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お城とはすごいものだと思った始まりは、福井の丸岡城である。
数十年前、友人達と越前の旅で立ち寄ったお城、それが丸岡城だった。
立ち枯れも混じる雑木と藪の中に建つ丸岡城は暗く古びていて、荒れ果てたままの天守が残っていた。
中は黒ずんだ柱があるだけで何もなく、美しい城のイメージからはほど遠いものだった。
現存する最古の天守というが、あまりにも古びて殺風景で、なんだか心まで荒涼としてきたことを覚えている。
だが、這うようにして中の階段を上り天守を目指すうち、感動が胸の中にわいてきた。
そうなんだ、戦う城とはこういうものなんだ…
周りの荒れ果てた藪も、いかにも古城というのにふさわしく、つわものどもの夢の後とはこんなものかもしれない
不思議な感慨から、心の中では最高の城としてカウントされたのだった。
それから何年かして、再び、丸岡城を訪ねた。
孤独な影をまとった戦う山城を求めての再訪だった。
だが、丸岡城は変わっていた。
周囲の藪は刈り取られ、すっきりと城全体がながめられるようになっていた。
なんだかがっかりして中に入り、こぎれいになった天守にさらに違和感を感じたものだ。
そしてさらに、年を経ること数年…
再々訪して、さらにさらにがっかり。
周囲は美しくこぎれいな公園に様変わりしていたのだ。
ちがう!
丸岡城は、こんな小ぎれいな城じゃない!
大声で叫びたかった。
しかし、観光資源として天守を売ろうとすれば、あの幽霊でも出そうな天守ではまずいのだろう。
町興しのためには、最古といわれる天守もお化粧をして身売りするしかないのかもしれない。
行くたびにがっかりしたところは、東尋坊、松島だったが、丸岡城も私の中では、がっかりポイントのひとつになってしまった。
だが、だからといって丸岡城への畏敬の念が無くなったわけではない。
丸岡城は今でも私の中ではベスト5の城なのだから。
ただ、まわりがねぇ…
と、思うだけのことである。
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福井県の史跡
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