めぐるさかずき

藪の奥の朽ち果てた庵で、スルメを噛み噛み、過去の城めぐりを書き記す

島根県の史跡

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津和野城は豪雨だった

下の写真は、どこだと思われるだろう。
一瞬、「但馬竹田城」と答えたくなるのではないだろうか。
 
よく似た風景ながら、これは津和野城跡。
森鷗外生家からアップで撮った写真である。
 
イメージ 1
津和野は長い間、憧れていた場所である。
城への思いより、安野光雅がエッセイで語る故郷としての津和野である。
ということで、津和野へ出かけた。
が、災いを呼ぶというジンクスをもつにんにんなので、ここもただでは済まなかったのである。
 
閑話休題ながら、どんな災いを呼ぶのか、For Exampleの巻。
死者まで出た東京のゲリラ豪雨による地下浸水時、そのそばにいた。
直江津滞在中には、新潟中越沖地震発生。
石見攻めで佐用町付近を通過時も豪雨、浸水。
などなど、大きな災害時、いつもにんにんがそこにいるというので有名なのである。
そこでにんにんが出かけるというと、周りの人間はテレビに注目。
そこで災害が起きはしないかと、案じているのである。
 
話を戻すと、ジンクスは津和野でも起きた。
いざ城攻めという段になり、大風、豪雨の嵐。
そのため、ろくな写真が撮れないままに終わったのは残念の極みである。
(以上、適当な写真がないことの言い訳イメージ 2
 
さて、津和野である。秋吉台から一路、目的地に向かった。
山道から津和野の町に入るとき、大きな赤い鳥居をくぐる。
その瞬間、まるで、別の世界へ転生するような感覚になる。
この大鳥居は、恐らく津和野城の下にある太鼓谷稲荷の参道と解釈されるもの。
その里の入り口から見ると、向かいの山に赤い鳥居がきれいに連なっているのが見えた。
山の麓から山の中腹まで、途切れることなくびっしりと並ぶ赤い鳥居は見事で、思わず溜め息が出る。
見た人は皆、深い山奥にこんな美しい景色があったのかと感動するだろう。
 (この写真でその美しさを伝えられなくて残念である)
 
津和野城に話を戻そう。
城はわずか標高150メートル(200メートルとも)の霊亀山にあるのに、ケーブルカーが運行している。
城山へ登ることを話すと、宿の人に熊が出るので気をつけるように言われた。
しかし、いざ城攻めという段になって、豪雨でケーブルカーは運行休止、急傾斜を登るのも危険と言うことで断念してしまった。
 
この津和野城は三本松城とも呼ばれていた。
1281年、蒙古襲来の折り、長門・岩見海岸の警備を命じられた能登の豪族吉見頼行は西石見に領地を得た。
1295年、彼は一族郎党と共に石見に向かい、三本松山で築城工事を開始する。
城の完成は30年後、頼直の時代になってからだったという。
爾来、西石見2郡を支配。隣接の益田氏と抗争を続けた。
その後、陶晴賢に攻められるもびくともせず。
しかし関ヶ原後、毛利に従って長門に移り、305年12代に渡る居城を引き払った。
1601年、入城した坂崎出羽守は城の改築に取りかかる。
山頂に石垣を積み上げ、中世城郭を近代城郭に作り替えた。
それまで広大だった城郭を縮小し整備したのだ。
本城を中核部として石垣化し、その北に出丸を築く。
本丸の南に突き出た人質櫓台は、本丸の石垣の高さを補うためにつくられ、高さが12メートルもあるという。
登ることは叶わなかったが、築城の発端は蒙古襲来に向けての警備であることを考えると、日本海まで見通せたことは確かであろう。
そもそも、吉見氏の頃の大手口は西側、つまり日本海側にあった。
元の大手口を見ると喜時雨という里が見られる。
坂崎氏になって大手口は山の反対側に移された。
そうなると、麓を流れる津和野川は、堀と水運の役目を大きく果たしたはずだ。
街道もこの川に沿って通っている。
太鼓谷稲荷の展望台から見下ろすと、これら全てが一望だった。
城下を行き来するものをしっか見張ることが出来たのだろう。
実際、津和野川沿いに、物見櫓と馬場先櫓が現存している。
また、普段、藩主が居住していた御殿跡はこの川沿い、山側にある。
代々藩医を勤めた森鷗外の生家は、その対岸、川の外側。
家の窓から眺めると、城跡は目の前だった。
 
さて、津和野城整備に努めた坂崎氏は千姫事件で改易。
わずか16年の在城であったが、津和野城下町の発展に尽くした功績は大きかったという。
 
続いて入城したのが亀井正矩で、亀井家は、11代254年を経て明治時代を迎えた。
 
津和野は山中の小さな町である。
しかし、上から見下ろす景色は安野光雅の絵、そのもの。
訪れることがあったら安野光雅美術館にも是非足を運んで欲しい。
四季全ての時間、窓の一枠一枠から見える景色が絵になるように工夫され、設計されている。
知的好奇心を刺激される心豊かな作品も多く展示されている。
文化の薫り高い美術館なのである。
 
あこがれの町は、二日間とも雨。
シンボルの青野山を眺めつつ、あの赤い大鳥居をくぐり、再び、現世にもどって来たのだった。
 
 

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