の壁と思い近付いてみたら、木製のハリボテでした」だと。



 「それにしても」と、オヤジは思う。

 国情も異なるイタリアの人たちが、なぜ、こうもするのだろうか、と。

 茶目っけたっぷりのイタリア人のこと、これぐらいのことは、と思うのだが、
 そんな単純なものではないだろう。

 東西両ドイツが統合したあの瞬間、同じ欧州人としては、
 われわれには計り知れない感動や歓喜があったに違いないとも。

 この記念的な「壁」をスペイン広場に設置したのは、
 いずれにせよ、さまざまな思いが込められてのことだろう。

 欧州統合の息吹の表れとも感じられる。



 とかなんとか愚考するわけだが、娘の便りには、
 「1週間ほどでこの壁は撤去され、
 そのあとにはクリスマス・ディスプレーになるらしいよ」とあった。

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 よく観るNHKテレビ《世界ふれあい街歩き》が先日、
 イタリアのヴェネツィアを取り上げていた。

 日本流(?)にはベニスとなるが、それはともかく、
 この番組がこんな大観光地を映し出すなんて珍しい。

 ただし、通り一遍の観光地的映像に終始するわけではなく、
 この街で暮らす人たちに焦点を合わせていたのは、さすがだと感心。

 同時に、ベニスでの自分の奇妙な体験がよみがえってきた。


 はるか以前のこと、ぼくがこの運河の街に入ったのは、
 最寄りの空港からの路線バスでだった。

 街の中心辺りが終点で、そこで重いスーツケースを下ろした。
 といっても、投宿先を決めておらず、闇夜に呆然と佇んでいた。

 すると、屈強なイタリア人青年が無言で近づき、
 ぼくのスーツケースをむんずと抱え上げるのだった。

 「あれあれ」と思う間もなく、「俺に付いてこい」といった感じ。
 そして、どんどん歩きだす。

 やむなく渋々付いていくと、一軒のホテルに導かれた。
 「ここに泊まっていけ」と言わんばかりに。

 こぢんまりとしたホテルなので、「まっ、いいか」となってチェックイン。
 
 それがペニス入りの第一幕。


 翌朝、雨模様だったが、張り切って飛び出した。
 まずはこの地区をひとまわり歩きまわってみようと。

 そこでまず驚いたのは、クルマが走っていないこと。
 古風な石畳の道は狭く、クルマが通れるようなものではない。

 中世紀からそのままにしてあるのだろうか。
 近代化の波に抗するかのように、頑固に古い街並みを維持しているのだろう。

 建物からしてどれも古めかしい。
 どの家も屋根は橙色に統一されているものの、大きさ豪華さはまちまち。
 
 それがえもいわれぬ調和を生み出している。

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 なんたって感激したのは、歩く先々に水路があることだ。

 ゴンドラ一艘がやっと通れるぐらいの狭い水路もあり、
 自宅の玄関前に停めてあったり。

 その一方、街の中央を流れる大運河もある。
 ひっきりなしにモーター付ゴンドラや大型モーターボートが往来している。


 折柄、雨足が強くなったものの、有名なサンマルコ広場を見ようとして、
 そこを目がけて歩いた。(最上部の画像参照)

 広場に到着してぶったまげたのは、
 レンガで敷き詰められたような広場全体、水浸しではないか。

 長靴でも履いていれば、歩けなくもないけれど、
 普通のズック靴ではどうしようもない。

 ちょうど満潮時になり、海から海水が押し寄せているに違いない。
 やむなく、広場を取り巻く建物の回廊に身を寄せるのだった。

 思うに日本などの観光地だったら、
 行政機関か何かが水害(?)を制すべく、何か施工するのだろうが、
 イタリアという国は、古きを重んじそのままにしているのだろう。


 こうしてペニス観光をしたわけで、
 その間、ここを舞台にした映画たちを思い浮かべたものだ。

 どれも素敵にロマンチックな街として快い印象が残っている。


 なお、ベニスからはレンタカーで抜けだし、
 アドリア海側の町々を通り過ぎ、
 山の上の小国、サンマリノに辿り着いたのだった。

                        (注:画像はいずれもグーグルマップから引用)

 

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