めぐるさかずき

藪の奥の朽ち果てた庵で、スルメを噛み噛み、過去の城めぐりを書き記す

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登り詰めたところは本丸跡。
 
 
もともと、この八幡山には六角氏の家臣伊庭氏の砦があったという。
その後、秀次がここに来て、山上にあった日牟禮八幡社を麓に下ろし、城を築いたのである。
 
ここには現在、村雲御所瑞龍寺が建っている。

 
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本丸跡入り口の虎口部分の石垣には、権威を誇示するかのような巨石が使われている。
 
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門をくぐり、傾斜の急な石段を登っていく。
 
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この部分はかなり狭く、幾重にも直角に屈曲が繰り返されている。
狭い井戸の底から螺旋の階段を登っていくようなものだ。
防御する側から見れば、敵は穴底から登ってくる蟻の行列。
四方から八方から簡単に、矢と鉄砲玉の嵐でイチコロである。
 
この瑞龍寺は秀次の母が、子や孫の弔いのために開基した寺で、昭和時代に京都から移転された。
秀次の母・智(とも)は、秀吉の姉でもある。
智は、子どものいない弟に長男の秀次を養子として差し出した。
それなのに、弟は息子を切腹させ、その妻子も処刑、さらに夫も流刑にする。
智は弟によって、夫も子も嫁も孫も、一網打尽に奪われたことになる。
肉親ながら秀吉を恨むこともできず、唇を噛んで耐えたであろうことを思うと、胸が痛む。
 
それは、当時の女性の人生として考えれば、珍しいことではなかったかも知れない。
が、母としての人生は、覚悟の上とは言え、過酷で、まさに生き地獄…
救いと言えば、智だけが娘を通じて、木下家の血を残すことができたということ。
現在の皇族も含まれているらしいから、《尾張の三英傑(織田家、豊臣家、徳川家)、未だ亡びず》ということだろう。
 
とはいえ、哀れすぎる秀次の母…
彼女の悲しみに思いを馳せながら御朱印を頂く。
それにしても、この本丸の敷地の狭さはなんじゃ、と驚く。
多数の軍を敷くには、ちょっと手狭だったのではないか。
天下の要害と謂われながら、何度も落城している岐阜城とまでは行かないまでも、狭い。
戦いの舞台になっていたら、案外、簡単に落城しちゃってただろうな…

とはいえ、さすがに本丸跡からの眺望は最高で、城下町が一望。
 
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秀次が家臣の力を借りながら作り上げた城下町の面影が、今も、整然とした姿で残されている。
東西を内湖に囲まれたこの城下町は、運河の町でもある。
ここから見下ろしながら秀次も、近江を手中に治めた気持ちにもなっただろう。
つかの間の夢に終わってしまったけれど…
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ぐるり散策していると、まだ真新しいきんきらきんの金生稲荷が、虎口を登り詰めた脇にあった。
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豊臣好みを感じて苦笑しつつ、本丸から撤退。
いつからあるものか分からないが、こんなところにない方がいいのではと、城攻め部隊一同意見の一致。
なんだかアヤシイ新興宗教の匂いがしたが、もしかするとほんとは由緒あるものかも知れない。
もしそうなら、お狐さん、ごめんなさい。
 
豊臣秀次、豊臣秀次、豊臣秀次…という赤い幟に従って石段を下り、門をくり、再び、けもの道へ。
 
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下ってくると、二の丸跡はロープウェイの駅脇にあった。
 
こんな風になし崩しに駅なんて作っちゃって…
とは思ったが、これも町起こしなら仕方ないのかもしれない。
 
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近代的建築物のステーションに興ざめしたものの、中の涼しさには感謝。
真夏の城攻めの後だけに、近代兵器のエアコンは救いの神である。
売店のおばちゃんもいい人で、思わず、飲みつけないコーラなど購入。
さらに発掘調査をまとめた発行間もないパンフレットも買う。
 
近江八幡は、この城だけがメインではない。
銅鐸がたくさん発見された野洲なども近く、先史からの未知の歴史がまだまだ眠っていそうな所だ。
近江は深いなあと、感心しきりで山を下りたのだった。
 
そしていよいよ八幡堀へ…
 

 

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2012/12/22(土) 午後 5:52 [ LUIGI ルイジ ]

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LUIGI ルイジ殿
ありがとうございます。
こちらこそ、よろしくおねがいします。

2012/12/22(土) 午後 9:26 [ にんにん ]


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