|
<「自然エネルギーは単位面積・体積当たりのエネルギーが非常に小さい。広大な開発行為なくして自然エネルギーによる火力や原子力の代替は不可能。しかし、物理法則上、不可能なことが可能であるかのように主張する人たちがいる。これにだまされないためにも、科学的に物を考える習慣を身に付けてほしい」>
科学的に物を考えることは、有効な方法だが、そのためには、確かな情報が必要。ことさらに科学的思考習慣と言わなくても、正しい情報が伝えられれば、多くの人は常識で正しい判断が出来る筈だ。逆に、科学的思考習慣があったとしても、間違った情報ばかりが与えられれば、正しい結論に至るのはたやすいことではない。この情報を多数の人に与えているのが、マスコミだ。マスコミには多くを望まないが最低限度のこととして、事実の報道を御願いしたい。事実のごく一部だけを切り取った報道は、事実の報道とは言いがたい。
自然エネルギーについては、「非常識発言」がいまだにまかり通っている。マスコミの偏向報道による結果だろう。本気で自然エネルギーに力を注げばすぐにでも火力や原子力の代わりになると思っている人たちや自然エネルギーは環境に優しいと思っている人たちがそれである。
ベランダに蜜柑の鉢植えがある。蜜柑というが、正確には金柑と土佐文旦だ。どちらも実生。食べた後の種を植えたのだ。どちらも50センチくらいにはなっていて、種からやっぱり生えるんだ、と当たり前のことに驚いている。その蜜柑の木に、アゲハチョウがやって来る。卵を産みに来るのだ。何日かすると蜜柑の葉には、小さな幼虫、芋虫のようなヤツが這い回ることになる。私は薬剤を使わないので、割り箸でつまんで足で踏みつけて退治していた。だが、いくら退治してもアゲハチョウは、次々やって来る。小さな虫とは言え、殺生は気持ちのいいものではないし、ついには根負けして退治するのを止めてしまった。すると、蜜柑の木は丸坊主の枝を沢山持つこととなってしまった。何故そうなったかといえば、芋虫を食べる野鳥をベランダでは自由に遊ばせることが出来ないからだ。糞害がある。特にハトが巣を作りでもしたら、大変なことになる。
自然というものは、すべてが連関していて何かの働きをしているものだ。野鳥を来なくしただけで蜜柑の木は丸坊主になってしまうのだ。自然エネルギーは自然からエネルギーを抜き取ることだ。何かを抜き取れば影響が出るのは当然だ。もしベランダに太陽光パネルを設置したなら、そこで蜜柑は育たない。蜜柑とアゲハチョウの華麗なる戦いもすべて存在しえなくなるわけだ。もし、太陽光発電で火力や原子力の代わりをしようとするなら、一体どれだけの緑色植物とそれに支えられる多数の生き物の営みを犠牲にしなければならないのか、気が遠くなる話だ。
家の屋根の上なら設置しても植物を犠牲にせずに済むのではないかと言うかもしれない。例えば、<1千万戸に太陽光パネルを設置する場合、1戸につき200万円としても20兆円かかる。東日本大震災における建築物や農水産物などの被害額は16兆9千億円と推計され、設置にはそれを超す金額が必要となる。>のだそうだ。そしてその発電量は、日本の総発電量の4%に過ぎないという。もし、総発電量の50%を太陽光発電で賄おうとすると、極めて多くの植物を犠牲にすることになるだろう。
太陽光パネルは太陽光を電気に変える。その電気は、結局最後は熱に変わる。太陽光パネルは酸素を作り出さないが、緑色植物は酸素を作り出す。太陽光パネルは生き物を養わないが、緑色植物は生き物を養う。それなら、屋根や屋上を太陽光パネルで覆うよりも、緑色植物で覆う方が、よっぽど環境には優しいのではないか。発電は火力や原子力に任せ、屋上緑化などに補助金を使う方が、太陽光発電に補助金を使うよりも、余程自然に優しいと思うが、どうだろうか。
どんな発電方法であれ、大規模に行えば環境に影響が出る。自然に優しいと思われている水力発電も小さな水車で発電している分には問題が無くても、ダムを造って大規模に行えば、自然に影響が出るのだ。これは、どの自然エネルギーでも同様である。
蜜柑もそれを食べる芋虫も、その親のアゲハチョウも、それをまた食べる鳥たちも、勿論、それらを支える蜜柑、緑の植物も、皆豊かに暮らすためにはどうすれば良いのか、正しい情報を元に考えたいものだ。
以下、ニュース 一部、フォントを変えてある。
「非常識発言」いまだ放置、太陽光発電のやさしくない現実
産経新聞 7月11日(金)10時0分配信
■発電量わずか、代替ほぼ無理
東京電力福島第1原発事故以降、太陽光や風力などの自然エネルギー(再生可能エネルギー)への期待が高まり、太陽光パネル設置を後押しする政治家の発言も相次いだ。太陽光パネルはどれぐらい普及したのか、自然エネルギーで日本のエネルギーは賄えるのだろうか−。(平沢裕子)
◆菅元首相力説「1千万戸」でも総発電量の4%
「家屋への太陽光パネル1千万戸設置」−。平成23年5月、菅直人元首相は経済協力開発機構(OECD)の演説でこう宣言、さらに「自然エネルギーの発電割合を2020年代までに現在の9%から20%にする」と表明した。
1千万戸に太陽光パネルを設置する場合、1戸につき200万円としても20兆円かかる。東日本大震災における建築物や農水産物などの被害額は16兆9千億円と推計され、設置にはそれを超す金額が必要となる。
発電量はどれぐらいだろうか。平均的な1戸当たり発電量は年間約4千キロワット時で、1千万戸の発電総量は年間400億キロワット時。25年度の日本の総発電量は9400億キロワット時で、1千万戸に太陽光パネルを設置しても総発電量の4%にすぎない。
一方、23年4月、神奈川県の黒岩祐治知事は「4年間で太陽光パネル200万戸設置」を公約に当選。200万戸設置にかかる費用は約4兆円。4年で実現するために年1兆円必要だが、同県の一般会計予算は26年度で1兆8650億円と予算の半分以上を使わなければならない。筑波大学システム情報系の掛谷英紀准教授は「どちらも計算すれば非常識な数字と分かるが、当時、大きく問題にされることはなかった。自然エネルギーに関しては今も同様の非科学的な発言をする人がおり、そうした発言が放置されているのが現状だ」と指摘する。
同県が23年9月にまとめた「かながわスマートエネルギー構想」では「2020年度までに県内消費電力の20%以上を自然エネルギーにする」とし、「4年で55万戸」の目標を掲げた。55万戸設置の発電量は22億キロワット時で、24年度の同県の消費電力量485億キロワット時の4・5%。ただ、目標の非現実性に気づいたのか、今年4月の「かながわスマートエネルギー計画」では11%にトーンダウンした。
◆広大な開発必要
太陽光発電協会(東京都港区)によると、23〜25年度の太陽光パネル設置の補助金申請は全国で約80万件。菅元首相が目標に掲げた1千万戸は遠い。
太陽光だけではない。政府は6月、新成長戦略で風力発電の導入加速をうたっている。現在、日本で一番使われている自然エネルギーは水力。「ダムが環境を破壊する」として水力は人気がないが、「風力で水力と同規模の発電量を確保するには水力の5倍の施設面積が必要」(掛谷准教授)。風力発電の施設設置も自然を壊さないとできず、環境破壊の度合いはダムの比ではない。
掛谷准教授は「自然エネルギーは単位面積・体積当たりのエネルギーが非常に小さい。広大な開発行為なくして自然エネルギーによる火力や原子力の代替は不可能。しかし、物理法則上、不可能なことが可能であるかのように主張する人たちがいる。これにだまされないためにも、科学的に物を考える習慣を身に付けてほしい」と話している。
|