めぐるさかずき

藪の奥の朽ち果てた庵で、スルメを噛み噛み、過去の城めぐりを書き記す

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美濃加納城址は、岐阜城の南西にある。
 
訪れてみて驚くのは、今にも崩れそうな野面積みの石垣。
延々と、続く様は、石垣フェチなら垂涎ものだろう。
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この加納城、江戸時代には次のような伝説があったという。
つまり、江戸期の加納城は、伝承として中世の加納城跡に作られたらしいと言われていた。
「昔、城があってさぁ。その上に今の城が造られたらしいよ、ほんとかなぁ」という感じだったようだ。
 
平成に入り、本丸南門付近を掘っていたら、中世加納城の地面や土塁が出てきた。
本丸のほぼ真下に、中世加納城がまるまる埋まっているらしいということが分かった。
ここにいたって、江戸時代に語られていた伝承が、本当だったと言うことが分かってきたのだという。
 
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中世加納城は、川手城の押さえとして築かれた城だった。
文安2年(1445年)、土岐氏守護代の斎藤利長が川手城西北に築き、代々居城とした。
戦国時代に入ると斎藤氏の勢力が弱まり、美濃の実権は斎藤氏家老の長井氏のものとなる。
天文2年(1533年)、土岐氏家臣の西村勘九郎が稲葉城主長井氏を殺害して長井新九郎を名乗る。
さらに天文7年(1538年)、この長井新九郎は、斎藤利良の死後、嗣子がないのを幸いにして、斎藤利政を名乗るようになる。
 
と、ここまで来れば、この斎藤利政が何者か分かってくるだろう。
そう、何を隠そう、(隠してはいないが…)、彼こそ「美濃の蝮」こと斎藤道三である。
この改名により加納城も利政のものとなる。
 
しかし、利政は稲葉山に居城を移し、加納城は廃城同様となった。
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その後、加納城は関ヶ原合戦以後、復活する。
慶長6年(1601年)、家康は岐阜城を廃し、荒廃していた加納城を改築して、娘婿の奥平信昌を入城させた。
西方への押さえとしての城である。
以後、大久保氏、松平氏、安藤氏と城主が変遷。
最終的には、宝暦6年(1756年)、永井氏が三万二千石で入城。
その子孫が継いでいった後、明治維新を迎える。
 
現在、城址は公園や学校、気象台などになっているが、土塁、石垣などの遺構が比較的よく残っている。
ということで、まずは、加納公園へ。
 
ここは、本丸跡になるのだが、自衛隊駐屯地の後、市民憩いの公園となっている。
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「登らないでください」と書いてはあるものの、手も足もかけて登りやすそうな石垣…。
石垣の材料としては珍しいチャートで築かれている。
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埋め立てられてしまってはいるが、土地の高低差から、堀跡も想像することが出来る。
周囲を流れる川も、人工的に川筋を変えたと思われ、堀としての働きをもっていたことがしのばれる。
現在は、城内も周囲も埋め立てられているため分かりにくいが、加納城は水に浮かぶ城であった。
上の写真からも分かるのだが、清水川を人為的に東へ開削して荒田川に合流させた可能性が出てきている。
長刀堀は、自然の谷のような地形の場所にあったことも分かってきている。
ひょっとすると、長刀堀はかつて清水川の本流だったのを、江戸時代初めに現在の場所に付け替えられたのではないかとの推測もされている。
 
また、本丸北門は、元自衛隊正門で、中山道に面していた。
下の写真は、水色の門が正門。
その左手の土塁を左の方へ行った所が天守台跡と伝わっている。
天守閣は築かれていなかったとは言うが、ここから北東に、金華山、つまり岐阜城が見える。
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下の写真は、公園北東の土塁から見た岐阜城。
 
あんな高い所から、せっせと資材を運び下ろし、加納城を築かせたのだ。
重機もない時代、ご苦労さんなことで、頭が下がる。
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現在、三の丸跡は小学校になっている。
勝手に出入りできないので、周囲から見るしかないのだが、土塁と石垣の跡など、その高低差などから偲ぶことが出来る。
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そして、二の丸跡は、気象台になっている。
入るわけにはいかないので、これも周囲から見ただけ。
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平成に入り、本丸跡発掘で、障子堀が確認された。
後北条氏の城の特徴とされるものが、何のために掘られたか。
加納城の『400年も眠っていた謎』となっているのだそうな。
 
また、加納城由来の興味深い話は、関ヶ原合戦後初代城主となった奥平信昌の妻、亀姫にまつわる「もろもろ」
それについては、次回…

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