めぐるさかずき

藪の奥の朽ち果てた庵で、スルメを噛み噛み、過去の城めぐりを書き記す

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犬も歩けば棒に当たる……
そして
にんにんも歩けば、城跡に当たる…のである
 
ということで、近江の旅。
例によって例のごとく、風雲を呼びながらの旅だった。
行きは、高速道路通行止め、道路陥没、トンネル土砂崩れ、集落冠水、水没…
と、通りすがる市町村を災害の渦に巻き込みながらのドライブ。
 
とはいえ、翌日、近江八幡の日牟礼神社からの帰路は、そこそこに快晴。
途中、あまりの睡魔に爆睡する。
 
ふと目覚めたら、虹…
「いい天気で良かったなぁ…」
とつぶやいたら、同行者達に
「何言ってるんですか、にんにんさんが爆睡している間、一寸先も見えない豪雨だったんですよ」
と、呆れられてしまった。
 
それはそれとして、近江と言えば城と砦ばかり。
目覚めて、鼻を利かせていたら、やっぱり当たってしまった。
鯰江城である。
鯰が多くいたところだったのだろうか。
川筋とは言え、恐らく、泥地で湿地。
 
余談ながら、鯰はあまりうまいと思ったことがない。
故あって、今から、ん十年前、毎年春に鯰を食べる宴を経験していたが、なんとなく泥臭くて好きになれなかった。
ということを、人に話したら、最近の鯰は、泥臭くないのだそうだ。
おそらく、鯰もシティ化して、垢抜けちゃったのかも知れない。
 
イメージ 5
 
それは、ともかく、鯰江城という名前は聞いたこともないぞと思いつつ、血だけは騒ぐ。
 
イメージ 1
                                                ( 上の写真の右手前に城跡)
 
はっきりしない所在地を尋ねながら八風街道を進む。
注意しないと見落としそうだと眼をこらしていたら、簡単に見つかった。
 
イメージ 3
 
イメージ 4
 
イメージ 2
     (この写真の手前が城跡、美しい田んぼの向こうに愛知川が流れている)
 
愛知川の河岸段丘を利用してとの説明ながら、現在は干拓、あるいは改良が進み周囲は美しい田園ではある。
城跡は現在集落になっているというが、郷中の道はいくつにも屈曲した細い路地。
 
イメージ 6
意外に保存されている地形(縄張り)の名残に従い、集落に入ってみた。
もし、こちらが攻め手なら、横矢をかけられ、お手上げになりそう。
 
イメージ 7
 
驚くのは住宅地図。
個人情報もあるので写真は載せられないが、鯰江さん、城(たちorしろ?)さんの固まり。
鈴村さん、小川さん、上川さん、飛田さんなど、その出自が推測されそうな姓も固まっている。
たしかにここは、もと、城内だったのだろうと思われる集落なのである。
周囲を眺め渡しても、妖しい山ばかり…
 
この鯰江城の城主は、この土地の豪族鯰江氏…そのまんまだが…
城と言うより、興福寺の荘園の管理者ということだから、館、あるいは砦に近いものだったのではないか。
世が騒がしくなり、彼らもちょいと権力への色気を持ったのが、つまずきだったようだ。
あの有名な安土城のお隣にそびえる観音寺城を織田勢に追われた六角氏。
彼らを、かくまったことから、信長に攻め落とされてしまう。
もともと、鯰江氏と六角氏は縁戚関係にあったようでもあり、落ちてくる六角氏を守らざるを得なかったのだろう。
 
 (このころの信長は勢いづいていた。
 安土城はまだ造られてはいなかったが、その手本は観音寺城だったとも言われている。
 城ファンなら、観音寺城はメッカの一つであろう。)
 
鯰江氏はその後、各地に落ち延びだ。
大阪に落ちた一族は、そのまま鯰江という地名を残している。
また、森氏から毛利氏になったもの、あるいは、あの財閥「三井」の元になった者もあった。
ただし、この毛利氏、あの三つ矢の教えで有名な毛利氏とは異なる。
 
それにしても、この六角氏、観音寺城という巨大な城をもちながら、籠城することはほとんどなかったようだ。
緊急時はすぐに城を出て、近隣の甲賀に逃げ込んだりしている。
すたこらさっさと、八風街道を走れば、甲賀はすぐそこ…
自分の城より、忍びの村の結束を信じていたのかも知れない。
 
そばに、頼れる者があると、自力で頑張らない心理。
(強いママと、自立しない子ども…子育てにも通じるかなぁ…)
と、老人は、ふと、尾木ママの気分になって考え込んだのであった。
 
 
 

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